中堅企業向けサーバスイート「Windows Essential Business Server 2008」がついに日本でも発売される。中小企業にとってどのようなメリットがあり、また何ができるのか。米マイクロソフトのマネージャーに話を聞いた。
中堅企業のITプロフェッショナルの悩みとは
Windows Serverは大企業向けのOSであり、Exchange Serverも大企業のITシステム用ソフトウェア。日本の企業の多くを占める中堅企業には適していない。
こう言い切ってしまうのは極論だろう。しかし、システムの管理を行なうITプロフェッショナルの人数が限られ、予算も限られている中堅企業にとって、社内システムの管理が重荷になっているのも事実だ。
こうした中堅企業のITプロフェッショナルの悩みを解決するべく、米マイクロソフトが新たに発表したのが「Windows Essential Business Server 2008」である。これは、Windows Server 2008に、Exchange Serverやウイルス対策、ファイアウォール、そしてこれらを横断的に管理できる管理ツールがセットになった製品だ。
それでは、このEssential Business Serverは何が優れているのか、米マイクロソフトのWindows Server ソリューショングループのジェネラルマネージャーであるクリス・フィリップス氏に話を聞いた。
フィリップス氏によれば、中堅企業のITプロフェッショナルが一番足りないとしているのは時間だという。彼らはシステムの更新やユーザー情報の更新といった管理業務に追われており、ITの本来の目標である企業の戦略に関わる部分の仕事ができないと悩んでいるのだ。
管理業務にかかる時間と手間を大幅削減
Windows Serverを始めとするマイクロソフトの製品は、インストールや設定用のウイザードが充実している。しかし、基本的には各製品ごとのウイザードであり、たとえばWindows ServerとExchange Serverのインストールと設定は、それぞれ個別の操作が必要となる。これは手間も時間もかかる作業だ。
一方、Windows Essential Business Server 2008では、OSと搭載するソフトウェアの管理機能が統合されている。そのため、Windows ServerのインストールからExchange Serverの設定までを一貫したウィザードで行なえる。フィリップス氏によれば、セットアップの作業を10分の1に短縮できるという。
効率化はインストールだけではない。「Windows Essential Business Server 管理コンソール」を使うことで、製品の縦断的な管理が可能になる。
この管理コンソールはアドインが可能で、企業が独自に開発したアプリケーションの管理ツールを組み込むことなどができる。
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