Internet Information Servicesのインストールと設定
Windows Serverの標準Webサーバ「IIS」を活用しよう
2010年08月03日 09時00分更新
第23回から前回までは、4回にわたってWindows Serverによる電子証明書の解説を行なった。今回は話を変え、「Internet Information Services (IIS)」を紹介する。IISはインストールや管理が簡単な割に性能が高い。かつては多くのセキュリティホールに悩まされたが、近年はセキュリティレベルもずいぶんと向上しているのだ。
WebサーバとしてはLinuxなどで動作するApacheが有名だが、Windows Server付属のIISのシェアも高い。特に、大企業の社内WebサイトではIISが多いようである。インターネット向けのWebサイトでも、米国の大企業ではIISがよく使われているらしい。
加えて、Windows Serverの機能にはIISと連携して動作するものがある。たとえば、前回紹介した「Active Directory証明書サービス」の証明機関Web登録サイトはその一例だ。企業内の情報管理サイトとして人気のあるSharePoint ServerもIISを使っている。Windows Server管理者としては、IISの基本的な知識はぜひ身に付けておきたいものだ。
Windows Server 2008に付属するIISのバージョンは7.0である。IISには、単なるWebサーバの機能だけでなく、Webアプリケーションの実行環境やFTPサーバの機能が含まれる。
IISのインストール
IISは、他の役割と同様にサーバーマネージャから追加する。手順は以下の通りだ。
- 「サーバーマネージャ」の「役割」を右クリックし「役割の追加」を選択。(画面1)
- 「サーバー役割の選択」で「Webサーバー(IIS)」を選択する(画面2)
- 適切な「役割サービス」を選択し、確認画面で「インストール」をクリック。選択する役割サービスによっては、確認画面の前に追加の画面が表示される
役割サービスは、各役割(Active Directoryドメインサービスや、DHCPサーバ、そしてIISなど)のサブモジュールのことだ。IISの場合、よく使う役割サービスには以下のものがある。
(1)HTTP基本機能
HTTPリダイレクト以外は既定で選択される。HTTPリダイレクトは、別のWebページにWebブラウザを誘導する機能だ
(2)アプリケーション開発
動的にWebページを生成する機能。本格的なWebアプリケーションを使うには必須となる
(3)セキュリティ機能
認証やアクセス制限の機能。特に、Windows認証はActive Directoryと連携するため、イントラネットでは非常に便利だ
(4)管理ツール
標準的な管理ツールのほか、IIS 6.0互換ツールなども含まれる。IIS 6.0にしか対応していないWebアプリケーションをIIS 7.0で動作させるために必要である
(5)FTP Publishing Service
FTPによるファイル転送をサポートする。FTPサーバと管理コンソールとで構成される
役割サービスの追加は、「サーバーマネージャ」で「役割」-「Webサーバー(IIS)」を右クリックし、「役割サービスの追加」を選択する(画面3)。
(次ページ、「SMTPサーバの構成」に続く)
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