米アップル社のCEO(最高経営責任者)、スティーブ・ジョブズ氏は2日、アップルの環境問題に対する取り組みを明らかにするという声明を発表した。国際的な環境保護団体のグリーンピースが4月3日に公開した、大手電化製品製造メーカーのランキングを受けたものと見られる。
グリーンピースが発表したランキング『Guide to Greener Electronics Ranking』では、全14社が比較されているが、トップはレノボ、アップルは最下位だった。
この件について、ジョブズ氏は今回の声明にて「アップルはある組織に、『新製品から有害な化学物質を取り除くことについて指導的立場になれていないうえ、旧製品のリサイクルにも積極的でない』と非難された」と言及。しかし、「すぐにこの分野(環境問題対策)での先頭に立つであろう」とコメントし、今後の環境対策についてプランを明かした。
2007年にLED採用のMacを出荷予定
声明の中では、有害とされる化学薬品名のリストと対応策も具体的に上げられている。特に液晶モニターの光源としては、現在蛍光管が使用されているが2007年中にはLEDを採用した最初のMacを出荷、2008年内には完全に移行を完了すると宣言している。
iPodでは、すでに液晶のバックライトにLEDが採用されており、Macの液晶モニターへの移行は、モニターの製造元がどれだけ早く大型のモニターに対応できるかにかかっていると説明している。
製品のリサイクル率の推移のデータも公開された。150を超える全米のApple Storeでは無料で不要のiPodの回収を行っていること、不要となったiPodを持ち込むことで買い換えの際に10%オフとなることを紹介し、このサービスが今夏には全世界で展開できるよう準備を進めているとも発表している。
さらに、不要となったiPodを全米のどこからでも無料でピックアップするサービスを準備していることも明かした。この計画は将来、全世界規模で展開する予定もあるという。
また、グリーンピースもアップルの発表を受けて、『Tasty news from Apple』と題された記事を公開。アップルが環境対策への取り組みを一般に公開したことを「全世界のMacユーザーが待ち望んだことだ」と評価している。