Feedlyに圧倒的な支持が集まる
7月1日にGoogleリーダーが廃止されるため、どのRSSリーダーに移行するのか検討中のGoogleリーダーユーザは多いだろう。既に新しいリーダーに移行済みのユーザも少なくないはずだ。
そこで、ユーザが「現在利用しているRSSリーダー」をアプリオ編集部が調査した(Google+上でアンケートを実施)。Googleリーダーのみを選択した回答10件を除外した結果が以下のとおり。
Androidユーザが比較的多いと思われるGoogle+上でアンケートを実施したこと、およびGoogleリーダーのみを選択した回答を除外した後の有効回答数が51件であったことを考慮しても、44.8%というFeedlyの支持率がかなり高いことが分かるだろう。ReederとgReaderは、今後FeedlyのAPIを利用する予定であることを加味すると、RSSリーダーシェアにおけるFeedlyの影響力は7割近くに及んでいることになる。
Feedlyに移行すべき8つの理由
数あるRSSリーダーの中で、Feedlyが圧倒的支持を集める理由は何だろうか。その理由に納得できれば、移行先を探しているGoogleリーダーユーザも安心してFeedlyに移行できるだろう。
- デザイン・レイアウトが集中力を高める
- Googleリーダーからの移行の容易さ
- 軽快な動作
- ハート表示と共有機能が便利
- ハードユーザー向け仕様も用意
- 高いカスタマイズ性
- デスクトップブラウザ(Chrome・Firefox・Safari)・iPhone/iPad・Android端末に対応
- FeedlyがRSS太陽系の中心になる
1. デザイン・レイアウトが集中力を高める
世界的に流行しつつあるフラットデザインを採用し、シンプルさを追求している。いったん慣れてしまえば、余計な情報がほとんど無いのでフィードをチェックすることに集中できるだろう。
配色は用意されたテーマの中から選択することができる。白とグレーを基調とし緑が差し色となっているのがデフォルトテーマ。デスクトップ向けには全15テーマ、アプリ向けにはDayテーマ(白ベース)とNightテーマ(黒ベース)の2テーマが用意されている。
デスクトップの場合、各フィードのレイアウトは次の5パターンから選択できる。タイトルのみ表示する「Title Only View」は、Googleリーダーユーザ向けに新しく追加されたGoogleリーダーに似たレイアウトだ。
- Title Only View
- Magazine View
- Timeline
- Cards View
- Full Articles
アプリの場合は、以下の4パターンになる。
- Title Only View
- List View
- Magazine View
- Cards View
2. Googleリーダーからの移行の容易さ
まず、デスクトップブラウザ(ChromeとFirefox、Safari)から利用する場合は拡張機能・アプリをインストールし、iPhone・Android端末から利用する場合はアプリをインストールする。
デスクトップから利用する場合、ユーザーエージェントを判別し、各ブラウザごとに別の拡張機能インストールボタンが表示される気配りが心憎い。
あとは特に説明不要なほど簡単に移行できる。よって移行方法の細かい解説は省略する。
移行後、FeedlyでRSSフィードを確認すると、各RSSフィードだけでなくGoogleリーダーにおけるフォルダ分類も移行されていることが分かる。Googleリーダーでスターを付けた各フィードも、Feedly上の後で読む機能である「Saved For Later」をチェックしたフィードとして反映される。
なお、これまでGoogleリーダーを利用していなかったユーザも、Googleアカウントさえあればすぐに使い始めることができる。
3. 軽快な動作
RSSリーダーを頻繁に利用する場合、特に重要になってくるのが動作の軽快さだ。
その点、Feedlyは非常に軽い。デスクトップでもスマホでもサクサク記事を閲覧することができる。
4. ハート表示と共有機能が便利
ハート表示
Googleリーダーから移行してFeedlyを使い始めると、見慣れないハートマークと数値の存在に気がつくだろう。
このハートと共に表示される数値は、FacebookとGoogle+における評価数を表しているようだ(マウスオーバーした際に「#likes on Facebook and Google+」表示される)。もっとも、筆者の調べた限りでは、単純にFacebookのいいね!数とGoogle+の+1数の合計ではない。Save数なども評価されているのかもしれない。
