さまざまな世代の人が情報を発信できるネットには、大正から昭和初期を生きた当事者が運営するサイトさえ転がっている。
そうした郷愁色の強いサイトのなかでも定番人気を誇るものは、その時代に生まれていない若い世代でも読めるオープンな雰囲気を持っている場合が多い。「60年代 懐かしの宝箱」はその典型例といえるだろう。
サイトのテーマは1960年代の日本。テレビ番組や音楽、食文化などの親しみやすい資料やエッセイをまとめており、等身大の視点で昔を眺められる。管理人は富沢瑞夫氏。当時からジオラマ模型の達人として活躍していた富沢氏は、ホームページの運営にも共通のコンセプトを持っているという。
顔の見えるインターネット 第91回は、半生をかけてひとつのコンセプトを貫き続ける富沢氏の心に迫る。そこには回顧趣味とは次元の異なる、立体的な郷愁が埋まっていた。
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