YouTubeやニコニコ動画など、動画共有サイトが賑わいを見せている。これらのウェブサイト上の動画はHYBRID W-ZERO3でも見られるのだろうか。
低ビットレートのYouTube動画ならPHS回線でも視聴可能
モバイル環境における通信インフラのブロードバンド化が急速に進んだことにより、外出先でも気軽に動画共有サイトなどにアップロードされている映像を楽しめるようになった。ただ、動画を再生するためだけにノートPCをわざわざ開くのはあまりにも大げさだろう。ここはやはり、スマートフォンで気軽に再生したいところである。
もちろんHYBRID W-ZERO3でも外出先で動画を再生することが可能だ。PHSと3G回線の両方を備えるHYBRID W-ZERO3であれば、低ビットレートはPHS回線、高ビットレートの動画は3Gと使い分けることが可能だ。なおHYBRID W-ZERO3専用の料金プラン(「新ウィルコム定額プランG」「新ウィルコム定額プランGS」)では、PHS回線を無料で利用できるため、パケット料金の負担もなく動画を楽しめる。
動画共有サイトの老舗であり、多くの映像がアップロードされているのがおなじみYouTube。HYBRID W-ZERO3の標準ウェブブラウザーであるInternet Explorer Mobileでアクセスすると、モバイル環境向けのWebページが表示される。インターフェースは異なるが、動画のサムネイルをクリックすれば再生が始まるのはPC版と同じ。もちろん動画の検索も可能なほか、ログインして自分でアップロードした動画やお気に入りをチェックするといったこともできる。
解像度やビットレートは低く画質は決して高くないが、PHS回線でも問題なく見られるのはうれしい点。今回2分程度の動画をPHS回線で再生してみたところ、動画が始まった直後に数秒間止まった以外はスムーズに最後まで見ることができた。さすがに映像自体が小さいため迫力ある映像とまでは言えないが、外出先でも気軽に見られて十分に楽しめる。
動画コンテンツの再生に対応した専用ブラウザーを使う
Internet Explorer Mobileでモバイル版のYouTubeの動画を再生することは可能だが、Ustreamなどそのほかのウェブサイトの動画を再生することはできないことが多い。そこで利用したいのが「uZard Web P」というソフトだ。
これはメディアプレーヤーを内蔵したウェブブラウザーで、ページ上に埋め込まれている動画を検知すると、「uZMP」という内蔵プレイヤーで動画を再生してくれる仕組みになっている。
早速、Internet Explorer Mobileでは再生できなかったUSTREAMにアクセスして動画を選択すると、「Video File detected. Play it now?」というダイアログが表示された。ここで[Yes]をタップすると、内蔵プレーヤーで動画が再生されるという流れだ。
YouTubeやDailyMotionでも同様の方法で動画を再生できることを確認したが、残念ながら一部の動画は検出されず再生できなかった。このあたるは、まだまだ改善の余地がある部分だろう。
uZard Web PはYouTubeだけではなく、「ニコニコ動画」にアップロードされている動画の再生も可能だ。ニコニコ動画にログインすると、自動的に動画を検出してくれる。あとはそのほかの動画共有サイトと同様、内蔵プレーヤーで動画を見ることができる。ただニコニコ動画の最大の魅力であるコメントを表示することはできないのがやや残念。
内蔵プレーヤーを使わず、ウェブブラウザーの画面から直接再生することも可能で、この場合はコメントも表示できるのだが、今回試した範囲ではたびたび動画の再生が止まり、さらに音声も出力されなかった。現状ではuZardを利用する限り、コメントを我慢して専用プレーヤーで見るのが現実的な選択だろう。
ニコ動が見られるとなると、ニコニコ生放送はどうだろう。いくつかの番組にアクセスしてみたところ、ウェブブラウザー上では見られたが、専用プレイヤーでの再生には切り替えられなかった。ウェブブラウザー上での視聴も、途切れ途切れで音声も出力されないため、視聴できるとはやや言いがたい。
このようにまだまだ完成度が低いのが現状だが、公式サイト上の表記は「uZard Web P Beta Ver.2.0」とあり、ベータ版であることを考えると今後に期待が持てる。ニコ動そしてニコ生が快適に見られるようになれば、HYBRID W-ZERO3の活用範囲もグッと広がってくると思われるだけに、今後要注目のアプリケーションと言えそうだ。