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はてなキーワード: 貴種流離譚とは

2024-10-08

anond:20241008171340

日本貴種流離譚には、お上が悪いというパターンはない。

なろうにもない。

2024-10-07

貴種流離譚ってガリアンとかもそうだよな

舞-HiMEかなんかもそうだったような

って、なぜかみんなサンライズアニメだった…😟

anond:20241007182849

貴種流離譚って言葉概念知ったの、大塚英志著作からだったけど、その折口信夫って学者大元ネタだったのか

初めて認識したわ、ありがと

2023-10-26

宮崎作品評価ってほぼ演出で決まってるけど、ストーリーはよくないなって思ってる

感想から別に反論とかもいらんのかなと思ったんだけど、ていうか反論ある?とかクソダサって感じだけどなんかブコメいっぱいもらえそうだし!

https://anond.hatelabo.jp/20231024235209

ちな俺、Y世代かいうやつらしい。そうなの!?

宮崎映画は人並み程度には見てきたけど、あらためて自分なりに評価するとどうかなってのを書いてみる。

熱心なファンじゃないので見たことないやつも結構あるし、千と千尋以降はnot for meなのであくまでも増田の一意見としてみてくれるといいんじゃないカナ!

ちなみに増田が好きなジブリ作品は『海がきこえる』だヨ!

反論別にいらんけど、いろんな短評が出てきたら面白いから読みたいカナ!

ナウシカ

ストーリーちゃんとあるんだけど、全体的にシリアスすぎる。シリアスな中の静・動でストーリーが進んでいくので子供の頃は静のところで飽きた。そしてストーリーが全体的に難しい。大人にはよい映画だと思うが子供向けではないな。ちなみにストーリーは独創的だし十分名作だと思います

特筆すべきはどこで停止しても構図が完璧なところ。あれはまじですごいと思う。宮崎駿はレイアウト天才らしいけど、ナウシカが一番絵作りという意味では自由だしうまかったのでは。ふるさはあるが音楽は悪くない

ラピュタ

ストーリー貴種流離譚系譜にあり、演出も悪くない。ナウシカに比べれば静・動の静のところがかなり明るい・コミカルになっているので冒険活劇としてかなり良くなっていると思う。静かつシリアスな場面はやはり子供に飽きられると思うが(暗いし)ナウシカに比べると全年齢向けになったのでは。あとラピュタは背景画がほんとうにいいよね。レイアウトちょっとどうしたレベルでよいし、音楽もいい

魔女宅

原作があるのでストーリーがかなりちゃんとまとまってる。主人公の成長譚として堅実な作りかと。ただストーリー全体でみるとキキがしんどい状況に置かれてる時間が長めな感じがする(ただしシリアスなところをコミカル演出したりして緩和している)のと、キキというキャラクター造形が現代人の価値観とは相容れないので、現代で見るとちょっと厳しいものがあるかもしれない。背景画・レイアウトともにすばらしく、宮崎駿の全盛期はここでは、という感じ。音楽もよかった

紅の豚

ストーリーは惚れた女を取り合って喧嘩するというだけ。あってないようなものだけど、とにかく飛んでればかっこいい、危機がおとずれれば手に汗握るって感じで頭空っぽにして見られる娯楽映画の傑作。飛行機の機内上映用だったって話だけど、たしかに機内って結構忙しい(食いたくない飯出されたり飲みたくない飲み物出されたり電気消されたりつけられたり)ので、映画館で見るより集中力ない感じで見ることを考えて作られたのか?というかんじ。絵もきれいだし絵の中のものの動きに重さがあるので多分アニメーションとしてもすごく良い。音楽も好き。

トトロ

ストーリーは二部制で一部が異郷訪問譚、二部がお母さんも妹もいなくなっちゃったどうしようからの全解決という構成になっているが、なんとなく予定してそうなったのではなく行き当たりばったりでたまたまうまく行った感がある(配分が良くない)。これくらいかストーリーの刈り込みをちゃんとやらなくなったのでは。

キャラクター造形はキャッチーで良いと思うし、メイちゃんキャラ作りは新鮮でよかったのでは。一部はあくまでもコミカル、二部はシリアスが多めなので、ちょっと温度差で風邪ひきそうだが、一部で味方につけた小さな友達はがんばえーって応援してくれそう。背景画はほんとうにすばらしい。音楽良いよね

耳すま

原作があるとはいえ前半はオーソドックス恋愛もの、後半両思いになってから主人公の成長譚に分断されており、ストーリーバランスは良くない。あと前半で地道に積み重ねてきた日常演出が後半になってバロン破壊し尽くすのがいただけない。

もののけ姫

ストーリー貴種流離譚と父殺しのかけあわせで前半はきちんと進行しているが、後半のたたみ方が雑なせいでテーマ露出しすぎてる。演出のちからでなんとか一つの話としてまとまった、という感じ。背景画は言うまでもなくすばらしいし、冒頭のタタリ神との戦いも非常に良いのだが、後半になると画が窮屈に感じられたりレイアウトちょっと?と思えたりする。宮崎駿の衰えを感じる。音楽にすごみがある。

