アップルコンピュータのブースでの展示は『Power Mac G4』が中心となっており、話題のMac OS X v10.1もすべてPower Mac G4でデモされていた。CPU速度と色が変更されただけの新iMacは他社製の周辺機器などのセットで展示されているだけで、仕様変更があったとはいえ、それほど力を入れて展示している様子ではなかった。
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アップルのブースの展示はMac OS X v10.1とPower Mac G4が中心 |
アップル社ブース中央のシアターでは、『Mac OS X v10.1』や『iDVD2』、新Power Mac G4などの紹介が行なわれていた。
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仕様変更があったにもかかわらずiMacの展示は控えめだった |
今回のExpoの主役はサードパーティーだ。ジョブズが“10 on X”として基調講演の壇上に招いたのは10社だけだったが、実際にはもっとずっと多くのソフトウェアベンダーがMac OS X用の製品を発表している。iMacやiBookのヒットにつられて新たにMac市場への参入をした多くの会社は、これから廃れていく旧OSではなく、Mac OS Xだけにターゲットを絞って開発しているところも少なくない。例えばインターネットを使って米国や韓国へ安価に電話をかけられる米Dialpad Communications社もその1つで、Mac OS X版クライアントの発表はしたが、Mac OS 9に対応する意向はないという。
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ようやくMac対応を果たしたDialpad Communications社。なんと、Mac OS 9をすっとばしてMac OS Xからの対応になるとのことだ。もちろん、日本からでもサービスが受けられるらしい |
グローブ型の新しいUSB入力装置、米Essential Reality社もまだ具体的なことは何も決まっていないが、Mac OS Xにターゲットを絞っているようだ。
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Essential Reality社のP5グローブを使えば、手の位置や5本の指の動きを使って細かな操作をすることができる |
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P5グローブはMac OS Xから対応予定で、その他、WindowsやPlaystation 2にも対応予定 |
ジョブズ氏の講演にも登場した米WorldBook社も、自慢の美しいグラフィックはMac OS Xでなければ実現できなかったとしている。
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世界中の国々のさまざまな情報を書かれたWorldBookを、Mac OS Xの美しいグラフィックと効果音で、見て楽しいタイトルに仕上げた |
米NeXT社の時代から製品を提供し続けている米Stone Design社のアンドリュー・ストーン氏は、ほとんど彼1人でプログラミングを行なっている零細企業であるにも関わらず、その製品がまもなく米国のAppleStoreで正式に発売されるようになると喜んでいた。ストーン氏は、成功の秘訣はアップルの、少ないプログラミング労力で高度な製品作りを実現するMac OS XのCocoa技術にあるとしていた。実際にこれだけ多くの開発者が短期間にMac OS X用製品を用意できたのはCocoa技術によるところが大きいようだ。
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米Stone Designのアンドリュー・ストーン氏は、自慢のグラフィックソフトクリエイトをはじめとする彼の作品がAppleStoreでパッケージとして発売されることに感無量の様子。零細企業でもこれだけ成功できたのはCocoa技術のおかげと熱弁を振るった |
主催者から出展者に送られるベストオブショーもMac OS X対応ソフトが総なめにしていた。
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今回、ベストオブショーを受賞したMac OS X専用のFlashアニメーション作成ソフト、Toon Boom Studioのブースは連日人だかりができていた |
今回のMACWORLD/NY 2001は、Mac OS Xへの移行が本格的に始まっていることがひしひし伝わってくるイベントだった。これがアップルがMac OS X v10.1を発表するだけの独りよがりの発表ならそうは思えなかったかもしれない。筆者がMac OS X時代の到来を強く感じることができたのは、Mac OS Xを意識した製品のアピールをしたり、Mac OS X時代に相応しい新しい提案をしているサードパーティーがいかに多いかをこの目で見ることができたからだと思う。
もしアップルの新製品が大量に発表されていたら、3日間でこれだけのサードパーティーブースを回ることは到底できなかった。そういう意味で考えれば、今回のアップルの控えめな発表も決して失敗だったとは言い切れないのかも知れない。
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Mac用ポートレプリケーターとして人気があったBookendzシリーズが復活した。PhotoControl社で開発中のこの新iBookバージョンは約170ドル程度を想定しているが、発売時期は未定 |
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Windows XPにも対応したMacエミュレーターのSoftMac。PowerPCエミュレーションにはまだ対応していないためMac OS 8.1までしか動かせない |
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今回のExpoの隠れた目玉、米ソネットテクノロジーズ社のHARMONi G3。なんと、初期のiMacのCPUを500MHzに高速化し、さらにFireWireポートを追加してしまう |
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会場内の随所にインターネットカフェなどと称して、Air Mac(米国名、AirPort)が使える場所が用意されていたのもMacユーザーにはうれしい配慮だ。 |