(社)日本玩具協会は、国際玩具見本市“2002東京おもちゃショー”を9日から12日まで東京ビッグサイトで開催する。9日と10日が招待者のみ入場可能のビジネスデーで、11日と12日が一般デーとなっている。入場料は1000円。今回の出品社数は国内136社、海外は25社2グループで、3万5000点以上のさまざまなおもちゃが展示されている。会期中の入場者数は業界関係者延べ2万5000人以上、一般者7万人以上を見込んでいるという。
雨の日のビッグサイト取材はいやだなあ。晴れの日もいやなんだけど |
ここ数年来のおもちゃショーは、キャラクター商品など基本的なおもちゃのほかに、ハイテク玩具など大人向けのおもちゃも多数展示されており、子供も大人も楽しめるショーとなっている。
バンダイの擬似2足歩行ラジコンロボット『TECH ROID(テックロイド)』シリーズ第2弾は、ジオン公国の局地戦用モビルスーツ“MS-09 ドム”。第1弾のザクが操縦感覚を楽しむものだったのに対し、このドムの場合は対戦バトルを楽しむものになっているという。ジャイアントバズーカに内蔵された赤外線バトルシステムにより、コックピット部分の受光部を撃ち合ってバトルするのだ! コントローラーはバイブレーション機能が付いている。移動は車輪によるものになり、“歩く”わけではなさそうだが、そもそもホバリングが主体のモビルスーツだけに問題はないだろう。しかも、足裏に設置された車輪は、ハンドルを切るような形で進行方向を変えることが可能なので、横スライド移動(真横のみ)など、ホバリングさながらの動きを楽しめる。今冬発売予定で、予定価格は2万9800円。
ザクの次はドムですか。さすがバンダイさん、ユーザーの嗜好をわかってらっしゃる。第1弾のザクが全長約390mmだったのに対し、今回のドムは全長約180mm(100分の1スケール)。その分価格もお手ごろ。バトルを楽しむために2台買っても約6万円、ジェットストリームアタックを楽しむために3台買っても約9万円 |
ビジネスマンらしき人たちが真剣に眺めていたのが、携帯電話で名刺交換を行なうデジタルグッズ『ナンバーショット』。交換の方法だが、まずは携帯電話のアダプターナンバーショットを差し込んで自分のデータを転送する。そして、名刺交換したい相手(ゲスト)の携帯電話にナンバーショットを差し込めばよい。ナンバーショットは、ゲストの携帯電話を使って、ナンバーショットサーバにユーザーとゲストのデータが記入されたメールを送る。そのメールが、ユーザー/ゲストの双方に送られるので、それぞれが携帯電話の住所録に登録すればよい。
NTTドコモとJ-フォンの機種に対応している。7月下旬発売予定。予定価格は1980円(サーバー利用料金6ヵ月分含む)。サーバー追加利用料金はプリペイド式電子マネーでの支払いで、6ヵ月500円が予定されている。バンダイでは、20~30歳代男性をコアターゲットとしているそうだ。確かに、ビジネスやコンパのグッズとして重宝しそう。
携帯電話で名刺交換を行なうデジタルグッズ『ナンバーショット』 |
8日付けで発表された、携帯ゲーム機『ワンダースワン』のハイグレードモデル『スワンクリスタル』は、既存のワンダースワンユーザーもそうでない人も必見。反射型のカラーTFT液晶(2.8インチ/224×144ドット)を採用しており、ゲーム画面がより明るく見やすくなっている。いや、本当。おもちゃショーに来られるかたは、この美しさをぜひ体験してください。特に既存ユーザーの皆さん、見て驚いてください。実は桑本、毎日の通勤時にワンダースワンで『ロマンシング サ・ガ』をプレイしておりまして、今回特別に自前のロマサガソフトをスワンクリスタルに装着して画面を見せていただいたところ「おおおっ!!」。目の覚めるような美しさとはまさにこのこと。これはマジで買いです。7月12日発売で、価格は7800円。なお、スワンクリスタルの発売に伴い、既存のワンダースワンが6月1日より4800円で販売されますが、桑本は断然スワンクリスタルをおススメします。
美しすぎる『スワンクリスタル』の画面。写真がヘボくて申し訳ございません。実物はさらにきれいです。本体カラーは、写真のブルーバイオレットとワインレッドの2種類 |
『二輪工房(RIDE GARAGE)』はマイクロモーターを搭載した1/18スケールのバイクのラジコン。完全二輪走行で、バイクに乗っているライダーが本物のバイクと同様に左右へ重心を移動させることで左右に曲がるようになっている。『GSX 1100S(刀)』『500SS(MACHIII)』『750RS(ZII)』が用意されており、11月発売で4980円 |
仮面ライダーのサイクロン号も参考出品されている |