千と千尋

ストーリーとしては異郷訪問譚+主人公の成長譚なのだが、演出にあまり時間をかけすぎ、ストーリーおざなりになっているため非常にバランスが悪い。割と取ってつけたエピソードも多いし、思いついたエピソード適当に配置して、なんとか繋げた、みたいな映画レイアウト力が明らかに落ちている。

ハウル

ストーリーより演出を優先した映画なのでストーリーの刈り込みがきちんと行われず、結果よくわからん映画になってしまっている。現代映画情報多気味のほうが好まれるのでそれに合わせようとしたのかもしれないが、完全に失敗している。レイアウトちょっとなぁ…となる

ポニョ

ストーリーがとても単純になり、ぽにょそーすけすきーだけになった。ストーリーに合わせて絵も簡略化されたが、簡略化されたことによりたっぷりとした演出違和感がなくなり逆にバランスが良くなった。嫌いではないがもう少し推敲しても良かったのではとも思う

以降は見てません。

あと全体的に気になるのが、作画の都合上とはいえ簡素すぎん…?基本無地の貫頭衣かな?みたいな衣装かつ色がダサいナウシカの頃はまだ細かくデザインされてたが、ラピュタ以降は紅の豚以外基本貫頭衣かそれに類似する簡素衣服イメージがある。コクリコとか風立ちぬは柄ものも着てるっぽいけど…

ジブリモノローグを入れないので、某刃映画みたいに敵倒すまで何キロ走んねん!みたいなことにはならないが、そのせいでアニメしか見てない層にはわかりにくいと思われそう(一般的映画比較すると違和感ない)。たぶんストーリーを考えるのが苦手なんだと思うけど、千と千尋以後はストーリーから逃げて細かな演出固執(むしろ演出メイン)していて、映画としての質は下がっているのでは(アニメーションとしての質は上がっているかもしれないがアニメ評論家ではないので知らん)。

2023-10-24

若者向け』と銘打った割にそれほど若者向けではなかった水星魔女

 

anond:20231010034423

いい加減いつまでこの話を続けるんだ?と言われてしまいそうだが、

このツリー感想を読んでいて思ったことを性懲りもなく付け加えてみることにする。

水星魔女若者向けを目指したと言われているが、あまり若者向けの作りになっていないのではないか?という話だ。

リー内に共感できる感想が多かったので、引用が多くなることを許してもらいたい。

 

 

から受けたモラハラ行為子供が許容して終わった

水星魔女を見たが非常に不満が大きかった】

この投稿の「スレッタが酷いことを言われても耐えるキャラのまま終わった」、

水星魔女毒親経済格差をバズネタとして使った】

この投稿の「スレッタとグエルの毒親受容」「ウテナ要素の中途半端サンプリング」に同感である

 

特に決闘による花嫁争奪戦という現代価値観では人権侵害しかない制度否定せずに終わったのはいただけない。

スレッタとミオリネがお互いの意思で一緒にいようとする・グエルが自分意思でミオリネをスレッタに譲るという展開では駄目だったのだろうか?

そもそも何故そんな制度がまかり通っているのかということにも、制度に反対していたのがミオリネ一人だけという異常な状況にも、詳しい背景の説明がない。

正直なところ、本編の描写だけではべネリットグループやレンブラン家が政略結婚必要とするほど切羽詰まっているようには見えなかった。

ミオリネだけではなくスレッタやグエルも当事者なのだからデリングに制度のことを問いただすシーンがあっても良かったし、

最初デリングに反抗的だったミオリネも制度は父なりに娘を思ってのことだったと納得してしまったように見え、非常に残念だった。

 

 

子供ばかりが罪を背負い、大人が罪を償っていない

水星魔女を見たが非常に不満が大きかった】

この投稿の「格差描写無意味作品としての倫理観が粗末だった」、

水星魔女毒親経済格差をバズネタとして使った】

この投稿の「生まれが貧しいほうが泣き寝入り」に同感だ。

 

中でも子供ばかりが罪を負い、大人は罪を償ったはっきりした描写がなかったことが引っかかる。

オリジナルエラン自分影武者として作られたエラン4号や5号ら強化人士たちの扱いをどう思っていたのか?

ラウダが学生たちの乗った宇宙船攻撃し、グエルを殺害しかたことはどう処理されたのか?という点も確かに気になるのだが)

デリングはテロ事件で一時昏睡状態に陥り、プロスぺラも体が不自由になり、一応痛い目に遭っていると言えるかもしれない。

それに比べてペイル社の4人のCEOたちは、財産は失ったらしいもののなぜか私服ティータイムを過ごしているシーンで終わった。

この4人にネタ人気が出たせいなのか分からないが、非道人体実験を行い(少なくとも)4号を殺害した罪を曖昧にしてはいけないだろう。

 

 

