6月18日、六本木・東京ミッドタウン・タワー25階シスコシステムズのセミナールームにてベンチャー企業のCTO(Chief Technical Officer:最高技術責任者)が集い「ベンチャーCTOだらけカンファレンス vol.1」を開催した。
第1回目として開催された今回のカンファレンスのテーマは「開発者とスーツのエコな関係」。開発者陣のトップであるCTOたちは、社内のSE(Systems Engineer)やPG(Programmer)などのリーダー的役割のほか、経営陣としてCEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)やCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)、COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)などのスーツ組とも円滑なコミュニケーションが日常業務として発生する。なかには、そんな折衝が大好きというCTOもいるだろうが、開発者とスーツ組のはざまで悩みを抱えるCTOも多いという。そんなCTOの悩みを共有し、スムーズに問題を解決する術を模索していくというのが今回のカンファレンスだ。
イベントは8つのテーマごとに専門分野のCTOたちがディスカッションするテーブルセッションM1~8のほか、メインセッションなどがあった。また、すべてのセッション終了後、会場を移し各CTOたちの親睦を深める懇親会が開催された。懇親会ではネットベンチャーのCTOたちがこんなにも集まった、またとない機会ということもあり、そこかしこで名刺や情報が活発に交換された。きっと、未来のネットサービスのタネが生まれたに違いないだろう。
なお、今回のカンファレンス冒頭、発起人の一人でもあり、運営を担った株式会社マイネット・ジャパンの上原仁氏によれば、企画当初の段階には、ここまでの規模は想定していなかったとのこと。しかし、ツイッターを用いることで、あっという間に多くの参加者が集まり、協賛企業なども企画概要が固まる以前に賛同が得られたとした。これはツイッター誕生以前では考えられない時代を反映したスピード感といえるだろう。もちろん、今回集まった全登壇者がツイッターアカウントをもち、日頃より活発なコミュニケーションをしているのは言うまでもない。また、カンファレンスを聞きたいという参加者も最終的にキャンセル待ちが200人近く出るほどであった。
メインセッション「日本のインターネットに渇!」
イベントはモデレーターに株式会社ニューズ・ツー・ユー取締役平田大治氏を迎え、ディーエヌエヌ有限会社代表取締役の小飼弾氏、Klab株式会社取締役の仙石浩明氏、楽天株式会社取締役の安武弘晃氏によるメインセッションから開始された。テーマは「日本のインターネットに渇!」。CTOの仕事内容や役割、CTOに就任した経緯など日頃聞くことができない興味深い内容が語られた。
なかでも会場がどよめいたのは、壇上で楽天安武氏に突然小飼氏が英語で話しかけた場面。楽天の三木谷氏が英語ができない執行役員は2年後にクビするというニュースをなぞらえたものだと思われるが、ホットな話題だけに解説するまでもなく参会者全員がピンときていたようだ。なお、安武氏によれば英語はあまり得意ではないとのこと。
なお、セッションの詳細はイーモバイルとCEREVOの協力によりストリーミングされたUSTREAMの録画をご覧いただきたい。
次ページ以降では、テーマごと8つに分かれた各テーブルセッションの様子を見てみよう。