突然ではあったが驚きではなかった
SymbianのNokia社内への取り込み
NokiaがついにSymbianを社内に置くことに決めた。Symbian Foundation設立の発表から2年4ヵ月、Symbianがオープンソースになってからだと1年も経過していない。オープンソースのモバイルOSプロジェクトとしてのSymbianは失敗といえるが、Nokiaの将来を考えると適切な動きに見える。
Nokiaが買収してSymbian Foundationに移行したSymbianの開発を、社内に戻すと発表したのは11月8日のことだ。それはSymbian Foundation主催の年次カンファレンス「Symbian Exchange & Exposition」が開催される前日だった。
9日からオランダ・アムステルダムで始まったカンファレンスは緊張した雰囲気で幕を開け、Symbian Foundationのエグゼクティブ・ディレクター、Tim Holbrow氏とNokiaのSymbian担当トップ、Jo Harlow氏が基調講演を行なった。そこで、Symbian FoundationはSymbianのライセンス団体となること、Nokiaは引き続きSymbianにコミットし、Symbianは将来もオープンな形で提供されるとした。具体的な内容はこれから決定となるようだ。
今回の発表はSymbian側にとって、突然ではあっても驚きではなかったようだ。Nokiaは10月末に発表した第3四半期の業績報告書で人員削減を発表しているが、これにはSymbian事業も含まれていた。その少し前には、立ち上げ時からSymbian Foundationを率いてきたエグゼクティブディレクターのLee Williams氏が辞任を発表している。9月から10月にかけて、Sony EricssonとSamsungがSymbianを採用しない方針を相次いで明らかにしており、複数の企業で開発を進める中立の場としてのFoundationの存在意義はなくなりつつあった。
かつてはIPOも噂されていたSymbianだが、Symbian Foundationを経てNokiaの下に収まることになる。Symbian Foundationは設立当初は200人体制を目指していたようだが、現在は100人弱。ほとんどのスタッフが職を失うことになる。アプリストアである「Symbian Horizon」も正式ローンチすることなく、Symbian Foundationは幕を閉じる。
イベント中、NokiaもSymbian Foundationも、プラットフォームとしてのSymbianとFoundationとは違う、と強調した。「プラットフォームとしてのSymbianは今後も続く」とNokiaのHarlow氏は述べる。
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