血統による差別助長する内容だった

御曹司のグエルがやたら視聴者に持ち上げられる脚本になっていて

(それこそスレッタが落ち込んで行動不能になるのを繰り返していた2期中盤などは、グエルこそが真の主人公だ!貴種流離譚だ!なんて言われていた)、

戦災孤児から実力で成り上がったシャディクや、愛人の子母親に捨てられたラウダなど、

弱者性を持つキャラクターが視聴者ヘイトタンク化したのも本当に希望がないなと思う。

シャディクの掘り下げがなかったことで、「イスラエル可哀想パレスチナ人死ね!」の目線だけで終わった感があるんだよな水星世界観

シャディクが学園の生徒を殺したのは犯罪だが、スペーシアンがアーシアン一方的搾取する構造がなければシャディクは何もしていなかったわけで。

その辺りの掘り下げがなさ過ぎて、ただ視聴者ヘイト集めて終わって、水星魔女って何が言いたかった物語なんだ?になってしまってる。

フィクションには、特に子供が見るようなアニメには、「愛人の子なだけあって全部がグエルに劣ってる」といった差別には反論できるように作る義務があると思うんだわ。

しかし本編を見る限り、ラウダを擁護できない。ラウダを擁護している人々は憶測と願望といった本編に無いものが主な根拠になっている。

フィクション意図によってコントロールできるものなのだから現実差別不利益に晒されがちな非嫡出子の扱いはもっと考えて欲しかった。

愛人の子からジェターク姓でなくニール姓を名乗らされ、23話で「ラウダ・ジェタークが!」と叫んだのに、

客観的には「状況が分かっていない人による迷惑な横やり戦闘」でしかなく、3年後でも当たり前みたいにニール姓のままだったのは酷い話だよ。

兄は正妻の子なのにスレッタに振られ、弟は愛人の子だけどペトラに好かれているようだという点以外、一切の救いがない。本当に酷い。

 

こういった意見にとても共感する。

 

ある程度年齢の行った視聴者なら、「紛争地帯出身孤児スペーシアンとアーシアンハーフであるシャディク」

正妻の子・グエルと同い年の異母弟で愛人の子であるラウダ」という設定を聞いた時点で

シャディクやラウダがどんな目に遭ってきたのか、これまでの知識経験から何となく想像できる人が多いのではないかと思う。

シャディクは「アカデミー」に入るまでは貧困生活に加えて危険と隣り合わせの毎日だったかもしれないし、

ラウダはジェターク家に引き取られてからも「愛人の子」という本人には責任のない中傷に苦しんだかもしれない。

こう考えればシャディクがテロを起こした理由や、ラウダが神経質で他責的な性格になった理由にもある程度納得が行く。

ただこれらは本編に描かれていない以上想像にすぎないので、「そんな描写はない」と言われてしまえば反論できない。

 

個人的に、兄のグエルと比べて弟のラウダは大した苦労をしていないかのように言われがちなことにも無情を感じる。

ラウダも兄のグエルが行方不明になり、そこへ父親のヴィムが死亡し、10代にして経営が傾いた大企業CEOに担ぎ上げられるという

なかなか壮絶な経験をしているのだが、何せ絵的には地味であり直接的な命の危険はなかったため主に若者共感を得にくかったのだろう。

(恐らくペトラはそんなラウダをそばで見ているうちに助けたくなり、それが恋に発展したのだと思うがこれも描写がないので想像しかない)

寮を追い出されて野外でキャンプをする、家出をして偽名でアルバイト生活をする、事故父親を死なせてしまう、地球テロリストに監禁される、と

視覚にわかやすくバズりやす描写があったグエルの方が同情を集めたのも無理もないのかもしれない。

 

制作側としては「シャディクやラウダの過去を詳しく描くと生々しいのでカットしてしまおう、

描かなくても視聴者何となく想像で補ってくれるだろう」という考えだったのかもしれないが、

果たして若い世代が本当にそれを想像できるのかどうか、もっと熟慮してほしかったところだ。

大人であれば「御曹司で純血スペーシアンで正妻の子であるグエルが視聴者に持ち上げられ、

そうではないシャディクやラウダがグエルと比較されて叩かれる」という状況の倫理的なまずさに気が付いても、

若者であればそれが分からず無邪気にグエルを持ち上げシャディクやラウダを叩くこともあり得る。

(というか、実際ネット上でもこのツリーの中でもそれが起こってしまっている)

 

グエルのような(中略)キャラクターに自己投影して持ち上げて、それに比べて貧困アーシアン鉄砲玉として使い捨てして学生大勢殺したテロリストシャディクや

兄を殺そうとして恋愛に逃げた無能な妾の子ラウダは最低と言うのが視聴者にとって気持ちいいんだから仕方ない。

視聴者気持ちよくなれるようにアニメが作られていて、監督脚本家は良い仕事をしたってことだよ。

例えば15話なんて、グエルはもう他に充分良いシーンをもらっているのだから

それこそシャディクやラウダ、スレッタのフォロー時間を使った方が良かったんではないか

それをしなかったことで、結果的に他のキャラを下げてグエルを持ち上げる構図になってしまっている。

グエルというキャラが悪い訳ではなく、こればかりは脚本監督の配分ミスかと。

結局、御曹司が大好きなバズ層とバズ層に媚びた脚本変更で、上流賛美で終わったアニメでしたね

 

最終的に、こう言われても仕方がない脚本になってしまったと思う。

シャディクやラウダへのヘイトも酷かったが、グエルは人気キャラクターであるのと同時に

主人公であるはずのスレッタを食っている」とアンチも多く、グエル役の声優SNS攻撃される事態にまでなっている。

人気キャラからと言って持ち上げすぎても作品バランスを損なってしまうのだ。

 

