コンピューターウイルス研究者の国際会議“Virus Bulletin 2001”(ウイルスブリテン:VB 2001)が27日(現地時間)、チェコ共和国プラハのホテルで開幕する。今回、(株)シマンテック“シマンテック・アンチウィルス・リサーチ・センター(SARC)”の星澤裕二氏が日本人として初の研究発表を行なう。
“Virus Bulletin 2001”のロゴ |
このVirus Bulletin 2001は、英国でコンピュータウイルス専門誌“Virus Bulletin”誌を発行する英Virus Bulletin社が欧米の主要都市で開催している、コンピューターウイルスに関する国際会議で、世界中のコンピューターウイルス研究者の研究発表の場となっている。年1回開催され、今回で11回目。27、28日の2日間行なわれる。
VB 2001の開催地となったプラハは、町の各所に世界遺産指定の歴史的建造物があることで知られている。正面の高い位置に見えるのが14世紀に完成したプラハ城 |
Virus Bulletin社は、各社のウイルス対策ソフトを(提供を受けるのでなく)店頭などで購入し、自社が持つコンピューターウイルスのサンプルを使って、ウイルス対策ソフトの性能テストを行なっている。テスト結果はVirus Bulletin誌にランキング付きで発表している。Virus Bulletin社は営利企業だが、独立性とソフトウェア評価に関する厳密さと公正さから、コンピューターウイルス対策ソフトの国際的テスト機関として評価を受けているという。
VB 2001参加者に配付される資料。発表資料は500ページ以上もある |
今回のVB 2001では、日、英、米、カナダ、オーストラリア、ドイツ、ルーマニア、ポーランド、アイスランド、ハンガリー、フィンランド、ノルウェー、スイス、オランダの各国から、コンピューターウイルス対策ソフトメーカーや大学の研究者、企業の対策担当者らが30以上のセッションに分かれて発表する。
日本人として初めて発表するシマンテックの星澤氏は2日目に、“Are Java-Enabled Mobile Phones Secure?”と題して、Java対応携帯電話端末のコンピューターウイルスに対する安全性について発表を行なう予定。携帯電話のインターネットサービスは日本が世界に先駆けて進んでおり、日本での研究については世界的にも関心が集まっているという。
ASCII24では、星澤氏の発表のほか、注目されるセッションなどを取り上げ、VB 2001のレポートをお送りする予定だ。