米Fawcette Technical Publications社と(株)翔泳社は、Microsoft Visual C++を利用している開発者を対象に、Visual
C++に関する最新技術を紹介する“Visual C++ Developers Conference Japan '99”をパシフィコ横浜で開催した。
初日の今日は、米マイクロソフト社のVisual C++プロダクトプランナーであるJeff
Ressler(ジェフ・レスラー)氏が、“Visual C++を使用した次世代Webアプリケーションの構築”と題した基調講演を行なった。
「われわれの目的はVisual C++によってアプリケーション構築の生産性を高めることである。今年度のEコマース企業の売上は全体で127パーセント向上している。これらの企業はインターネットにフォーカスした新しい企業だが、既存の企業もEコマースをやっていかざるを得なくなってきている。顧客取引や、在庫管理、流通業務などを電子ベースのシステムにしなければならない」
「そのためには、システムをゼロから構築し、さらに既存のものと統合化する必要がある。これまで利用してきた既存のシステムを活用しなければ競争には勝てないわけで、これがシステム開発上の重要な課題となっている」
「これからフォーカスすべきものはウェブベースの分散アプリケーションだ。分散アプリケーションには、、処理スピードとシンプルなユーザーインターフェースが必要、他ベンダーとの情報共有なども考慮しなければならない」
「顧客のニーズに対応するためのウェブアプリケーションを構築するには、拡張性のある技術が必要。何千人というユーザーに対応できるように、スケーラビリティーを向上し、最大限のパフォーマンスを確保しなければならない。Visual
C++では、最高のスケーラビリティーをウェブアプリケーションで実現するためのものとして“ATL
Server”アーキテクチャーを搭載する」
ALT(Active Template Library)は、Visual C++でCOMコンポーネントを作成するときに利用するもので、COMプログラミングを簡略化できる。ATL
Serverは、ISAPI DLL、Application DLL、IDEサポート、デバッグ機能、OLE DBをベースとしたデータアクセス機能などを搭載し、プロジェクトの作成はウィザード形式で行なえる。
Ressler氏は「ATL Serverにより、容易にウェブアプリケーションを構築できるだろう」と締めくくった。
デモンストレーションでは、現在開発中という『Visual C++』次期バージョン7.0の画面が紹介された。「Visual C++ 7.0は、まだα版にもなっていない初期の段階。正式に紹介できるのは当分先だろう」(Ressler氏) |
“Visual C++ Developers Conference Japan '99”は、12月1日まで行なわれる。