ラジコン専門メーカーの双葉電子工業(株)とのコラボレートによる高駆動RC完全2足歩行ロボット。本体にマシンガンと音声ユニット、LED、および市販の無線セットを組み合わせたものが今回参考出品されているもの。2003年春発売予定で、予定価格は2万5000円 |
カトキハジメ氏プロデュースによるガンダム“フィギュア”シリーズ。以前、同氏のインタビュー記事において、「“ガンプラ”モデラー(というよりはキャラクターモデラー)は、“ロボット”をメカとしてよりフィギュアとして見ている」といった主旨の認識論を読んだことがある。その考えがこの“フィギュア”シリーズの命名に表われているのかは不明だが、その造形美にはうっとりさせられる(吉川談) |
『Digital Mono Eye MS-06 ZAKU II』。ザクの頭部にCCDカメラを仕込んだもの。写真ではザクの全身が写っているが、製品は頭部だけとなる。スケールが1/60なので、こうして1/60のザクにも仕込めるというわけ。デジタルカメラとしても使用可能だ。7月中旬発売予定で価格は1万2800円 |
Digital Mono Eye~のデジタルカメラ形態。100円ライターに似た部分がデジカメ本体。右に見える筒状のものはファインダーだ |
“ガンプラ”の製造工程を、金型作成からプレスまで紹介するビデオ。コンピューター関連のイベントでもIT系のデモンストレーションビデオが流れるが、イメージ主体のIT系に比べ、ガンガンとプラモデルをプレスしていく工業機械の存在感は圧巻だ。会場に行ったなら見るべし!!!!! (吉川談) |
セガトイズブースにはリアルな猫と犬のペットロボットがいる。『夢ねこ(仮)』は本物そっくりの外観と声を持つ猫型ペットロボット。高級ぬいぐるみの生地を採用し、本物の猫の声を収録している。タッチセンサーを内蔵しており、背中をさすると「にゃんにゃん」と喜び、あごの下をなでると「ごろごろ」と喜び、尻尾をつかむと怒って威嚇のポーズをとるという。毛の色はホワイト、茶、グレーの3種類で、7月発売、価格は6980円。一方の『ドリームペット ゴールデンレトリバー』は外観や質感、動きや表情もリアルなゴールデンレトリバーのペットロボット。機嫌がいいと歌ったり、ワンワンと鳴くほかに人間の言葉も話すという。10月発売で、価格は5980円。
猫型ペットロボット『夢ねこ(仮)』。一瞬首を動かし、再びふて寝してしまう動作など、本物の猫そっくり |
コナミは、“MICRO IR”シリーズの『デジQ』や『デジQトレイン』、『コンバットデジQ』に続く第4弾として、フォーミュラカーをモチーフとした『MICRO IR DigiQFormula』を8日付けで発表、おもちゃショーで展示している。DigiQFormulaは、実車のフォーミュラカーを43分の1スケール(約110mm)でモデル化したもの。車体の中に超高性能CPUと超小型高性能モーター2基を搭載し、前輪を微妙な角度で配置することでハンドリング時の前輪挙動を再現。また、赤外線の受光センサーをコックピット内にレイアウトすることでCPUとのダイレクトなデジタル通信が可能となり、車両操作の反応速度が向上したという。今秋発売予定で、価格は未定。
“MICRO IR”シリーズ第4弾となる『MICRO IR DigiQFormula』 |
『デジQトレイン』。車掌さんが持っている箱(コントローラー)に車両をポンと入れると、IRによるイニシャライズが行なわれ、車両はコントローラの指揮下におかれる。写真の車両は、5月30日に発売予定の『デジQトレイン 新幹線500系基本運転セット』。4両編成の列車のほか、コントローラー、ストレートレール132mm×8本、カーブレールR176-45×8本が付属して5980円 |
タカラは、チョロQをモチーフとした1人乗り電気自動車『Q-CAR』の販売モデルデザインを発表、デザイン画を公開している。市場販売用デザインは、コンセプトデザイン『2010』をブラッシュアップしたもので、コードネームは『G.O(仮)』。『2010』がオープンカータイプのスポーツカーデザインであるのに対し、『G.O(仮)』はシティーコミュニケーションカーをコンセプトとしたデザイン。今秋発売で、価格は100万円前後。カラーリングはさまざまなバリエーションを検討しているという。なお、この『G.O(仮)』の詳細については、今夏行なわれるQ-CAR新車発表会で明らかにするとしている。
Q-CARの市場販売モデル『G.O(仮)』のデザイン画 |
家庭用カラオケ『e-kara』の次世代新機種『e-karaN』を紹介するアイドルユニット“N moni”。お嬢さんたち左から、岡田茜さん、森田美穂さん、市川亜沙美さん |
