マイクロソフト初の家庭向けサーバーOS「Windows Home Server」(WHS)の日本語版が、英語版から1年遅れで登場した。WHS日本語版は、英語版と何が変わったのか。主な機能やインストール時の注意点などについて解説したい。
日本語版で何が変わったのか?
WHS日本語版は、1年前に登場したWHS(関連記事1)に、「Power Pack 1」(PP1)と呼ばれるアップデートモジュールが導入された状態となっている。
PP1導入前後での大きな違いは、まず日本語環境の正式サポートにある。PP1導入前のWHS英語版でも、日本語表示が行なえないわけではなかったが、不具合もあった。PP1導入後にはこれらの問題は解消されている。
WHS日本語版の基本機能は、1年前の英語版とまったく変わっていない。ファイル共有とクライアントパソコンのバックアップ機能、インターネット経由のリモートアクセス、異なるドライブをひとつのドライブに見せる「ドライブエクステンダー」機能などが、WHSの基本機能となっている。
PP1で最も重要な修正点は、ドライブエクステンダー使用時に一部のアプリケーションデータがクラッシュするというバグを修正したことだ。
日本語化自体は、今年の2月頃には終了していたという。しかし、データクラッシュという大きなバグの修正に手間取ったため、PP1のリリースが遅れに遅れ、日本語版もそれに引きずられたというわけだ。
バグ修正以外にも、PP1ではドライブエクステンダーで複数のHDDを接続したり切り離したりする処理を高速化したり、さまざまな家庭内LAN環境に対応できるようにリモートアクセス機能の改良などが行なわれた。また、低消費電力で動作するようにチューニングされている。続いては、WHS日本語版の基本機能をおさらいする。
すべての機能をリモート管理
WHSの管理は、クライアント側に「コネクタソフトウェア」(WHSに付属する)をインストールして、「Windows Home Serverコンソール」(以下管理コンソール)と呼ぶ機能を使い、リモートで行なうのが基本となる。
管理コンソールは、初心者でも使いやすいようにビジュアル化されている。サーバーマシンにディスプレーやキーボードがつながっていなくても、管理コンソールを使えばリモート管理ができる。WHSをNAS(Network Attached Storage)のようなアプライアンスとして利用できるのだ。
WHSにアクセスするためのクライアント側設定や、クライアントパソコンのHDDをWHS側にバックアップする設定なども、コネクタソフトウェアで行なう(詳細は後述)。
WHSを使用するクライアントはすべて、コネクタソフトウェアをインストールする必要がある。コネクタソフトウェアの対応OSは、Windows Vista/XP SP2/XP Media Centerの32bit版と、Vistaの64bit版となっている。XP 64bit版やWindows以外のOS用コネクタソフトウェアはない。