本題からはズレるが、特定キャラクターを活躍させすぎるとプラモキャラ商品販売にも支障が出る。

できるだけ多くのキャラクターを魅力的に描いた方がそれだけ多くの種類のプラモキャラ商品が売れることに繋がるはずだが、

シャディクやラウダは本編内の描写だけを見るとさながら「お星様(グエル)の引き立て役B」になってしまっており、

(グエルと比較されることこそあまりないが)やはり悲惨境遇であるエラン4号や5号も目立った活躍や掘り下げが少なかった。

その割にスレッタ・ミオリネ・グエル以外のキャラもそれなりの人気を獲得しているのは、ファン想像キャラ過去長所を補っているからだろう。

からと言って制作側は視聴者想像に頼りすぎず、必要描写アニメ本編内でしっかり描くべきだったと思う。

 

 

まとめ

申し訳ないが、総合すると水星魔女

 

子供大人から受けた酷い仕打ちを許し、大人の分まで罪を被ってくれるという大人に都合のいい形で終わったアニメだった

・「信賞必罰」「勧善懲悪」があやふやであり、血統による差別を推進する、道徳的子供若者にふさわしくないアニメだった

 

と言わざるを得ない。

 

制作側に良心があるなら、今からでも作中の大人の罪やモラハラ行為をきっぱりと否定し、

作中で不遇だったキャラクター(特にシャディクとラウダ)について何かしら擁護できるような情報を出してほしい。

そして次回こそは上記のようなことに気を配った、一本筋の通ったアニメ制作してほしいもである

 

2023-10-10

水星魔女ヘイトタンクの作り方が悪質だった

御曹司のグエルがやたら視聴者に持ち上げられる脚本になっていて

(それこそスレッタが落ち込んで行動不能になるのを繰り返していた2期中盤などは、グエルこそが真の主人公だ!貴種流離譚だ!なんて言われていた)、

戦災孤児から実力で成り上がったシャディクや、愛人の子母親に捨てられたラウダなど、

弱者性を持つキャラクター視聴者ヘイトタンク化したのも本当に希望がないなと思う。

 

シャディ

シャディクが戦災孤児である設定がミオリネのセリフさらっと明かされ、回想がない。地球でどう育ってきたのかや、アカデミーに拾われて実力で勝ち上がってきたことの詳細などは、何も明かされない。

シャディクの思想についての掘り下げが全く行われず、ミオリネに対する恋愛感情描写ばかりがくどいほど繰り返される。視聴者に「ミオリネに振られたかテロリストになった」と動機矮小化される始末。

テロリストにならずサリウスの後継者を狙い続ければ、シャディ個人地位は富裕なスペーシアン相当のままいられる。それを捨ててまでテロリストになる動機描写が浅いまま、グエルのPTSDの原因を作ったり、ソフィとノレア使い捨てて死なせたことで、どれだけ殴っても良いヘイトタンクキャラと化した。大量のヘイト創作が作られた。

シャディクの行動は戦争シェアリングに加担する構造を維持していたサリウスに「愚かな息子よ」とまとめられておしまい。サリウスの思想描写曖昧考察不能憶測を書き散らすしかない状態

 

ラウダ

・グエルの腰巾着。なのに父には逆らえずグエルのプライドを傷つける。

・グエルのスレッタを大切にしたい気持ちは知らないし無視で、スレッタに暴言しかスレッタがシャディクに勝利したばかりの絶好調調子に乗っているときは黙っていて、スレッタが負けて振られて人生どん底状態とき死体蹴り

・父殺しのPTSDで浮かない表情のグエルの変化に気づかず(部外者であるセセリアですら気づいていたのに)、八百長での決闘勝利に泣いて喜ぶ。グエルとの温度差がひどいことに。

パイロットヘルメットを渡す表面的な役割だけを、グエルのMS整備担当のカミルから奪っている。ペトラ自分自身で整備したうえでヘルメットを渡していたのに。表面のラウダと、中身のカミルになっている。

・兄がミオリネにつけ込まれミオリネに縋っていると勘違いして、無関係第三者も巻き込んだ殺人未遂。フェルシーに文字通り火消しさせる。脚本にあったト書きは「しょうもない兄弟喧嘩」だが、客観的にみるとグエルは攻撃していないか喧嘩ではなく一方的殺人未遂なのでは。

母親に捨てられたのをグエルに存在承認されて救われているのに、グエルを殺しそうになる展開。

地球寮を勢いで殺しそうになったのに、殺人未遂の直後に「僕はお前達を許したわけじゃない」と喧嘩を売りに行く。視聴者から「ハァ?」という反応が噴出しただけでなく、ラウダ役声優ですら「殺しかけてどの口が」と思ったとコメント

・グエルは言うまでもなく強制的大人にされたような大幅変化をした。それだけでなく、後輩の小物いじめっこ腰巾着として登場したフェルシーが、元々アーシアン差別をしていたのにアーシアンであるチュチュ共闘する展開や、ペトラスレッタに礼を言いモブを助けようとする展開があった。ラウダは最後まで性格が悪いまま終わった。

 

