2002春モデルとして登場した「Libretto L5」には、無線LAN&XP Professional搭載の「同 L5/080TNKW」と、無線LANを持たずXP Home Editon採用の「同 L5/080TNLN」の2モデルがある。外観は前モデルから変化ないが、内部はチューンナップされている。
CPUを高速化しつつ バッテリ駆動時間も延長
CPUにCrusoeを採用したLibrettoとしては4世代目となる「Libretto L5シリーズ」(L4は欠番)。CPUをTM5600-600MHzからTM5800-800MHzに高速化、メモリも標準256MB、最大512MBまで増設可能になり、プリインストールOSのWindows XP Professionalのパフォーマンスを存分に発揮できるようになった。HDD容量は20GBで変更ないが、無線LAN搭載の本機(TNKWモデル)では1.8インチHDDを採用し、パーツの実装面積を節約している(TNLNモデルは2.5インチHDD)。さらに、細かいことだがバックアップイメージをHDD内の別パーティションに保存し、OSの再インストール時にもCD-ROMドライブが不要になった点もユーザーにはうれしい改良だ。このパーティションは約2.1GB占有し、OS上からは直接見えないので誤ってバックアップイメージを削除してしまう心配はない(アプリとOSを除く初期状態での空き領域は約14GBとなる)。
写真1 Libretto L5のキーボード。スペースバーが3.8キー分(66mm)と長く、左下にCtrlキー、Enterキーが右端などタイプしやすい工夫がうれしい。キーピッチはほぼ等幅の18mm。なお、天面のLibrettoのロゴは彫り込みに変更されている。 |
CPUのTM5800-800MHzは、800~367MHzの間でCPU負荷に応じて自動的にクロックを変更する省電力機能を持つ。動作クロックが従来の最大600MHzから33%引き上げられたものの、コードモーフィングが入るためアプリの初回起動時などには従来同様、若干引っかかる印象はあるが、待たされるというほどではない。起動後のアプリの挙動や2度目以降の起動は実にスムーズだ。
サブノートとして何より気になるバッテリ駆動時間は、JEITA測定で約4.5時間と従来モデル(約3.1時間)よりも伸びている。別売の「大容量バッテリパック」(4万円)に換えると約13.5時間とほぼ1日外出先で利用することも可能になる。CPUを高速化したにもかかわらずバッテリ駆動時間が伸びた理由をメーカーに聞いたところ、ビデオチップをSavageIXより省電力設計のATI「Mobility RADEON」に変更、バッテリを高容量化(1900→2000mAh)した、省電力タイプのHDDを採用、などが要因として挙げられている。
写真2 本体前面と左右側面。前面にはオーディオ端子とボリュームつまみ、無線LANのスイッチ、右にSDカードスロット、USB×2、モデム、左にPCカードとLAN端子が並ぶ。 |
今回試用したのは製品前の試作機なので、編集部ではバッテリ駆動時間を計っていないが、5時間以上連続で動作させていても底面にはほとんど熱を感じなかった。これも総合的な省電力化によってもたらされたメリットのひとつと言えるだろう。
価格はオープンプライスで、予想実売価格は17万円前後。無線LANを内蔵せず、OSがHome Editionになる以外は同等スペックのTNLNモデルは実売14万円前後と見られる。無線LAN機能はPCカードで後から追加することもでき(実売1~2万円)、そちらのほうが割安ではあるが、無線LANアダプタのアンテナ部分が2cm程度飛び出してしまうため、内蔵タイプに比べてスマートとは言い難い。会社や自宅、街のホットスポットなどで無線LANを利用できるなら、ぜひとも無線LAN内蔵タイプをお勧めする。
Libretto L5/080TNKWの主なスペック | |
製品名 | Libretto L5/080TNKW |
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CPU | TM5800-800MHz |
メモリ | 256MB |
液晶 | 10インチワイド低温ポリシリコンTFT |
解像度 | 1280×600ドット/6万色 |
HDD | 20GB |
光メディアドライブ | オプション |
通信 | モデム/LAN/無線LAN |
サイズ | 268(W)×167.2(D)×20.5~29.3(H)mm |
重量 | 約1.1kg |
OS | Windows XP Professional |
Officeアプリ | ―― |