昨年9月のリーマン・ショックから始まった、景気後退の影響色濃く、デジタル家電、パソコン関連などの販売は不振を極めている。
15日に発表されたBCNの調査によると、年末商戦で盛り上がるはずの12月も、2008年に関しては例外だったようだ。薄型テレビ、レコーダー、パソコンの台数ベースの伸び率はプラスになっているものの、薄型テレビとパソコンは金額ベースではマイナス。デジタルカメラに関しては、コンパクトデジカメが不振で台数、金額共にマイナスだった。
特に厳しい戦いを強いられるデジタルカメラにフォーカスしてみよう。
年末商戦、金額ベースで2ケタ減のデジタルカメラ
まず、デジタルカメラ市場全体の概況を見てみよう。
昨年1年デジタル一眼が好調だったため、昨年12月に初めて12.8%と市場全体の1割を占めるまでになった。しかし、12月のデジタルカメラ全体の台数ベースでは対前年比93.8%、金額ベースでは81.8%と大幅に減少している。
コンパクトデジカメに関して、BCNアナリストの道越一郎氏は「他社との差別化に繋がる新しいキーワードが見つからず、苦戦している」と指摘する。
実際に数値を見てみると、デジタル一眼の低価格化が進むことで、6万円以上するような高級コンパクトデジカメの市場が喰われているようだ。
道越氏は「リコーのGRシリーズなどが低価格のデジタル一眼に押されている。コンパクトデジカメの高級機は、他のコンパクトと比べて何が優れているのか違いが分かりにくい」と述べる。価格に関して言えば、コンパクトデジカメの800万~1000万画素、1000万~1200万画素クラスの平均単価は大幅に下がっている。一方、1200万画素以上の高画素モデルは比較的価格下落の幅が小さい。
メーカー別のシェアで見ると、IXYシリーズが好評のキヤノンが引き続き堅調のようだ。「パナソニックは2008年中盤までは好調だったが、後半はリソースをG1に注いだのかやや落ち込んだ」(道越氏)
*(注)パナソニックの「LUMIX DMC-G1」は一眼レフ市場の数値に組み込まれている。