簡単にWebサイトを更新できるCMS(Content Management System)を、個人でも使いたい。でもサーバーの知識はないし、費用もできればかけたくない――。そんな“よくばり”な個人Webサイト運営者に朗報だ。ドイツ生まれの個人向けCMS「Jimdo」(ジンドゥー)が、3月25日に日本上陸を果たした。
ワンステップでコンテンツを追加、編集はダブルクリックだけでOK
「Jimdo」は、ドイツのスタートアップ企業「ジンドゥー」が2007年に開発したCMSで、海外では現在のところ約50万ユーザーが利用している。国内ではKDDIウェブコミュニケーションズが日本語にローカライズし、ASPサービスとして今回提供を始めた。バナー広告は表示されるものの、ディスク容量500MBまでの「Free」プランなら無料で利用可能だ(5GBまで利用可能な「Pro」は月額945円)。
その魅力は、「レゴブロックのように自由に組み合わせられる」(ジンドゥー)と自賛するほどの、直感的なページ作成・更新機能にある。Jimdoは、「見出し」「文章」「表」「写真」といった“コンポーネント(コンテンツ部品)”を、コンテンツ表示領域上に自由に配置してページを作っていく。
たとえば、会社案内のWebページを作りたい場合は、「見出し」「写真付き文章」「表」「Google Maps」のコンポーネントを並べれば、ビルの外観や基本情報の表、所在地を示す地図などを掲載したページになる――といった具合だ。コンポーネントは、JavaScriptやFlashを使った「フォトギャラリー」を自動生成するものから、「Flickr」「YouTube」などの外部のWebサービスを埋め込むもの、さらには問い合わせフォームやコメント入力欄まで、さまざまな種類が用意されている。
また、ここ最近のCMSのトレンドである、“クイック・エディット”(インラインエディット)的なユーザーインターフェイスを取り入れているのも特徴。管理者として自サイトにログインしていれば、タイトルや本文、写真などをダブルクリックするだけで、その場で直接コンテンツを編集したり、コンポーネントを追加できる。管理画面と公開画面の切り替えがないので、CMSにありがちな「管理画面のフォームと公開側が違いすぎて完成ページがイメージできない」「管理画面が複雑で操作が分かりにくい」といったことはない。
「HTMLを書くには予備知識が必要だし、ホームページビルダーやDreamweaverはそのツールの使い方を覚えないといけない。Jimdoならマニュアルを見なくても直感的に使える」と、KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部長の高畑哲平氏は語る。この点でいえば、CMSというよりもむしろ“Webサイトジェネレーター”といってもいいほど、Jimdoは手軽だ。
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