セカンドライフの言葉を、マスコミ報道で聞かなくなって久しい。
もはやブームは去ったと言われているが、実は、セカンドライフの代名詞ともいえる3Dインターネットの世界は着実に広がりを見せようとしているのだ。
内田洋行が、先頃、同社新川オフィスのユビキタス協創広場「CANVAS」で開催した「3Dinternet Education Summit 2010」では、セカンドライフをはじめとする3Dインターネットが、着実に実用化されつつあることを示すものとなった。
内田洋行の知的生産性研究所・高橋祐人氏は
「確かに、セカンドライフがマスコミで取り上げられることは少なくなった。だが、セカンドライフで流通する通貨の取引高は年間500億円規模に達し、実に前年比65%増という伸びをみせている。しかも、この成長率を支えているのは日本人の利用によるものだといわれている。これまでは、セカンドライフでは、遊ぶという使い方が中心だったが、それが一巡し、徐々に活用するという観点での使い方が始まっている」と語る。
NTTで3Dインターネットビジネスに携わる新ビジネス推進室の高屋洋一郎氏も、
「3Dインターネットは、ウェブ2.0に続く技術トレンドとして、クラウドとともに有力視されている。セカンドライフは、大きなブームを迎えたが、どんなものでも、ブームのあとには必ず幻滅期が訪れる。そして、その後に実用フェーズに入ってくる。3Dインターネットはいまその段階に差し掛かろうとしている」と異口同音に語る。
マスコミ報道の熱の冷め方とは裏腹に、関係者の間におけるセカンドライフや3Dインターネットの捉え方は大きく異なるのだ。
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