レアもニカを攻撃したメンヘラバカ女扱いされたり、5号とノレア関係が「理解ある彼くん(笑)」と揶揄されるなどヘイトタンク化してた時期あったし、

社会的弱者キャラ視聴者に袋叩きにされやす構造キャラクター配置・描写になっていた。

そしてペイル社で金儲けのことしか頭にない風見鶏してたCEO無罪放免で、強化人士死んでも平気な上級国民してたケレスさんとやらも味方面して参戦。

フィクションに一番やられたくないことをやられた感じがした。

まれてる人は性格がよく、相対的に恵まれてない人が性格が悪いのは現実に似ているけど、若い人に見せるつもりで作っているアニメならこういう希望を摘む真似はやめてほしかった。

結果的水星魔女アラサー以上しか見ていないようだけど、プロジェクト意図としては10代など若い視聴者新規で取り込みたかった様子。

でも見てて息苦しくなるような嫌なリアリティ希望がなくなる。二次元っぽい性格の悪さではなく、実際にいそうな性格の悪さの「湿度」が本当に見ててしんどかった。

 

https://anond.hatelabo.jp/20231010034423

2023-07-06

「大雑把に正しいこと」 を言うひろゆき中田敦彦みたいな人を信仰しがちな人は、たぶんあんまり数学ができないか数学ができても国語力に応用できてない人なんだと思う。

…前からTogetterコメントに「頭悪いなぁ〜」と思ってたけど、今回はさすがにちょっとブチ切れるレベルで頭悪い。

なに?

田舎者って言われて傷ついたの?

タイトルしか読めない偏差値3なの?

まずさぁ…

貴種流離譚説明がつく」

というコメントスタンスに影響された人が多すぎるんだけど…お前ら、「貴種流離譚」や定義についてちゃんと調べたの?

アレ、

お話形式として、王子様が追放されたり、不遇な幼少期を送ったところから冒険が始まる話が多いよね?」

しか言ってないぞ

こんなの、音楽オタクのマスタベで

ロックって、こんなふうに分類できるよね」

と言って、評論した気になってるのと同じやぞ。

…ごめん、貴種流離譚なんかそれ未満ですわ

主人公身分立場作品を分類するという中身そんなに見てない一番頭の悪い分類じゃん…アレ

ましてや、ぼくはハリポタNARUTOのよく似てるところに、【閉鎖的な狭い社会田舎)で生じる差別描写の多さ】を書いた

ただの貴種流離譚では片付かないほど描写いからね。

ナルトサスケ我愛羅まで差別されて描かれる。

ハリポタは純血じゃないと差別対象で、「汚れた血」の概念も出てくる

色々書こうと思ったし、書こうと思えば書けるけど、無意味からやめよ

なんか、反論したところで理解できない人に読解力ある前提で、丁寧な反論書いても無駄からやめます

議論っていうのはお互いがある程度頭良くて礼節がないと成り立たないことを思い出した。

切り替えよ

「大雑把に正しいこと」

を言うひろゆき中田敦彦みたいな人を信仰しがちな人は、たぶんあんまり数学ができないか数学ができても国語力に応用できてない人なんだと思う。

数学で途中式採点対象なのは、答えだけでなく理解度を問うてること、正しい順番で質問に答えているか?という話なわけで

インターネットの怖いところって

「この問題は、この法則で解ける」

とわかったら、それ以上自分計算したり、確かめたりする人が少なすぎること。

そして、正しい順番で計算することに対して敬意を払える人が少なすぎること。

一般的にそういう人を「頭でっかち」って言うんだけどさ

そもそも数学問題は、

「答え」

重要じゃないんだよ。

答えを出すための法則・組み合わせは1つじゃないことも往々にしてある。

大事なのはその人が使った法則論理矛盾やズレがないかという話。

解くための法則だけで正解になるなら、受験論文査読もいらない。

普段

高等教育なんか全員が受けるほどの価値もねぇ」

と言ってる俺が、「受験教育価値について説明しないとヤバい」と感じる人がインターネット普通にいるのを見てたら

教育しないとわからん人・何度も説明しないとわからん人がいる」

って思い知らされて、塾講師学校教諭に頭が上がらん

2週間前の俺

教育なんてクソなんだから高等教育を全員が受ける必要もないし、大学理系法律会計だけでいい」

今の俺

高校まで勉強したことが、ちゃんとわかってない人がこんなにいるのか…。人類の愚かさを舐めてました。もっと人類教育してください」

高校大学でやることなんか、独学でもできるから参考書だけ全員に渡せばええやん」

と思ってたけど…そもそも論理性も読解力もない人に独学なんて無理なんやね。

ほぼ独学(世界史先生質問したのは2回だけ)で、模試で、世界史偏差値74を取れるぼくみたいな人はマジでレアなんだなぁ…と

似たような話で行くと

Wikipedia(本・説明書)読めば、(たいていのことは)わかるでしょ」

と思ってたけど…そもそもちゃんと読める人」ばっかりじゃないんだなと。

文字は読めるかもしれないけど、理解や応用まで来ないんだなぁ…

としみじみ。

独学できる能力自体が軽度に才能なんだなぁと

俺、人類にすげー高度なことを求めてたんだなぁ…

ごめんね、人類

2023-05-01

anond:20230501192745

その元からポリコレやろ論者だけども、元からご都合主義映画だったやんって言ってるだけやで

ルークなんて最終的に貴種流離譚になってまうのにどの面下げてレイメアリースーとかほざいとんねんと

内容面じゃなくて感情的に嫌いなら最初からそれだけ言ってろよ

2022-09-10

anond:20220910165417

元々高い地位にあった人間落ちこぼれて再び立ち上がる話を

貴種流離譚といって、まあ創作の雛形の定番なんですよ。

そういうの昔から人気があるんです。

2021-12-21

そういえば桃太郎ルーツって結局何者なんだ?

