4月6日、新宿のマイクロソフト本社にて、4月12日出荷予定の「Small Business Server 2000(以下SBS2000)」と、SBS2000に含まれるグループウェア「GroupBoard」についての説明会が開催された。ここでは、その説明会で行なわれたSBS2000の概要紹介と、GroupBoardの機能説明のもようをお伝えしたい。
SBSはBackOfficeでは“ない”
SBSは、今回の「2000」から“BackOffice”という冠が取れ「Microsoft Small Business Server 2000」という名称になった。いままでSBSはBackOfficeの小規模版という位置づけだったのだが、今回からは「これからサーバを導入しようという企業のためのファースト導入サーバ」という位置づけに変わったためだ。対象とする企業も、メンバーが99名以下、パソコン台数も50台以下を有する企業がメインだという。
SBS2000の利点
今回の説明会で壇上にあがったマイクロソフト(株)スモールビジネス事業部 市場開発部 bPartnerグループ マネージャー 今井賢司氏は、SBS2000のメリットについて、
- ユーザー企業
- ファイル/プリンタシェアのみにとどまらない、全社的な「IT」活用を一括で導入できる
- マイクロソフトのパートナー企業(SI業者など)
- ファイル/プリンタシェアのみの案件ではなく、「半年ほどパソコンを使って、システムに慣れた段階でインターネット対応を行なう」、といったロードマップを提示することが可能となり、3年契約などで顧客との長期的な関係を築くことができる
といった点を上げた。
ファイル/プリンタ共有や、Webの利用、電子メールの利用といったそれぞれの要素は、どれが欠けても意味がない。社員がITを活用するにあたり、これらの要素すべてを統合的に使用できる環境を実現するのがSBS2000というわけだ。
製品構成
SBS2000の製品構成については、3月6日の記事「マイクロソフト、「Small Business Server 2000」を発売」でも触れたが、再確認すると下図のとおり。
SBS2000の製品構成。Exchange、SQL、ISA(Proxy Server)などの各サーバと、それらの動作環境となるOSが、それぞれ「2000」にバージョンアップしている。また、Outlook 2000もSR1に、FrontPageも98から2000 SR1となった。 |
SBS4.5からの改良点としては、Microsoft SQL Server内のデータベース容量が無制限になったこと(前バージョンのSBS4.5では10GBという制限が付いていた)と、モデムなしでもセットアップ可能となった点があげられる。モデムなしセットアップについてだがSBS4.5ではファクス共有の機能のために、モデムを接続しないとインストールができないという不具合があったという。つまり、ファクス共有をするつもりのないユーザーでも、インストールのために一時的にファクスを接続する必要があったわけだ。この点が、SBS2000では改良された。
さらに今回、注目を集めるグループウェア「GroupBoard」が含まれた「パワーアップキット」が初回5000本限定で付属する。パワーアップキットは、
- GroupBoard……グループウェア(後述)
- ExLook 2000 for SBS 2000……Exchange 2000のデータを携帯電話で利用可能にするソフトウェア
- アンチウィルスソフト……シマンテックかトレンドマイクロ製品どちらかを選択する
といった製品が同梱されている。初回5000本がすべて出荷されてしまった場合は、「パワーアップキット2」をバンドルする予定だという。
ライセンス
SBS2000のライセンスだが、サーバについては「1台のサーバにSBS2000に含まれるすべてのコンポーネントをセッティングする」という、SBS専用のライセンスが適用される。つまり、SBS2000がインストールされているサーバ以外にMicrosoft SQL Serverを導入する場合は、別途SQL Serverのライセンスが必要となる。
クライアントは同時接続50台まで可能(50CAL―Client Access Licens)。これは50ユーザーというわけではない。だから、たとえば複数人で1台のパソコン(クライアント)を共有していても、接続するのが50台までならば、OKというわけだ。
アップグレードに関してだが、
- SBS4.5
- Windows 2000 Server
- SBS2000評価版
の3つはそのまま上書きアップデートできるそうだ。特にSBS2000評価版は、再インストールとほぼ同じ手順を踏むそうだが、設定は引き継ぐ事ができるという。また、SBS4.0はいったんSBS4.5にバージョンアップしてから、SBS2000にアップグレードすることになる。
必要システム
要素 | 最低 | 推奨 |
---|---|---|
CPU | Pentium II-300MHz | Pentium III-500MHz |
メモリ | 128MB | 256MB |
ハードディスク | 4GB | ミラーリング構成で、4GB×2 |
ビデオ | 800×600ドット、256色 | 800×600ドット、256色 |
モデム | 1台 | 2台 |
ネットワークインターフェイス | 1ポート | 1ポート |
上記必要システム構成だが、今井氏によると、最低構成は、単に“動く”というレベルのもので、かなり苦しいという。マイクロソフトが検証したところによると、メモリ512MBを用意すれば快適になるとのことだ。