日本におけるケータイ端末で、もはや必須の機能となっているのが静止画や動画を記録できるカメラ機能だ。性能も年々向上し、今では1000万画素を超える撮像素子を搭載した端末も珍しくない。
ただ、個人的にはケータイのカメラ機能を使うことはこれまでほとんどなかった。そもそも画面が小さいことや、PCへの転送があまりにも面倒なことが理由である。
そのため、外出先で写真や動画を撮りそうなときは、必ずデジタルカメラやデジタルビデオカメラを持ち歩いていたのだが、最近はそんなときでもカメラを持たないケースが増えた。「iPhone 4」を使って撮影するようになったからである。
iPhone 4なら画面(Retinaディスプレー)が広くて見やすい上、PCに接続すればカンタンに撮影した画像を転送できる。しかも、高感度撮影に強い裏面照射型CMOSセンサーと、F2.4という明るめのレンズの組み合わせは、室内での撮影でも意外なほどキレイに撮れる。
写真撮影では、複数の撮影画像を合成してダイナミックレンジを広げる“HDR”(High Dynamic Range)にも対応しているため、明暗の差が激しいシーンでもキレイに記録できる。
動画でも720pの解像度があり、ちょっとした撮影であれば画質面で不満はない。必要であれば、その場からYouTubeにアップロードできるのもiPhoneならではの特徴だろう。
こうしたカメラ機能をさらに楽しむため、「App Store」にはさまざまなカメラアプリが登録されている。今回はその中から、特に気に入っている3本を紹介したい。
現代の風景をニュース映画風に記録
8mmカメラで撮影した昔の映像には、今のビデオカメラにはない独特の味わいがあるが、これをiPhoneで再現しようというのがNexvioの「8ミリビンテージカメラ」(230円)だ。5種類のフィルムと5種類のレンズの組み合わせ(全25種類)で、傷の入ったモノクロームの映像や色褪せたカラー映像など、レトロ風の映像をカンタンに記録できる。
フィルムとしては「1920」「70s」「XPro」「Siena」「Sakura」のいずれかを選択できる。たとえば1920ならモノクロームの粒子の粗いフィルムで撮影したような映像になり、Sakuraなら全般にピンクがかった色調のカラー映像が撮れるという具合だ。
一方のレンズは、映像の四辺が暗くなるものや中央だけがやけに明るいレンズ、光漏れが発生しているものなど、こちらもバラエティに富んでいる。
面白いのは手動でジッター効果を入れられるところ。ジッターとは時間軸のズレで、これが発生すると映像が上下に揺れる。この機能を使いこなせば、さらにレトロな雰囲気を演出できる。
普段見慣れた風景でも、このアプリを使って撮影すると、とたんに昔のニュース映画のような雰囲気になるのが不思議で楽しい。普段、動画はあまり撮影しないという人でも、このアプリなら撮るのが楽しくなるのではないだろうか。
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