液晶モニタの低価格化が進んでいる中で、各社とも独自機能を追加しながら差別化を図った製品を投入してきている。アイ・オー・データ機器が2001年5月に発表、出荷を開始した15インチTFT液晶モニタ「LCD-ADV15H」は、デジタル(DVI-D)とアナログの2系統入力端子を備える。
明るくメリハリのある画面
使い勝手のよいメニュー&ボタン類
「LCD-ADV15H」の背面に並ぶコネクタ類。 |
最大の特長であるデジタル&アナログ2系統入力端子は、背面下部に下向きに並ぶ。右からデジタル入力(DVI-D)、アナログ入力(D-sub15ピン)、電源(付属ACアダプタ)という順になっている。
液晶パネルのスペックは下表のとおりだが補足すると、
- 800×600ドット以下の画面は自動的に拡大されて全画面表示になる
- デジタル接続のみの場合には、BIOSやDOS起動時には画面表示できず、Windowsが起動後のみ表示される
- デジタル&アナログ両端子に接続した場合、先に表示可能な信号入力があったほうを優先して表示する
となっている。全画面への拡大表示は、スムージングが有効に機能しており、ジャギー(エッジのギザギザ)はほとんど見られない。
「LCD-ADV15H」は前方に5度、後方に20度の角度をつけられるチルト機構を備える。本体の奥行きは158mm。 |
3つめのデジタル&アナログの入力自動切り替えは起動後にも機能し、片方の入力信号がなくなった場合(PCの電源を落とすなど)には自動的にもう一方の画面に切り替わる。
前面の電源スイッチに並ぶ4つのボタン。デジタル&アナログの入力切り替えは「-」ボタンでワンタッチ操作が可能。 |
このように操作性の良さもLCD-ADV15Hの特徴だ。OSDメニューにはコントラスト、輝度調整や表示位置&信号タイミングの微調整、といった一般的な設定項目のほかに、RGB各色の調整メニューがあり、RとGを抑えて文字を読みやすくしたプリセットが用意されている。
実際に、同社のDVI-D端子付きPCIビデオカード「GA-GMX4/PCI」に接続してみたが、視野角は左右に各60度、上45度、下55度と公式には謳っているが、それ以上に角度を付けて画面を見ても色が反転することはなく(若干暗転する)、スペック以上に広い視野角で利用できそうだ。
また、従来面倒な微調整が必要だったアナログ入力の映像も、対応するリフレッシュレート(60/70/72/75Hz)であれば接続時に自動的に最適な状態に合わせて表示される。これは、アイ・オー・データ機器のビデオカードだけでなくカノープス製ビデオカードで試しても同様だった。
価格は6万4800円。Windows 95/98/Me/2000対応のINFファイルと調整画面表示ツール、およびMac用画面調整ツールが添付されている。ちなみに、同社の15インチクラス液晶モニタには、
- アナログ入力専用「LCD-A15H」(5万9800円)
- アナログ入力専用&スピーカ内蔵「LCD-A15HS」(6万4800円)
- アナログ入力&デジタル入力「LCD-ADV15H」(6万4800円)
- アナログ入力専用で15.7インチの「LCD-A16H」(6万9800円)
――という4製品がラインナップされている(デジタル接続専用の「LCD-DV15H」は2001年6月末で生産終了)。同じサイズで比べるとデジタル接続端子が追加された分、5000円ほど割高になり悩ましいところだが、DVI-D接続可能なビデオカードを使っている、もしくは導入予定など2系統入力を活用できる環境ならば本機をお勧めしたい。PCを2台使っているユーザーの省スペース化をよりいっそう助ける液晶モニタだ。
標準添付のDVI-D→DFPの変換コネクタ。ちなみに付属のDVI-Dケーブルは長さ約3m。 |
OSDメニュー。細かいことだが、このメニューは消える際にじわじわとフェードアウトしていく。 |
カラーバランスのプリセットは1が標準のRGB全色フル(右端)状態で、2は画面のように青味が強くなっている。 |
アナログ入力時の微調整モード。デジタル接続時には、メニューの項目が反転して選択できなくなっている。ほとんどの場合は「AUTO-SYNC」、もしくは本体前面の「AUTO」ボタン一発で最適な表示状態になる。 |
パネルサイズ | 15インチ |
---|---|
表示解像度/色数 | 最大1024×768ドット/フルカラー |
最大輝度 | 210cd/m2 |
コントラスト比 | 350:1 |
入力端子 | DVI-D×1、D-sub15ピン×1 |
サイズ | 400(W)×158(D)×378(H)mm |
重量 | 4.2kg |