キューブの組み立てロボットも新モデル『CAM-09』が登場した。モーターがひとつ追加され、歩行しながらの左右旋回が可能になった |
メルキャラ画面。Outlook Expressのサーバー接続設定を読み込むことも可能 |
対応顔文字一覧。(^^;は,「あせあせ」と発音される |
天田印刷加工のスタジオジブリコレクション。あまりなじみのない企業だが、ジブリ作品やガンダムシリーズ、仮面ライダーといった大物キャラクターのパズルなど、“紙”を素材にしたグッズが所狭しと並べられていた |
手足を動かせるペーパークラフト『ペーパーアクションモデル』シリーズのMS-06S『シャア専用ザク』。スケールは1/60。頭部の丸い部分は、細かい紙が何枚も使われていた。価格は3980円。8月下旬発売予定 |
同じくペーパーアクションシリーズのRX-78(近年改めて策定された型番ではRX-78-2)。胸部、排気口上面の微妙なカーブをうまく表現しているのがお分かりだろうか? |
ヤマハの『光るギター』。単にリズムにあわせて弦をかき鳴らすモードから、本格的にコードにあわせて弦を押さえるモードまでが用意されている。かなり楽しげな雰囲気で、多くの人が立ち止まって見入っていた |
トリは話題騒然の“ドラえもん”だ!! バンダイは、“2010年までに本物のドラえもんを作る”という夢を実現するため、ロボット研究者や企業、教育機関等と共同で“リアル ドリーム ドラえもん プロジェクト”を始動、プロジェクトの研究活動の過程で得られた成果は、毎年新しい“ドラえもんロボット”に生かしていくという。
ドラえもんを作り上げる! と豪語する“バンダイロボット研究所”。あの丸い手はどうするのだろう? ドラえもんロボットのデモンストレーションも行なっていた。個人的にはまずモビルスーツを開発していただきたいのだが、それにはまずミノフスキー粒子を発見しないといけないから、無理か……(吉川談) |
まず第1ステップとして、音声コミュニケーション機能を搭載した移動型ロボット『ドラえもん ザ ロボット』を10月に発売するとしている。ドラえもん ザ ロボットは、音声認識機能を搭載し、ユーザーの声のした方向を向いたり、そのユーザーに近寄ったりする。また、“ドラ焼き”“ネズミ”などのキーワードに反応し、さまざまなリアクションを取る。赤外線コントローラーも用意され、本体の操縦やスケジュール送信を行なえるという。全長25cm。
続いて第2ステップとして、複合センシング技術による環境認識型ロボット『ドラえもん ザ フレンド』を2006年秋に発売する予定。画像認識技術や音声認識技術、各種センサー技術の組み合わせにより、ユーザーとその他の人を区別して認識するほか、周囲の環境や自分の置かれている位置関係、障害物の様子といった“空間”も認識できるようにするという。また、液晶技術による目の再現や、各種アクチュエーターによる表情の変化などで感情表現を行なう。全長は70cm。
そして第3ステップ、論理的思考型AIによる自己進化型ロボット『リアル ドリーム ドラえもん』を2010年秋に発売するという。リアル ドリーム ドラえもんは、進化したAIにより論理的な思考が可能となり、ユーザーとの関わりや毎日の経験、さらに人工知能サーバーから得られるさまざまな情報から自分の行なうべきことを推論し会話や行動を変化させる。また、安定した2足歩行や姿勢制御により、坂道や階段の昇降、人ごみなど、人間が通常歩いていけるところに移動できるようになるという。全長は129.3cm。
音声認識を行なうドラえもん『ドラえもん ザ ロボット』(開発中)が登場 |
デモンストレーションで司会のおねえさんがキーワードを言うと、ドラえもんの四次元ポケットならぬポケット金庫が開き…… |
おねえさんが預けていたネックレスが出てきた |
ドラ焼き型コントローラーも開発中 |
一方、エポック社も同じくドラえもんの具現化を目標にロボットを開発中で、試作機『ドラえもんロボット プロトタイプ DR-02』を参考出品している。具現化を目指し、今後、運動/視覚/聴覚/言語/感情表現/学習といった機能を追求していくという。今回の試作機は運動機能と視覚機能を搭載しており、内蔵カメラで周囲の映像をとらえたり、手足を動かすことが可能となっている |
なお、東京おもちゃショーは2003年より一般デーとビジネスデーを分離して開催、一般デーは“おもちゃみらい博”と改称し、開催時期も7月31日から8月3日までの4日間となる。場所はパシフィコ横浜を中心とした神奈川県/みなとみらい21地区。一方ビジネスデーは6月上旬に開催するという。