YouTubeで世界的に知られたガジェットアーティスト、Denkitribe。その彼がついに1stフルアルバム「M4TC: Derived」(Amazon.co.jp)をリリースすることになった。
アルバムはゲストボーカルに一十三十一(ひとみとい)、リミキサーとして国内チップチューン界の大御所SEXY-SYNTHESIZER、Saitone、さらにiPhoneアプリ「NESynth」の音源開発者・Ruchiといったメンバーで制作された。
アルバムそのものはもちろん、注目すべきはアルバムのリリース形態。CDはLOiDレーベルから販売されるが、DAWソフト「Ableton Live」で制作されたアルバムのプロジェクトデータは、クリエイティブコモンズ・ライセンスで無償頒布される。
つまりDAW上で楽曲データの構造を分析したり、自由に楽曲を再編集できるのだ(公式サイト/ダウンロードサイト)。
さらにリミックス用にパラアウトしたオーディオトラック、Denkitribe氏自身がリミックスしたMP3音源もダウンロードできる。これらにもクリエイティブ・コモンズが適用される。特に後者はリミックスやマスタリングが違うだけで、CDとまったく同じ曲だ。
音源や楽曲にクリエイティブ・コモンズが適用された例は珍しくないが、素材やシーケンスデータも含め、ここまで徹底的にオープンにされたという話は聞いたことがない。なにしろこれは一般のメジャー流通に乗る新譜なのだから、その点でも驚きだ。
この極めて特殊な、そして近未来的なリリース形態を採った理由を、本人に会って確かめてみた。
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