オートデスク(株)は26日、AutoCADの新バージョンとして、デザインソフトウェア『AutoCAD 2002』と同製品をベースとした製品群を発表した。
オートデスク代表取締役 志賀徹也氏 |
『AutoCAD 2002』 |
『AutoCAD 2002』の画面 |
今回発表した製品は、プラットフォームとなるCADソフト『AutoCAD 2002』(価格はオープン、販売予想価格59万8000円)、共同作業を支援する『AutoCAD LT 2002』(価格はオープン、販売予想価格12万8000円)、製造業向けの2次元設計用『AutoCAD Mechanical 6』(69万8000円)、2次元・3次元の融合設計ツール『Autodesk Mechanical Desktop 6』(96万円)、建築向けの『Autodesk Architectural Desktop 3.3』(69万8000円)、GIS・土木建設向けの『Autodesk Map 5』(61万8000円)、Windows CE上で図面を見るためのビューワー『Autodesk Onsite View 2』(オープン価格)の7製品。併せて、デザインに関わる全てのユーザーに向けたポータルサイト“Autodesk Point A”の日本語サイトを開設すると発表した。
Vice President Asia/PacificのTom Norring氏 |
『AutoCAD LT 2002』 |
『AutoCAD LT 2002』の画面 |
同社は、データを資産として活用する環境を提供していけるように、今回“コンテンツ”、“コンテナ”、“コミュニティ”をコンセプトとして、一連の製品群を発表した。開発・設計から施行、製造、流通、販売、そしてサポートメンテナンスまでの全てのデータをとりこぼしなく活用するという、デジタル(Digital)・デザイン(Design)・データ(Data)の“D-cube(ディーキューブ)”を、この3つのコンセプトにより進めていくとした。
『Autodesk Mechanical Desktop 6』 |
『Autodesk Mechanical Desktop 6』の画面 |
『Autodesk Architectural Desktop 3.3』 |
『Autodesk Architectural Desktop 3.3』の画面 |
3つのコンセプトは、いかに精度の高いコンテンツを作るかということに焦点を当てた“コンテンツ”、完成したコンテンツの管理と配布を行なう“コンテナ”、そのコンテンツを流通させる“コミュニティ”を意味する。従来は、紙面でデザインを行ない、紙でやりとりしていたために、デザインなどのとりこぼしが非常に多いうえ、図面の描き方が異なっていることなどもあって、データの一元管理がきわめて難しかったという。それらの問題点に対応したのが今回の製品群となっている。
コンセプトの1つ“コンテンツ”においては、CADマネージャーが社内図面標準に沿っているかを容易にチェックできる機能を搭載したほか、納品先の標準仕様に変換する機能も搭載した。また、コンテンツの作成時に、自由に曲面の設計が行なえる機能、パーツやアセンブリの作りこみを簡単に行なえるようにする機能、既存のコンテンツや作り上げた個々のコンテンツをつなげて動かして確認できる機能などを搭載している。
2つ目のコンセプト“コンテナ”の特徴は、“XML”と“DesignXML”を採用したこと。データの交換相手はCADだけでなく、データベースであったり、基幹業務ソフトであったりするが、XMLとDesignXMLを採用したことで、データ変換ソフトなどを使わずにやりとりできるようになった。これにより、ウェブブラウザーで表示できるため、社内図面のバッチチェックも容易に行なえ、データの融合、ウェブ上のデータをドラッグ&ドロップで自動的にXMLデータとして読み込む“i-dropコントロール”などにも対応する。また、DesignXMLを用いることで、XMLに共通の解析手法を採用できるうえ、ファイルを開かなくても、いつ、誰が作ったのかを確認したり、データの格納形式を用途ごとに変えられたりと、従来のプロセス共有化の難しさを解消したという。
3つ目のコンセプト“コミュニティ”では、デジタル・デザイン・データに関わる全てのユーザーが利用できる“Autodesk Point A”の日本語サイトを立ち上げる。同サイトは、ユーザー登録することで、欲しい情報にすぐアクセスしたり、ユーザー同士の情報交換が行なえたりする、同社のオンラインサービスのアクセスポイントとなるサイト。米国サイトは1年前に開設されており、デザインに関わるあらゆる人のポータルサイトになっているという。同社では日本語サイトを米国サイトの単なる翻訳サイトにするつもりはなく、提携などを行ない、コンテンツを増やしていくという。
『Autodesk Map 5』 |
『Autodesk Map 5』の画面 |
『Autodesk Onsite View 2』 |
『Onsite View』の表示 |
画面上で距離や角度などを表示させることもできる |
また、コンテンツを流通させる新たな場を提供するため、Windows CE搭載の携帯端末(PDA)で図面を扱える『Onsite View 2』を発売する。従来の現場では、青焼きの紙の束を持ち歩いていたが、同製品を用いることにより、そういったわずらわしさが解消されるという。また、画面上に書き込みも可能で、同期機能“ActiveSync”によりデスクトップと同期をとることもできる。また、「ここを設計変更してください」といったように音声を録音し、変更個所を示すこともできるようになっている。
対応OSは『AutoCAD 2002』『AutoCAD LT 2002』『AutoCAD Mechanical 6』『AutoMechanical Desktop 6』『Autodesk Architectural Desktop 3.3』『Autodesk Map 5』『Autodesk Onsite View 2』ともに、Windows 98/2000/Me/NT 4.0。
同社ではこれらの製品を、9月以降順次発売していく。また、発売記念キャンペーンとして、先行予約キャンペーンおよび、優待アップグレードキャンペーンを9月10日まで行なう。