晩秋の福島でラストバトルに挑む!
いよいよメロンブックス・ラリーチャレンジ"チーム2010"も、今年の最終戦。ターマック(舗装)イベント全勝、それにJN-3クラス最多勝利の2つの記録をひっさげて、MRC2010が最後の戦いに乗り込んだのは、11月6~7日開催の全日本ラリー選手権第8戦「MSCC東京ラリー」。福島県棚倉町を舞台に、総走行距離522.68km、SS13本67.99kmの規模で開催されるグラベル(未舗装)イベントだ。
第1戦・唐津、第3戦・久万高原、第6戦・新城、そして先日の第7戦・高山と、4つのイベントを制したMRC2010。これにより合計シリーズポイントは96ポイントとなり、シリーズリーダーの香川秀樹/船木一祥組MASCインテグラまで27.2ポイント差となるシリーズ2番手に浮上していた。
今回の福島戦で1位に与えられるポイントは30ポイント。つまり最終戦の時点でシリーズチャンピオンの目が残されていたのは、MASCインテグラと我らがメロンブックスインテグラの2台のみ。でも、メロン号がチャンプを獲るには優勝が絶対条件、かつMASCインテグラを9位以下に沈めなければならないのに対して、MASCインテグラはメロン号の順位がどうあれ、9位以内にさえ入ればチャンピオンが確定する。メロン号がチャンピオンを獲れる可能性は、限りなく低い……。
ということで、チームとしては今回も着実にフィニッシュを踏むことを最優先としていた。メロン号ドライバーの眞貝知志選手は、ターマックでは抜群のテクニックを持っているが、グラベルでのマシンの動かし方はいま一歩。これはグラベルイベントへの参戦経験が少ないためで、今回はテクニック習得のための経験作りとしてチームは意識していたのだ。来年度、全日本ラリー選手権ではグラベルイベントの開催数が増えることが決まっており、ここでグラベル経験を積んでおくのは決して無駄ではない。
シリーズチャンプの目こそ非常に小さいが、一方で今回の福島戦がどんな結果になったとしても、全日本選手権の表彰対象であるシリーズ6位以上となることは確実。だったら、ここでちょっとばかりの無理をしてみるのもひとつの手だろう。完走最優先、しかし路面の荒れが少ない序盤はできる限りプッシュしてみること。これが、コ・ドライバーの田中直哉選手が出した結論であり、筆者もそれを追認する形で今回の戦いでのチームオーダーとしたのだった。
──というのが、最終戦・福島にいたるまでの事前の状況。ここからは当日の模様をお送りしよう。
(次ページへ続く)
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