貴種流離譚かと思いきやどんぶらこして動物を買収しただけという

から流れて来たこからすると

2021-06-03

anond:20210603111249

そんなめんどくさい論は不要だよ。

貴種流離譚はむかーしか物語の型として存在して、ドラクエファンタジー風味にするためにそれを適用した。

以上、めでたしめでたし

2021-05-12

anond:20210512141131

貴種流離譚ってやつやろ。なんか「息子がおまえを殺す」みたいな神託を受けて息子を殺そうとするけど息子は生き延びて最後にはやっぱりその息子に自分が殺されるみたいなやつとか。

2021-02-28

anond:20210227172304

異性愛というかそこそこ長さがある物語って血統の話が多くて好きじゃない

途中で主人公自分の生まれを知ってそこから突然貴種流離譚なっちゃうからがっかりする

それに加えて最終回でどんどん男女カップル誕生するし(それまで恋愛感情を深める様子も描かれてないのに男女だからくっつけるのって子供を登場させるor想像させるためだし)続編もの主人公の子供が主人公になるし

2021-02-17

源平→源氏VS平氏という分かりやすい構図。ラスボス格の清盛に対して、一度は敗れた源氏御曹司辺境で力をつけて逆襲するというオーソドックス貴種流離譚。ただし、めぼしいキャラクターが他に義経木曽義仲くらいしかおらず、平教経とかいうよくわからん奴を義経ライバルに据えてしまうくらい平氏側の人材がいない。あとみんな似た名前で覚えづらいのも地味に難点。

南北朝→敵味方が目まぐるしく入れ替わってマジでよくわからん。大きな戦で決着がつくということもなく延々と争い続けている。勝ったら身内で争いはじめる。負けてもゴキブリのように復活する。主人公格のくせに何をしたいのかよくわからない尊氏もさりながら、「優柔不断な後醍醐」像が定着したのもグダグダ感が増している要因かもしれない。後醍醐評価路線でやればワンチャン

戦国時代群雄割拠で各地方ドラマがあり、群像劇としてさまざまな視点から物語ることができる。天下人になったと思われた信長本能寺死ぬという驚きの展開、秀吉の驚異のサクセスストーリー、そして家康権力掌握が関ヶ原という天下分け目の大戦で決まる分かりやすさ。消化試合感のある大坂の陣真田幸村のおかげで最後の盛り上がりを見せた。やっぱ戦国時代っきゃねえよ。

幕末暗殺粛清陰謀歴史が進んでいく陰湿さ。打つ手打つ手裏目幕府。ただのテロリスト集団長州。佐幕の強硬派として長州いじめていたくせにいつのまにか幕府を裏切っている薩摩奥羽越列藩同盟でもうひと盛り上がりあるかと思ったら瓦解して終わる戊辰戦争維新の最大の功労者無駄に戦いを起こして惨めに死ぬ西南戦争。全体的にグダグダで、スカッとした盛り上がりに欠ける。キャラ人気に頼る他なし。

2021-02-06

逃げ上手の若君の許嫁はなぜ不細工だったか

http://blog.livedoor.jp/kudan9-culture/archives/27926645.html

 

ネウロ暗殺教室も読んだことはないが、逃げ上手の若君を見る限り松井優征は書き割り(類型タイプ漫画家だなあという気はする。

書き割りを極端にすると例示されている嫌煙家のようなキャラクタ誕生する。こう書くと書き割りが悪いことのように聞こえるかもしれないが、それはひとつ表現手法であり上下巧拙もない、と思う。

書き割りは類型であるがゆえに読者に「つかませやすい」し、その上にキャラ固有の内面や奥行きを見せることで魅力を上乗せさせることもできる。これだけ創作物が溢れかえっている世の中で新しい作品を読者に読ませることは容易ではない。キャラに限らず世界観や設定も書き割りにすることで「摩擦係数」を減らして脱落する読者を減らそうとするのはひとつ戦略と言っていい(松井優征作品世界観や設定が書き割りだと言っているわけではない。むしろその点がユニーク作家だと思う)。

 

で、こっからが本題なのだが。

主人公の許嫁が明らかに周囲の人物に劣った外見に描かれることで悪し様に表現されていました。権力者結婚して金持ちになってやるという明け透けな逞しさに私はむしろ好感を持ちましたが、作者は違ったようです。しかし、どうせ第1話死ぬならいい人として描いておいて、主人公が見舞われた悲劇を強調してもよさそうなものですが。

これは明確な読み誤りであると思う。

1話で描かれたのは敵によって主人公日常が壊され旅立ちを余儀なくされるという貴種流離譚の第1幕だ。この日常において主人公の周りにいたのはどんな人達だろうか。普通に読んだ人なら父、兄、許嫁がぱっと浮かんだであろう(諏訪頼重キャラクタ類型でいう助言者。ゆえに日常の外から来る)。なぜか。それぞれ違うキャラクタからである

 

