「Duolingo」は、米国の名門工科大学の一つであるカーネギーメロン大のLuis von Ahn教授らにより開発された外国語学習のクラウドサービス。ゲーム感覚で進められ、潜在的な学びたい欲求を刺激してくれるアプリです。
複数端末で同期して学習を進められる
完全無料のアプリですが、まずはアカウントを作成する必要があります。アカウントに紐づいてiOS/Androidアプリ、PCブラウザからDuolingoが利用可能となるので、マルチデバイスで並行して学習を進めることができます。
Duolingoはかつて英語がベースとなっていましたが、現在は日本語表記対応となりました。英語はもちろんのこと、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語など計21カ国の言語を学べるほか、逆に各言語から英語を学ぶこともできます。
英語に限らず興味のある外国語があれば、まずは基本の初級者コースからチャレンジしてみても面白いかもしれません。
ゲーム的な要素を学習に盛り込む
UIは洗練されており、直感的にどのように進めていくかはすぐ理解できるでしょう。ここでは、英語の学習を例にDuolingoの仕組みやレッスンの流れをみていきます。
Duolingoでは、習熟度に応じてステージが分かれており、下のステージをクリアすると次のステージに進めるようになっています。ただし上級者は、飛び級テストに合格すると下位レッスンを飛ばすことができます。
ステージ(レッスン)をこなすごとに、Skillポイントやレッスン中に間違えられる数であるハートポイントが貯まっていくなど、ゲーム的な要素が随所に取り入れられています。
出題形式がとても多彩、意見も投稿できる
さてレッスンでは、1問ずつ順番に短いクイズ風の問題が出題されます。
いわゆる英作文や和訳文はもちろん、ビジュアルを使って単語をインプットさせるものから、選択式の文章組み立て、音声を聞いての書き取り、発音練習まで、様々な形式で総合的に学習を進められる構成となっています。
正解した場合は「正解」、間違えた場合は正答が表示されます。
また、その問題についての意見を投稿する機能も備えています。
反復的な出題で頭に刷り込まれる
一定数の問題で不正解となると、ハートポイントがなくなってレッスンを続けられなくなってしまいます。レッスンの続行にはハートポイントを回復させる必要があります。
ハートポイントの回復には、レッスンを中止してしばらく待つ、あるいはジェム(600円~2400円)と呼ばれるアプリ内のアイテムを必要な数だけ購入する、という2つの方法があります。また、上級コースに早く進むための飛び級テストで一定数不正解になると、泣いているフクロウが登場し、飛ばした分のスキルテストは未受験の状態に戻ってしまいます。
ただ注意深く進めれば、それほどつまづくことはないでしょう。というのも、一つのレッスン内で似た課題に繰り返し取り組むため、最初のほうで学んだ内容を忘れないように努めれば何とかなるからです。形をかえて何度も質問されることで、自然と頭に学習内容が刷り込まれていく感覚といえます。
レッスンをクリアすると、また次のレッスンへ進めます。現在形、比較級、過去完了形など、レッスンをクリアするごとに、自分が身に付けたスキルの内容が明確に示される点も学習の励みになります。
無料なのに大学の講義よりも効果的
このようにDuolingoは、学習レベルを可視化して達成感を喚起し、フィードバックやより難しい問題への挑戦などの仕組みをゲームに近い形で導入。ユーザーの「もっと知りたい」という潜在的欲求を巧みに刺激してくれます。
実際に、Duolingoで(スペイン語を)学習したほうが大学の講義よりも効果的であるという研究結果も報告されており、エビデンスも整ってきています。
今までなかなか外国語の勉強が続かなかったという人も、通勤などの時間にサクッとできるDuolingoを試してみてはいかがでしょうか。