沖データ、プリンティング関連製品を集めた総合展示会“PRINCOM 2000(プリンコム)”を開催――Digital LED方式のクオリティーに注目
2000年07月13日 00時00分更新
(株)沖データは、7月11日、12日の両日、東京国際フォーラムにおいて、同社プリンター製品を中心に、プロフェッショナルおよびビジネスユースのグラフィックス、プリンティング関連製品を集めた総合展示会“PRINCOM
2000(プリンコム)”を開催した。また、11日には、同社が企業活動の一環として取り組む“環境問題”をテーマとした『MICROLINE
Green Forum(マイクロライン・グリーンフォーラム)』も開催された。
フルカラー1200×1200dpiのクオリティーに注目
展示は、DTPやデザインのプロフェッショナル向けカラープリンターをはじめ、ビジネス、SOHO向けなど数多くの『MICROLINEシリーズ』の新製品が中心となった。MICROLINEは、国内のみならず世界のクリエーターから認知され、高い実績を得ている。そのメーンラインアップとなるカラープリンターに新たに投入されたのが『MICROLINE 9055c/3050c』だ。これは、PostScript 3インタプリーターを搭載した、A3ノビ対応フルカラーページプリンターMICROLINE Color Seriesのひとつ。
独自技術、Digital LED方式の採用で1200×1200dpiという高精細印刷を実現した『MICROLINE 9055c』 |
MICROLINE 9055c/3050cは、従来のレーザー方式とは大きく異なる“Digital
LED方式”を採用し、世界初のフルカラーTrue1200dpi(1200×1200dpi)による高精細印刷を実現。従来のレーザー方式では1本のレーザー光を高速に走査することで印刷をしている。しかし、Digital
LED方式では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色にそれぞれに、1インチあたり1200素子のLEDを並列配置した“Digital
LEDヘッド”を搭載。これにより、より精緻な描画を実現した。
さらに、フルカラー印刷には不可欠な“シングルパスカラーテクノロジー”を採用しており、カラーで世界最速の21ppm、モノクロで26ppmというスピードを実現。シングルパスカラーテクノロジーは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色をプリンターユニットとして独立させ、各色を1行程で印刷する独自技術。カラー輪転機と同様にメカニズムで圧倒的な速さで効率化を図っている。
これにさらなるカラーコントロールのプロフェッショナルニーズに応えるため、ICM1.0および2.0(Windows
95/98/2000)と、ColorSync 2.5(Macintosh)に対応することで高度なカラーパフォーマンスを提供している。
なお、MICROLINE 9055cには、モリサワ5書体が搭載されており、DTPプロフェッショナルのための即戦力機と位置づけられている。価格は、MICROLINE
9055cが79万8000円、MICROLINE 3050cが64万8000円。
沖データ製、マイクロドライ・カラープリンターが登場
カラープリンターは、この他に、600dpiモデルの『MICROLINE 3020c』(54万8000円)、ビジネス文書作成において機動力を発揮するフルカラーA4対応モデル『MICROLINE 3010c』(39万8000円)も紹介されていた。ビジネス対応機の『MICROLINE 3010c』。4色のトナーカートリッジが並ぶ様は、さながら輪転機のようだ |
数あるカラープリンターモデルの中でも異彩を放ちつつ、来場者の注目を集めていたのが、同社初のA3ノビ対応のマイクロドライ・カラープリンタ『MICROLINE
7050c』だ。
マイクロドライといえば、アルプス電気が開発した“Micro Dry技術”があるが、これはまさにアルプス電気からの技術提供により製品化されているようだ。ただし、アルプス電気の製品はコンシューマーもしくはプロシューマーをターゲットとしていたが、このMICROLINE
7050cはパッケージデザインを業務で行なっているデザイナーに絞って企画されている新しいカテゴリの製品といえる。これまでこの手のフィルムを出力するには、専用プリンターか、高価な外注に頼らざるを得なかった。24万8000円という価格でこの環境を手に入れられるのは、パッケージデザイナーには朗報だろう。
沖データ初のマイクロドライ・カラープリンター、『MICROLINE 7050c』。パッケージデザインの新兵器となるか? |
また、MICROLINEの名を広めたモノクロプリンタシリーズ『MICROLINE PSシリーズ』もラインアップを一新。PostScript
3インタプリター搭載、A3ノビ対応でTrue1200dpiを実現した『MICROLINE
1055PS』(54万8000円)、600dpiで30ppmの超高速モノクロ出力を実現した『MICROLINE
1035PS/1032PS』(44万8000円/32万8000円)が紹介されていた。
1200dpiの超高精細を実現したモノクロプリンター、『MICROLINE 1055PS』 |
Adobe InDesignのセミナーが大盛況
出展会場は、大きくDTP/グラフィックと、インターネット/ビジネスに分けられて出展されていた。DTP/グラフィックのゾーンは、主にデザイナーなどのクリエーターを対象とした出展が目立った。アドビシステムズは、まもなく出荷が開始されるイラストレーションソフト、Adobe Illustratorの最新版『Adobe Illustrator 9.0日本語版』と、Flash作成に対応したアドビ初のWebアニメーションツール『Adobe LiveMotion日本語版』を紹介していた。特にデザイナー必須のツールであるAdobe Illustratorについては、来場者からの熱心な質問が繰り返されていた。
また、同社は、日本での市場投入が待たれているレイアウトソフト『Adobe InDesgin日本語版』のセミナーを11日に行なった。このセミナーは満員で入りきれない来場者が続出。セミナー会場外に設置されたモニター前には黒山の人だかりができた。
アドビシステムズのブースには、IllustratorやLive Motionの情報を求めてさして広くない通路は、ユーザーで溢れんばかり |
エクスツールスのブース。Shadeの説明に聞き入りユーザー。このようにユーザーがじっくり質問して、メーカーがじっくり答える、という場面が多く見られた |
この他に大日本スクリーン製造では、レイアウトソフト『Page
Studio2000』、恒陽社は、『QuarkXPress4.1日本語版』のデモを行なっていた。また、プリンティングの展示会らしく、フォント関連の出展が多く見られた。イワタエンジニアリング、エヌフォー・メディア研究所、タイプバンク、ニィス、日本活字工業、フォントワークスジャパン、モリサワ、リョービイマジクス、とさながらフォントの展示会の様相を呈していた。
また、インターネット/ビジネスのゾーンでは、マイクロソフトは『Microsoft
Visio 2000』、メディアヴィジョンが『Corel Draw9』などのビジネス系のグラフィックソフトを出品していた。