シャープ(株)
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https://store.sharp.co.jp/
http://www.sharp.co.jp/mebius/
オープンプライス
32万9805円(SHARP PC ONLiNE価格)
このところ、リビングルームに設置することを想定し、ファミリー層をメインターゲットとするAV志向パソコン――いわゆる“リビングPC”が注目を集めている。最新モデルではTV顔負けの大画面液晶パネルやTV視聴・録画機能の搭載は当たり前で、録画した映像を家庭内LAN経由で共有できるなど、家族みんなで楽しむのに適した機能を売りにするモデルが増え、メーカー各社とも独自の付加価値の搭載にしのぎを削っている。ここで紹介するシャープのMebius「PC-TX32J」も、そうしたリビングPCブームをリードする製品のひとつだ。
PC-TX32Jはオーディオビジュアル機能を充実させたMebius“AVセンターパソコン”の夏モデル。同社が販売する液晶TV“AQUOS(アクオス)”の技術を用いて作成した、TVチューナー搭載の32インチワイド液晶ディスプレーとハイブリッドレコーダをイメージさせるコンパクトなPCの組み合わせによるダブルチューナーモデルで、シャープでは従来の最上位機種「PC-TX26GS」をさらに発展させ、映像品質と使い勝手の向上に磨きをかけたという。
映像を忠実に再現する
新TVチューナーカード
まずパソコン本体のスペックから見ていこう。チップセットはIntel 865GVで、CPUにはCeleronD 335-2.80GHzを採用。2つあるメモリソケットのうち一方に512MBのDDR SDRAMを標準で1枚搭載し、1GBのメモリモジュールを2枚搭載することで最大2GBまで増設可能。グラフィックス機能はチップセット内蔵で、HDDは250GB(UltraATA/100接続)。光ドライブはDVD+R DL(2層式DVD+R)対応でDVD-RAMの書き換え速度が最大5倍速のDVDスーパーマルチドライブを備える。ネットワークは10/100BASE-TX対応だ。CPUや光メディアドライブがPC-TX26GSから強化された以外は、基本的に同スペックなのだが、ひとつ決定的に違うポイントがある。それはPCIスロットに標準装備している新型のTVチューナーカードだ。
PC-TX32JのTVチューナーカードは地上アナログ放送&CATV対応のTVチューナーユニットとMPEG-2エンコーダーを組み合わせたもので、ビデオデコーダーは10bitでのA/D変換に対応する。今回の目玉である高い映像品質を実現するカギのひとつがこの10bitデコーダーで、映像のA/D変換におけるダイナミックレンジが広い――つまり映像の輝度などにおける階調(濃淡)をより細かく表現できることから、オリジナルの映像品質を劣化させずにデジタル化できるというわけだ。一般に画面全体が暗い/明るいなど、明るさに偏りのあるシーンでは映像の一部が黒く潰れたり逆に白く飛んでしまいがちだが、PC-TX32JのTVチューナーカードはそうした厳しいシーンでの映像の再現にこそ真価を発揮できるというわけだ。
映像品質に多大な影響を与える“高画質化回路”も万全で、動き適応型3D Y/C分離やゴースト低減、FrameTBCと、主要な機能を搭載。TV番組はもちろんビデオ入力端子からの映像など、あらゆるソースの映像を高い映像品質で視聴・録画可能だ。
また、外せないのが今回から“ダイレクトオーバーレイ”表示をサポートしたこと。従来はTVチューナーカード上のチップでMPEG-2フォーマットにエンコードした映像をソフトウェアでデコードしながら再生・表示していたが、PC-TX32Jでは映像のエンコードを行なう経路とは別にスクリーン表示用の経路を用意することで、デジタル化した映像を直接スクリーンに表示できる。録画時にもデジタル化した映像をダイレクト表示できるので、映像品質面で明らかに有利だ。このようにPC-TX32J付属のTVチューナーカードには、スペックだけでは捉えづらい、さまざまな強化ならびに機能拡張が施され、PC-TX26GSとはまったくの別モノに仕上がっている。
