今春のビデオカメラの大きなトピックとして、実売1万円~5万円未満の小型ビデオカメラがある。これらはコンデジや携帯電話のカメラ機能と競合するが、差別化のポイントとなるのはいずれもフルハイビジョン撮影に対応していること。スナップ撮影感覚で気軽にHD動画の撮影が楽しめることがポイントだ。
一般的なHDビデオカメラに比べてかなり安価なモデルだけに、その実力が気になる人も多いだろう。そこで特集4回目は、そんな「モバイルHDカメラ」を紹介しよう。
気軽に撮って、素早く動画をアップロードできるソニー「bloggie」
「ハンディカム」とは別ブランドでソニーが投入した「bloggie」は、回転式カメラを備えた「MHS-PM5K」(実売価格2万6000円前後)と、コンパクトなグリップスタイルの「MHS-CM5」(同3万円前後)の2モデルがある。
ともに1/2.5型CMOSセンサー(動画有効207万画素)を採用。フルハイビジョン動画のほか、最大約500万画素の静止画撮影ができる。記録メモリーはメモリースティックとSD/SDHCメモリーに対応する。このほか「MHS-PM5K」が4倍デジタルズーム、「MHS-CM5」が光学5倍/デジタル20倍ズームとなるなど、レンズ周りに違いがある。
機能面を見ていくと、さすがに一般的なHDビデオカメラのような充実した機能はなく、撮影モードはフルオート。主な操作もズーム操作と撮影スタート/ストップ操作くらいのものだ。ただし、電子式の手ブレ補正、人物の顔を認識して最適な画質に調整する「顔検出機能」を備えているのはソニーらしいポイントだ。
もうひとつの特徴がUSB端子の内蔵。ケーブルを使わず、直接パソコンなどのUSB端子に接続できる。また、PC用アプリケーションソフト「PMBポータブル」がカメラ本体のメモリーに内蔵されており、インストール作業なしで利用できる。
これを使えば、動画や静止画の管理・編集だけでなく、「YouTube」などの動画共有サイトへ手軽にアップロードができる。まさに名前の通り、ブログ用の写真や動画として活用することも可能だ。
ユニークなのは、MHS-PM5Kにはパノラマ撮影用の「360ビデオレンズ」が付属していること。撮影した画像をPMBポータブルで加工することにより、手軽に360度のパノラマ映像が作成できる。また、レンズが縦に180度回転するので、自分撮りなどもしやすい。より自由な撮影を楽しむなら、MHS-PM5Kの方が活用の幅は広そうだ。
実際に撮影をしてみると、MHS-PM5Kの方は携帯電話のカメラ撮影に近いスタイルとなる。しっかりとホールドして撮影をするようなモデルではないが、ホールド感はいまいちで、ズーム操作時に画面が動いてしまいがちになる。しっかりとカメラを固定して使いたいなら、MHS-CM5の方が有利だ。スタイルもグリップ型なので、ズーム操作もしやすい。
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