父…ボケてるのかな? というぐらいに愚将

兄…将としては平凡だが弟の才能を素直に評価できる優しさの持ち主

許嫁…容姿よろしくないがそのぶん見る目がある。奇貨居くべしなタイプ商家の娘だったら大成した

 

それぞれ数ページからコマしか出番がないが、これらのキャラクタがすとんと入ってくる。そしてそんな「主人公の周囲にいる色々な人が高氏の反乱によって根こそぎ殺された」とつなげることによって主人公の絶体絶命感(と諏訪頼重という一筋の光明)が強調されている。これが父、兄、許嫁が全員「いい人」程度の描かれ方だったらのぺっとして印象に残らず絶体絶命感も出なかったであろう。

この辺は鬼滅あたりと比較すると分かりやすい。

鬼滅も逃げ上手の若君同様、物語類型としては貴種流離譚であり「行って帰ってくる物語である。炭治郎にとっての日常とは家族との慎ましくも温かな暮らしに他ならず、それを失ったことで寒い雪山を往くハメになる。この場合家族は平凡で優しいことが求められる。極めて愚かな人物が混ざっていたり、逞しいタイプがいたりすると印象がそっちに引っ張られて悲惨さや悲しみが強調されない。慎ましやかな生活感もでない。

逆に北条時行が失ったのは鎌倉幕府である。その巨大さを腑落ちさせるためには色んな層の人間必要で、そのためにピックアップされたのがあの3人(父=幕府トップ、兄=家族、許嫁=重臣(の娘だが層としては重臣))ということなのだ。

ちなみに許嫁の容姿よろしくないのは他の二者との差別化もあるだろうが、明け透けに言ってしまえば生き汚さを出すためだろう。あんなに生命力が強そうなタイプがあっさりと死ぬことによって絶体絶命感が強調されている(こう書けば伝わると思って書いているが、もし分からないなら薄幸の美人という言葉を補助線にしてくれ)。

 

作品のあらゆる要素は作家胸三寸なのであり、そのようにしているのには相応の理由がある。好き嫌いを語る分には構わないだろうが正しい正しくないの観点から論じるのであれば作者に寄り添ってそれによって何を描こうとしているのかつぶさに観ることは最低限必要な態度であろう。

2020-06-04

貴種流離譚主人公が言いそうなこと

貴様だけは生かしてはおけない!!

2020-05-25

極秘出産モノが好き

小説映画漫画等での極秘出産モノが好き。

大河SFロマン系でよくある「戦火の中、疎開した(または死んだと思われていた)姫が妊娠しており、逃亡先で極秘に出産した隠し子」みたいなやつ。

主役はそのカップルで、戦禍がおさまって子が小さいうちに無事再会~HappyEnd~だとなおよい。

主人公がそのカップルの従者(侍女)で、極秘出産を助けるため一緒に逃避行するパターンもあるがそれもよい。

子のほうが主役で、大きくなってから実は出生は…と明かされるのもいいんだけど、これは貴種流離譚の一類かなーと思うので

秘された恋、許されざる恋、引き裂かれる恋ドラマ好きの一面かなと思ってたんだけど

最近は拗らせすぎて、原作時間軸のスキマに逢瀬~逃亡~極秘出産を捻じ込んでくる二次創作出会うとめちゃめちゃ嬉しい。

でも単純に二次創作妊娠モノで探すと特殊性エロになるんだよな~~ぜんぜん違うんだよな~~~~

普通小説映画で探すとなると、後半のイベントなことが多くてネタバレになるし、探しづらいなーと思ってたんだけど

二次創作場合「このキャラクターが実は女だったら…系」IFが合わさるとヒット率高いことに気づいて最近ちょっと嬉しいっていう日記

2020-04-27

anond:20200427163355

成り上がりおとぎ話と思われがちでシンデレラストーリーなる単語が生まれシンデレラなんかでも、

家は「王位継承者の嫁探しパーティにその家の娘が揃って招待される」ような、

貴族の中でも上位の家系なんだから

成り上がりではなく「不当に貶められていた高貴な娘の復権」にすぎないんだよね。

貴種流離譚のおもむきすらある。

2019-10-22

「ほんとうはもっと与えられるべきだった」と無根拠に思いこむ人間の恐ろしさ→ネトフェミ

架空映画ネトフェミ』の内容に触れています。また、当然のことながら、あくま個人の感想文にすぎないものです。

この映画主人公であるMはツイッターキズナアイ真空パックAV叩きで細々と承認欲求を満たし、福祉の補助なども受けながら子供の世話をしている中年女性だ。彼女が彼がこのたびの「ネトフェミ」、今まで何バージョンものキャラクター提示されてきた伝説ヴィランの最新バージョンである

彼女が住むのはもちろんツイッターランド。バッドガイのいる、あの町だ。すなわち、中世ジャップランドのように大きな都市でありながら閉塞した田舎のような空気をも漂わせ、オタクたちは精神病院にぶちこまれる(そしてひょいひょい脱出する)、例の町である

のちに「ネトフェミ」になる主役の生活は貧しい。しかし、それほど激しい貧困状態ではない。ありふれた、なんなら「ちょっとした貧しさ」にすぎない。これはとても大切なことから、先に述べておきたい。『ネトフェミ』は理不尽男女差別に苦しむ女性が蜂起する映画ではない。映画の前半では、Mの貧しさ、Mの病気、Mの不運が描かれる。そしてそれらはすべて「ありふれている」。

