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バンドとニコ動、2つの顔を持つ「裏表ラバーズ」作者の素性

2010年02月13日 12時00分更新

文● ノトフ

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初音ミクを使った70万再生の人気曲「裏表ラバーズ」。作曲家は今回取材したwowaka/現実逃避Pだ

 進化をつづける「初音ミク」。ニコニコ動画に投稿される曲は、スカパンクやハードロック、シューゲイザー系ロックと、ジャンルの細分化まで進んでいる。ユーザーと楽曲、それぞれのレベルが格段に上がっている現在、一瞬でユーザーの耳をひきつける曲を作り、昨年、群を抜く人気を集めたのがwowaka/現実逃避Pだ。

 ニコ動への登場は昨年5月、「グレーゾーンにて。」でデビューを飾った。まだ現役の学生で、しかも「DTMに挑戦して1ヵ月で出来上がったから発表した曲」というのだから驚かされる。ちなみに現実逃避Pという名前自体、試験期間中に曲を作っており「現実逃避って、いいよね!」と投稿コメントに書いた一言から命名されたものという。



 彼はその後も「テノヒラ」「ラインアート」と立て続けに新曲を発表。ラインアートは轟音のギターにボーカロイドの高音が響く1曲。激しさの中に美しさが表現されていると評価が高い。そして6曲目に発表した「裏表ラバーズ」ではついに70万再生の大台を突破し、名実ともに気鋭の人気作家(ボーカロイドP)となった。

 彼に実際に会って話を聞いてみると、曲の前衛的なイメージとは異なり、とにかく実直な若者という印象を受けた。現在は別名義でバンドのメンバーとしても活動している彼。その曲作りへの真摯な向き合い方や、ニコニコ動画というものへの考え方――今後もさらに活躍が期待される、若い才能の言葉に耳を傾けてみてほしい。

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