このハートの存在によって、ソーシャルメディアで人気の記事をひと目で判別できる。大量のフィードを購読しているユーザにとっては消化効率を高めてくれる指標として一定の価値があるだろう。
また、ハートは各カテゴリ・各サイトごとに記事を人気順に並び替えて提供する機能も有する。
共有機能
もちろん、共有機能も豊富に提供されている。
- Google+
- Buffer
- Evernote
- Instapaper
- Del.icio.us
- Bit.ly
5. ハードユーザー向け仕様も用意
Mini Toolbar
Feedlyは、デスクトップブラウザでWebサイトを閲覧している際にも共有機能とあとで読む機能、フィード追加機能を常に提供し続けてくれる。Mini Toolbarのアイコンがブラウザ右下に表示されるためだ。
デフォルトではMini Toolbarのアイコンは表示された状態となるが、もちろん非表示にすることもできる。
キーボードショートカット
キーボードショートカットが32種類用意されているのも心強い。マウスを使わずに、日々のフィードを効率よく処理していくことができる。
6. 高いカスタマイズ性
デスクトップブラウザからだと、以下の項目についてカスタマイズできる(スマホアプリでは20以上のカスタマイズ項目が存在する)。
項目ごとに解説すると膨大な量になってしまうため、改めて別の記事で解説する予定だ。
7. デスクトップブラウザ(Chrome・Firefox・Safari)・iPhone/iPad・Android端末に対応
初めに説明した通り、Feedlyは、デスクトップブラウザではGoogle Chrome・Firefox・Safariの拡張機能として、iPhone/iPad・Android端末ではアプリとして利用することができる。RSSリーダーを活用するユーザ層のほとんどが利用可能だろう。
キーボードショートカットが使える点ではデスクトップ版が便利だし、既読・未読管理やSave For Later機能、ページ遷移などはアプリならではの使い勝手の良さがある。端末ごとにユーザ体験の最適化を図っているため、快適に情報に集中することができる。
なお、FeedlyはGoogleリーダーを完全に代替することを目標としているため、GoogleリーダーのAPIを利用するRSSリーダークライアントではFeedlyのAPIを利用できるようになる可能性が高い。いつかWindows8向けアプリもリリースされるのだろうか。
8. FeedlyがRSS太陽系の中心になる
Googleリーダー廃止発表後、Feedlyは有力RSSリーダークライアントと共同してノルマンディー・プロジェクトを立ちあげた。6月4日には、その成果としてReederなどRSSリーダーの有力5クライアントによるFeedlyのAPIの利用が発表されている。
つまり、ノルマンディー・プロジェクトが進行することで、Feedlyに次ぐ人気を誇っているRSSリーダー群を惑星としたFeedly太陽系が形成されることになるのだ。そして、他RSSリーダーがFeedly太陽系を上回る影響力を獲得することは厳しいだろう。本記事最初のアンケート結果や、ここ数ヶ月のWeb上の動向を観測した結果などから、筆者はFeedly太陽系がRSS銀河の最大勢力になることはほぼ間違いないと見ている。
Googleリーダーの後継としての地位を確かなものにしつつあるFeedlyは、今後各種Webサービスが連携するRSSリーダーの第一候補となるだろう。例えば、複数のWebサービス同士を連携させるサービス「IFTTT」を使って、Feedlyと各種Webサービスを連携させることも、そう遠くない未来に実現するのではないだろうか。
Webサービスの世界では、勝ち馬に乗っておけば、ユーザは利益を享受しやすい。消極的理由かもしれないが、それだけでFeedlyを選択する最大の理由になるだろう。
すでにGoogleは、Googleリーダーを黒のツールバーから削除している。もちろん、ChromeウェブストアでGoogleリーダーアプリを見つけることもできない。2013年6月中はGoogleリーダーを利用し続けることはおそらく可能だろうが、もはや移行を先延ばしにする意味はない。
Feedlyのフォローボタンの存在
また、Feedlyは既にWebサイト運営者向けにFollowボタンを提供しているため、RSSの世界がFeedlyを中心に回るようになれば今後各Webサイトで頻繁にFeedlyのFollowボタンを見かけることになるだろう。
Feedlyに弱点はあるのか?
今のところ、表示言語として日本語を選択できないことが弱点だ。
もっとも、カスタマイズ以外の場面で言語が壁になることはほとんど無いだろう。英語に苦手意識がある人も、あまり気にすることなくFeedlyを利用できるはずだ。