秋葉原の中心から少し離れた末広町近く、裏通りにあるレンタルカフェに、本日1日(5月1日)だけ「ニコニコカフェ」というカフェがオープンするという(関連リンク)。
「ニコニコ」という名前から想像したのは、ご存じ国内大手の動画共有サイト「ニコニコ動画」(ニコ動)だ。何かニコ動がまた新しい仕掛けを始めたのか?と現地に直行してみると……。実はTwitterのユーザー「なかめ・ぐろ」さん(TwitterのIDは「nakameP」)が主体で始めたユーザーイベントだという。
「ニコニコ」なのにTwitterとは? ネットでユーザーが「歌ってみた」「踊ってみた」というのはよく見かけるけど、「カフェを作ってみた」というのは前代未聞。なぜ「カフェ」をオープンする必要があったのか? 厨房にこもって料理を作り続けている「なかめ・ぐろ」さんを無理矢理捕まえて、謎に包まれたこのイベントの真意を聞いてみた。
オンラインのつながりをオフラインに持ってくる
── まず、ニコ動とは何か関係あるんですか?
nakameP:まったく関係ないです(笑)。元々、僕一人でやろうと企画を始めて、TwitterやBlogでボランティアを呼びかけたら、たまたま「手伝いますよ」と何人も集まってくれたから実現できたイベントなんですよ。
「ニコニコ」と名前に付くのは、単純にカフェの中でニコ動を流しているというのと、カフェで「ニコニコしてほしいという」願いを込めています。あと、Twitterのアカウントという問題もありました。Twitterって「Twitter」などが含まれるユーザーアカウントは取得できないんですよ。Twitterでこのカフェの情報を共有しようとしてIDを探していたら、たまたま「niconicocafe」が取れたという。
── そもそもなぜ「カフェを作ってみた」がやりたかったんですか?
nakameP:Twitterユーザーの中には、ニコ動も楽しんでいる人が多い。そうしたユーザーが集まって、TwitterのIDでコミュニケーションできるような場所があればいいなと考えたことです。
ニコ動もTwitterも好きで、名前が分からないけど趣味が合いそうな人々と出会える「サロン」みたいな場所が作りたかった。TwitterのIDで呼び合えば、社会的な地位に縛られず、ネットで何をやっている人なのか、何ができる人なのかというのをベースにしてコミュニケーションできるという。
オンラインのつながりをオフラインに持っていくのは、そう難しいことではないと思うんです。日本は知らない人と積極的につながりを作るという文化があまり根付いてない。飲み屋で隣の席に座ったサラリーマン同士が仲良くなるという話も聞くけど、特に若い層では仲間内で閉じてしまう傾向がある。そうした状況から抜けるために、Twitterという媒体をベースにIDでコミュニケーションしてもらうのがきっかけになるんじゃないかと。
実は昔に抱いていた将来の夢が「ルイーダの酒場を作ること」だったんですよ。今はちょっとだけそれがかなった感じです。
※ルイーダの酒場:ファミコンのRPGゲーム「ドラゴンクエストIII」に出てくる、ゲームの仲間を作るための場所。
── ルイーダの酒場(笑)。懐かしいです。
nakameP:あとは秋葉原の飲食店に対する不満も理由のひとつです。秋葉原にはノートPCを持ち歩いて、ネットにつなぎたがっている人がこれだけいるのに、多くの店が回転率や客単価にしばられてしまって無線LANもなし、電源も解放してないという状況です。そうした現状に「どうなのか」と疑問を投げかけるアンチテーゼですね。
Twitterユーザーの間では、土日に秋葉原にある「リナックスカフェ」に行って「リナカフェなう」とつぶやきを投稿するのが流行しています。リナックスカフェは電源を無料で借りれて、有料で無線LANにつなげる。そういう「ハブ」となる場所は実は誰でも作れるんじゃないか──。そう考えて作ってみました。