GIGABYTEの最新マザーボードにはユーザーの利便性を高める独自機能が多数導入されている。LGA775世代の最新マザーボードでは、それがより強力に使いやすく進化している。
インテリジェントにパワーアップ
C.I.A.2&M.I.B.2
画面1 C.I.A.2とM.I.B.2はともに、付属オーバークロックツールの“EasyTune5”からも設定可能だ。ただ、設定を反映するには一度再起動が必要になる。 |
“C.I.A.(CPU Intelligent Accelerator)”は、CPUの負荷をモニタし、その負荷が高くなったときのみオーバークロックする機能。通常時はオーバークロックをしないことで余計な消費電力を使わず、CPUパワーがほしいときだけオーバークロックを行ってパワーアップして高速に処理してくれるというインテリジェントな動作がウリだ。
LGA775プラットフォームの一部のマザーボードに搭載されているC.I.A.2ではそれをさらに進化させ、負荷の度合いに応じて3段階に2%ずつクロックを調整するように変わっている。C.I.A.2の設定はBIOS、または付属オーバークロックソフトのEasyTune5から行える。その設定は、Cruise、Sports、Racing、Turbo、Full Thrustと5段階が用意されており、後ろにいくほどオーバークロック率が2%ずつアップする。例えば、Cruiseの場合は3%→5%→7%とクロックが上昇するが、Racingの場合は、5%→7%→9%のように上昇していく。最高のFull Thrustでは15%→17%→19%というアップ率になる。
画面2 BIOSメニュー画面でCtrl+F1キーを押すとメニュー項目が1つ増える。その状態で“MB Intelligent Tuner(M.I.T.)”を選択するとC.I.A.2、M.I.B.2が使える。 |
実際それぞれの設定にした結果は下のグラフに示したとおり。Windows Media Encoder 9による単純なエンコードテストではアップ率に応じた成果がでているが、CPU負荷の異なるさまざまな処理を含むPCMark04では設定によっては逆にスコアを落とすなど、バラツキの激しい結果となっている。ASUSTeKのAI NOSでも似たような結果が出ていたが、クロック調整の際に若干のオーバーヘッドがあり、それがベンチマークとの相性が悪いのかもしれない。
画面3 C.I.A.2設定画面。Cruise(3%→5%→7%)からFull Thrust(15%→17%→19%)まで、オーバークロック幅の違いによって5段階の設定が用意されている。 | 画面4 C.I.A.2の画面からずっと下にスクロールするとM.I.B.2の設定画面が現れる。利用しているメモリのチップ/モジュールベンダを選択するようになっている。 |
また、“M.I.B.2”のほうは、初代M.I.B.とは仕組みが異なり、メモリベンダ/ブランド別にレイテンシを最適化することでメモリ性能を高速化するという機能。ただ、これが動作する条件はかなり限られているようだ。今回、Micronチップを搭載した某有名メーカー製モジュールで実験してみたが、Micronモジュールとしては認識されたものの、M.I.B.2を有効にするとメモリエラーが出て起動に失敗してしまった。
●ベンチマークテスト結果
●PCMark04
●Windows Media Encoder9
PCMark04では処理に応じてクロックの変更が行なわれるが、Windows Media Encoder9ではいったんピークまで上がると最後までそのままだった。NOSのモードごとの性能はPCMark04では出ているが、オーバークロック率の割にスコアは物足りない。また、Twin Turbo設定はPCMark04では逆効果で、エンコードではオーバークロック率に応じた結果だが、すぐピークに達してしまうので、2段階調整自体の意味がない印象だ。
●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 530(3GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- GA-8GPNXP Duo
- グラフィックス
- GeForce 6600
- HDD
- WD Raptor
- OS
- Windows XP Professional(SP2)