知ったかは恥ずいゼ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2009【CPU編】
2009年04月29日 20時00分更新
Intel製CPUをまず理解しよう
ローエンドからハイエンドまで、くまなく網羅しているIntelだが、大きく4つに分けられる。
(1)Core i7(ハイエンド)
(2)Core 2 Quad/Core 2 Duo(パフォーマンスデスクトップ)
(3)Celeron/Pentium Dual-Core(エントリー)
(4)Atom(省電力)
このうち、2と3は、同じCPUソケット「LGA775」を採用しているため、マザーボードが対応していれば互換性がある。
Core i7
これまで主流だったCore 2シリーズとの大きな違いは、メモリコントローラをCPUに内蔵していることだ。さらにチップセットを結ぶバスも“QPI”というものに置き換えられ、高速化されている。そのため、Core 2シリーズとCore i7では、全く互換性が無い、LGA1366ソケットを採用している。またメモリもDDR3専用だ。
Core i7は物理的にQuad CoreなCPUだが、Hyper Threadingに対応しているため、論理的に8CPU(これをOctet Core、オクテットコアと言う)として動作させることができる。8CPUを認識するには対応OSが必要となるが、Windows XPであればProfessional、Windows Vista(※)なら日本で販売されている全てのエディションが対応している。
※ただしCPUソケットが1つの場合。CPUソケットが2つになるXeonなどでは、UltimateまたはBusinessが必要となる。
原稿執筆時点(4月半ば)での、CPUのラインナップは以下のとおり。
Core i7 | |||
---|---|---|---|
製品名 | 965 Extreme Edition |
940 | 920 |
CPUコア数 | 4 | ||
CPUソケット | LGA 1366 | ||
製造プロセス | 45nm | ||
動作クロック | 3.2GHz | 2.93GHz | 2.66GHz |
QPI | 6.4GT/s | 4.8GT/s | |
L2キャッシュ | 256KB×4 | ||
L3キャッシュ | 8MB | ||
TDP | 130W | ||
価格 | 10万2000円前後 | 5万6500円前後 | 3万円前後 |
この中で、「Extreme Edition」のみが、CPU倍率のロックが外されており、CPU倍率を自由に変更することが可能となっている。今後増えるラインナップにおいてもExtreme Editionの文字があれば、そのCPUは倍率変更が可能なCPUと覚えておくとよいだろう。
また、Core i7で自作すると全般的に高額になりやすいが、パフォーマンスなどを考慮すると、最下位モデルとなるCore i7-920/2.66GHzでも十分高速。今は安くあげておいて、上位のCPUが安価になったら乗り換える、くらいでちょうどいいかもしれない。
もちろん予算に余裕があれば、Core i7-965 Extreme Edition/3.2GHzを選びたいところだが、CPUだけで10万円を超えるのは、さすがにコストパフォーマンスが悪い。
Core 2 Quad/Core 2 Duo
現在主力の「Core 2」シリーズは、さらに4コアのQuadシリーズと2コアのDuoシリーズがあり、それぞれさらに細分化されている。両シリーズに共通しているのは、LGA775ソケットという点だ。
まず、Core 2 Quadは、TDP95Wシリーズと、TDP65Wシリーズの2つがある。TDPというのは、放熱の目安となるもので数字が大きいほど“熱い”CPUとなる。それだけ消費電力も高くなるため、省電力化や静音化する際には、CPUのTDPもチェックしておきたい。ただ、省電力版となるTDP65Wシリーズは、価格が割高に設定されているため、このあたりは予算との相談になるだろう。
そしてCore 2 Duoは、FSBクロックが1333MHzのE8x00シリーズと、同じく1066MHzのE7x00シリーズがある。FSBクロックは速いことに越したことはないが、購入しようとしているマザーボード、あるいは手持ちのマザーボードを流用する場合、FSB1333MHzに対応しているかどうかをチェックしておく必要がある。
また、Core 2シリーズはモデルによって搭載されるL2キャッシュ容量が異なっている点にも注意したい。クロックが同じならL2キャッシュ容量が大きい方が高速、逆を言えば多少クロックが低くてもL2キャッシュ容量によっては性能が逆転する場合もある。
原稿執筆時点(4月半ば)での、CPUのラインナップは以下のとおりだ。
Core 2 Quad | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
