「サンガツは、2012年以降の作品について、著作権を放棄することにしました」
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日本のポストロックシーンを代表するバンド、サンガツがブログ上で発表した「お知らせ」は、音楽ニュースサイト・ナタリーにもピックアップされ、あっという間にネットの上を駆け巡った。
サンガツはジム・オルークのプロデュースにより、音楽評論家でもある佐々木敦さんのレーベル、WEATHERから2000年にデビュー。以降2010年発表のアルバム「5つのコンポジション」まで4枚のオリジナルアルバムをリリースしてきた。著作権の放棄と同時に、このレーベルも離れることになる。
ただ、そのお知らせの部分はさておき、このブログにある「itmsよりもspotifyよりもクックパッドの方が先を行っている※」という一文は、現在のネットと音楽シーンの関わりを適切に評価した表現のように思えた。もとよりサンガツの音に接したことがあれば、彼らの真意がどこにあるのか概ね予想が付いたのではないか。
サンガツの曲はどれもエモーショナルな表現をおさえた整然とした構成でありながら、ポップで外に開かれているという、他の何にも似ていないユニークさがある。音作りの手法も極めてコンセプチュアルだ。その彼らが、安易に「FREE」というバズワードに乗るはずもないし、単純に活動の舞台をネットに移すということでもないだろう。サンガツの小泉篤宏さん、小島創太郎さんのお二人に、この宣言からバンドの目指すものを伺った。
※ itmsはアップルが運営するデジタルミュージックストア「iTunes Music Store」の略。「Spotify」はスウェーデンのクラウド系音楽サービスで、iTunes Music StoreをWebサービスにしたようなイメージのもの(日本ではまだ利用不可)。そしてクックパッドはご存知、日本が誇るお料理レシピの投稿サイト。
■ サンガツの「Five Days」
サンガツは他分野とのコラボも多いバンド。岡田利規さんが主宰するチェルフィッチュの演劇「三月の5日間」は、サンガツの曲“Five Days”を聴きながら執筆されたという作品。現代演劇の新たな可能性をひらいたと激賞され、パリ、ブリュッセル、ベルリンなど海外での評価も非常に高い。公演回数は初演から100回を超える。
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