新たなデジタルガジェット「iPad」が市場を沸かしている。それと同調するように各社から登場してきたのが、WAN側を3G携帯電話網、LAN側を無線LANとしたコンパクトなモバイル無線LANルーターである。2009年登場のイー・モバイル版「Pocket WiFi」(D25HW)や、2010年4月に発売されたソフトバンクモバイル版Pocket WiFi(C01HW)、さらに日本通信の「b-mobile WiFi」やa2networkの「MiFi2372」といったSIMフリー端末などもある。
いずれも、モバイル機器といっしょに持ち歩けるよう小型軽量化され、バッテリーで4~6時間動くのを特徴としている。今回紹介するバッファローの「ポータブルWi-Fi」(DWR-PG)も、同様のモバイル無線LANルーターだ。市場では後発となったがゆえに、ほかのモバイル無線LANルーターにない強力な接続機能を備えている。
基本はドコモの3G網 無線/有線LANとの接続も可能
ポータブルWi-Fiは、WAN側の回線接続にNTTドコモのFOMA HIGHSPEED回線を使う。それに加えて、内蔵するもうひとつの無線LANチップにより、公衆無線LANや会社、家庭の無線LANも、WAN側接続回線として使える。さらに付属のクレードルを使えば、有線LANケーブルの接続も可能だ。バッファローの製品情報ページにある図では、以下のようになっている。
このご時世では気になる「SIMロックか、SIMフリーか?」だが、回線の接続や切り替えの自動最適化機能をNTTBTが開発したためか、バッファローが販売するポータブルWi-Fiは、FOMAカードのみ対応のSIMロックモデルとなっている。
しかし、本機と同様の仕様を備え、NTT東日本がフレッツ光ユーザー向けにレンタル提供する「光ポータブル」(月額315円)では、SIMロックモデルだけでなく、SIMフリーモデルも提供されるという。ちなみにスペック詳細を確認してみたところ、3GPP、W-CDMA R.99、HSUPA r.6/HSDPA r.5などの規格に準拠するため、ハードウェア的にはSIMロック解除できる仕様である。
携帯できるコンパクトな多機能ルーター
まずは、本機の外観から見ていこう。Pocket WiFiやb-mobile WiFiが曲面を多用したデザインなのに対し、ポータブルWi-Fiは、ほぼ名刺大の長方形を厚くした直方体となっている。そのためクレードルがなくても、縦・横に立てて使える。
ロゴ面を正面として、上に電源とAOSSボタン、右に動作・接続状況を示すインジケータランプがある(右側面からも視認できる)。底面にはクレードル接続用のコネクターと、充電および内部のmicroSDスロットを接続するミニUSBコネクターがある。
無線LANチップを2つ搭載していることもあって、内部もそこそこに熱を持つのだろう。背面と右側面に放熱目的と思える穴があいている。クレードル背面には本体と同様のミニUSBコネクターと、LANポート(100BASE-TX)およびLANポートの接続切り替えスイッチがある。
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