製品名 | Q9650 | Q9550 | Q9550s | Q9400 | Q9400s | Q8300 | Q8200 | Q8200s |
CPU コア数 |
4 | |||||||
CPU ソケット |
LGA 775 | |||||||
製造 プロセス |
45nm | |||||||
動作 クロック |
3GHz | 2.8GHz | 2.8GHz | 2.66GHz | 2.66G | 2.5GHz | 2.33GHz | 2.33GHz |
FSB | 1333MHz | |||||||
L2 キャッシュ |
6MB×2 | 3MB×2 | 2MB×2 | |||||
L3 キャッシュ |
- | |||||||
TDP | 95W | 65W | 95W | 65W | 95W | 65W | ||
価格帯 | 3万2000円前後 | 2万8000円前後 | 3万6000円前後 | 2万3000円前後 | 3万円前後 | 2万円前後 | 1万8000円前後 | 2万3000円前後 |
Core 2 Duo | |||||
---|---|---|---|---|---|
製品名 | E8600 | E8500 | E8400 | E7500 | E7400 |
CPUコア数 | 2 | ||||
CPUソケット | LGA 775 | ||||
製造プロセス | 45nm | ||||
動作クロック | 3.33GHz | 3.16GHz | 3GHz | 2.93GHz | 2.8GHz |
FSB | 1333MHz | 1066MHz | |||
L2キャッシュ | 6MB | 3MB | |||
L3キャッシュ | - | ||||
TDP | 65W | ||||
価格 | 2万8000円前後 | 1万9000円前後 | 1万8000円前後 | 1万5000円前後 | 1万2000円前後 |
動画のエンコードなどをするなら、Core 2 Quad Q9550くらいのパワーは欲しいところだ。逆にゲーム主体で考えた場合、Quad Coreのメリットはあまり多くないため、純粋にCPUクロックの高い、Core 2 Duo E8600がオススメだ。
Quad Coreで2万円を下回る、Core 2 Quad Q8300やQ8200に心惹かれる人もいるかもしれないが、どちらもL2キャッシュが小さく、意外とパフォーマンスは伸びないため、2万円以内で選ぶならクロックの高いDual CoreのCore 2 Duo E8500の方が使い勝手がよいだろう。
Core 2 Duo E7400は、クロックが高く、普段使うPCのCPUとして十分なパフォーマンスを持っている。ただしL2キャッシュが小さいため、ゲーム用PCとして使うには、ややパフォーマンス不足を感じるかもしれない。
Celeron Dual-Core/Pentium Dual-Core
Core 2シリーズと同じLGA775ソケットを採用している「Celeron Dual-Core」と「Pentium Dual-Core」だが、基本的なアーキテクチャはCore 2 Duoと同じ。異なるのはFSBが800MHzであること、そしてL2キャシュ容量が小さい点だ。名前こそ違うが、基本的に「Core 2」シリーズの下位モデルという認識で間違いない。
このシリーズを選ぶメリットは、ズバリ価格である。最上位となるPentium Dual-Core E5400/2.7GHzでも、実売価格は9300円前後と非常に安価。サブPCとか、インターネット主体のような使い方なら、このCPUで十分なのだ。
Pentium Dual-Core | Celeron Dual-Core |
|||
---|---|---|---|---|
製品名 | E5400 | E5300 | E5200 | E1500 |
CPUコア数 | 2 | |||
CPUソケット | LGA 775 | |||
製造プロセス | 45nm | |||
動作クロック | 2.7GHz | 2.6GHz | 2.5GHz | 2.2GHz |
FSB | 800MHz | |||
L2キャッシュ | 2MB | 512KB | ||
L3キャッシュ | - | |||
TDP | 65W | |||
価格 | 9000円前後 | 8000円前後 | 7000円前後 | 5500円前後 |
一番安価な、Celeron Dual-Core E1500と、Pentium Dual-Core E5200の価格差はおよそ1500円程度。しかし性能差は結構あるため、Celeron Dual-Core E1500を選ぶくらいなら、Pentium Dual-Coreを選ぶべきだろう。ただ、Pentium Dual-CoreシリーズもL2キャッシュは2MBと小さいため、ゲームプレイは、ちょっと厳しくなる。オフィス用途では問題ないが、ゲームやエンコードといった重い処理をさせるならCore 2 DuoまたはCore 2 Quadシリーズを選ぼう。
(次ページへ続く)
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