日本オラクル(株)は、PCで参照するために作成したウェブコンテンツを、携帯電話のブラウザー用の書式に変換するサーバーソフト『Portal-to-Go
R1.0.2 Enterprise Edition』を発表した。8月11日に出荷を開始する。
Portal-to-Goは、ウェブページ/データベースの内容を携帯電話向けのコンテンツ書式に変換するサーバーソフト。ひとつのコンテンツを作成するだけで、仕様の異なる複数の端末に対応できるのが特徴 |
NTTドコモの“iモード”など、携帯電話を利用したインターネットサービスは、携帯電話の画面向けに機能を絞り込んだ独自のコンテンツ書式を使用している。Portal-to-Goは、Internet
ExplorerやNetscape Navigatorなど、PC用のブラウザーを想定して作成されたHTML文書の内容から必要な部分だけを抽出し、携帯電話用のコンテンツ書式に変換するもの。GUIベースの管理ツールを備えており、抽出する情報の優先順位や携帯電話に表示させる際のレイアウトを指定することで、既存のHTML文書を携帯電話用に流用できる。これにより、コンテンツ作成の手間を大幅に削減することができる。
出力可能な書式は、iモードで用いられている“Compact HTML”やIDO/DDIグループのEZweb/アクセスの“WML/HDML”など、現在国内で用いられている携帯電話用のコンテンツ書式の大半に対応している。
携帯端末表示するコンテンツの優先順位やデザインなどはGUIベースの管理ツールで設定する |
Portal-to-Goは、HTML文書を“アダプタ”と呼ばれるソフトで一度XMLに変換した上で、携帯電話用のコンテンツ書式に変換する手法を取る。XMLをベースとしたことで、単なるインターネットコンテンツだけでなく、企業内のデータベースなどとの連携も容易になっている。アダプタのAPIは公開されており、既存の基幹システムと連携を行なうことも可能。パッケージには、HTMLコンテンツをXMLに変換する“Webアダプタ”、『Oracle
8i』の内容をXMLに変換する“Databaceアダプタ”が標準で付属する。
また、CookieやSSLに対応していない携帯電話用ブラウザーの代わりにCookie情報を発行したり、SSLを管理する機能を持つ。そのため、これらの機能を使用する既存システムを携帯電話からでも利用できるようになる。ウェブページやデータベースが変更された際に、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)などを通じて通知する機能も装備する。
対応OSは、SPARC版のSoraris 2.6とWindows NT4.0。価格は1ライセンスあたり1万9000円(サポート料金は4180円)。200クライアント指名ユーザーの製品では380万円となっている。ASPなど不特定のクライアント向けにサービスを提供する業者に関しては、ボリュームディスカウントや月ごとの利用ユーザー数に応じた分割払いなどにも対応するという。
なお、Portal-to-Goの導入事例として、沖縄サミットに来訪する外国人ジャーナリスト向けの観光情報提供サービスが行なわれるほか、すでに海外では、“VoML”(音声対応のマークアップランゲージ)を利用した、音声によるフライト予約システムなどが提供されている。