ソニー(株)は16日に2006年度の連結業績説明会を行なった。ゲーム事業に関しては△2323億円の赤字を出している。PS3プラットフォームの立ち上げ関連費用を計上したことと、販売価格が製造コストを下回るというPS3の“逆ざや”状態が主な原因だ。
「ゲーム事業はいつ黒字化するのか? 逆ざや状態はいつ解消するのか?」という筆者の質問に対して、執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏は次のように答えた。
「ゲーム事業は2008年度には黒字化する予定。PS3のコストダウン自体は進んでいるものの、2007年度中の逆ざや解消は難しい。できるだけ早く解決できるよう努力する」
1月の時点では、2007年度中の解消を見込んでいたが(関連記事)、予想より厳しい状況のようだ。
予想以上に売れたPS2
さらに興味深かった点をいくつかピックアップしてお伝えしよう。
まず世界におけるPS3の販売状況に関してだが、生産出荷台数が当初の予想である600万台を下回る550万台となった。この数字は工場から出荷された数で、問屋や量販店に入るのが360万台ほど。残りが在庫となっている。PS2は前年より202万台減となる1420万台だが、これは予想以上の売れ行きだったようだ。PSPは落ち込みが激しく、前年同期比570万台減となる836万台だ。
ソフトに関しては、2006年度の生産出荷台数は2億6130万本で、前年に比べ減少している。2007年度はさらに少ない2億5000万本となる見通しだ。これは、PSPとPS3のソフト数は増えるが、発売開始から8年経つPS2のソフトが減るだろうと想定されることによる。
減少傾向にはあるものの、PSP用ソフト『モンスターハンターポータブル2nd』が国内初のミリオンセラーになるなど、ヒットタイトルは生まれている。今後はPS3用のビックタイトルとして、7月に『みんなのゴルフ5』、秋に『THE EYE OF JUDGMENT』の発売を予定している。ソニーとしては、なんとかヒットタイトルを量産することで、ゲーム機普及に弾みをつけたいところだろう。