たとえば、Mの子供は保育園に落ちる。だから彼女増田日本死ねと叫んで人々から不気味がられる。だから彼女カードを持っている。男だったら垢BAN必死発言でも「トーンポリシング」のカードを渡すことで批判封殺できる、ラミネート加工したカードを。「女性が汚い言葉を使うのは表現の自由です」そう、これはいい手だ。M、適応しているじゃないか、と観客である私は思った。世の中には不随意twitterで男の金玉をつぶそうとつぶやいてしま病気があるし、言動尋常でなくなる病気もあるが、それらのためにtwitter自粛しろというのは無茶苦茶な話で、それらを抱えてtwitterで男に向かって暴言を吐き続けるのは当然の権利だ。不随意発言や、尋常でない外見を不気味がるのは無知によるものである。不気味がるほうが悪い。私も若い時分に脳器質の病気ネトフェミになり、自分でも「こりゃあすげえな」と思ったが、しかし一方でこうも思った。「とはいえ、これくらいの怪物性を帯びたネトフェミは、ありふれてもいるけどね」。

たとえば、Mの生活はつましい。お金の余裕はぜんぜんなさそうであるそもそもツイッターランドでは、成人してだいぶ経つ女性が親と住んでいる段階で「お金ないんだな」感が出る。しか彼女は文筆家としてもまったく売れていない。映画評論ピエロ仕事もたくさんもらっているようには思われない。心の貧しい人である

しかしそれは「(文筆家)という夢を追う女性」としては標準的といってもよい貧しさだと私は思う。カネの入りにくい職業をめざしているのなら、副業や何かで収入サポートするのは当然のことだ。ピエロ仕事だけでは食えないなんて当たり前のことであるピエロのない日に別のパートタイムジョブを持つか、さもなくばフルタイムで別の仕事をして土日にコメディ舞台に立ったらいい。そんな人はジャップランドにはたくさんいる。

 さあ、おわかりいただけただろうか。Mは貧しく不運だからネトフェミになったのではない。貧しく不運な人はこの映画の中にも彼の他にいくらでも出てくる。ではなぜMが、Mだけがネトフェミになったのか。

 「自分にはもっとすばらしいものが与えられるべきだったのに、そうではなかったから、自分が与えられるべきだったはずのものをもらっているやつらを燃やす

 これがMをしてネトフェミに変身せしめた動機である。「すばらしいものを与えられるはずだった」というそ思い込みに、根拠はない。ないが、なぜかそう思い込んでいる人はこの世にいる。たぶん一定数いる。

彼女らは「自分にはもっともっとすばらしいものが与えられるはずだったのに」という激しい飢えを抱え、たとえばインターネット文章を書いているぜんぜん知らない人(私とか)に突然その怒りをぶつける。「おまえなんかが賞賛されていいはずがない」と。私は最初、その怒りの意味がまったくわからなかったのだけれど、何人かと遭遇して理解した。彼らはこう言っていたのだ。「おまえなんかが賞賛されていいはずがない、それは本来おれ(わたし)に向けられるべき賞賛だ」。

ネトフェミ金持ち父親の夢を見る。Mは映画の中でずっと、手を変え品を変え金持ち父親の夢を見ている。貴種流離譚的な夢だ。お金持ちの、人格者の、有名人の、素晴らしい男が、私を迎えに来る。そういう夢である。Mははじめから、いわゆる「信頼できない語り手」だが、それは彼女性格からして当然というか、「Mは金持ち父親からまれテレビ賞賛されるのが自分本来の姿だと思っていた」という、それだけのことである。そう、Mは自分王女さまだと思っているのだ。王女さまのはずなのに王さまのパパがいないから気も狂わんばかりにそれを求めつづけているのだ。

 昔話の王子さまは冒険の旅に出るが、Mはその点、昔話のお姫さま的に動かない。簡単に言うと、すてきなパパの夢を見ながら、「金持ちの男が自分に恋をする」とも思っている。だからといって具体的に男を口説くことはしない。まるで王子さまを待つ白雪姫であるグリム童話白雪姫家出して七人のこびとと仲良くなって家事などしていたからMよりぜんぜんマシだ。Mは家出もしない。りんご食って寝てるだけの白雪姫、完全無欠の受動である

狂を発して「M」からネトフェミ」になるときでさえ、彼女は「与えられる」側でなければ気が済まないのだ。りんご食って寝てるんだ。永遠に家出をしない白雪姫なんだ。

さあ、おわかりいただけだたろうか。Mの怪物性がいかなるものであるかを。Mはなぜネトフェミになったか。Mは貧しかたかネトフェミになったのではない。Mは不運だったかネトフェミになったのではない。Mは「自分大金持ちの有名人の子に生まれテレビスポットライトを浴びて子どもたちに大人気のコメディスターであるはずなのに、そうじゃなかった」からネトフェミになったのだ。Mは、自分無限賞賛を浴びて当然の人物だと(無根拠に!)思い上がっていたから、ネトフェミになったのだ。

 私にはそういう映画しか思われなかった。だから本作を観たあと、映画通の友人に「怖いね」と言った。「Mみたいな人、増えてるもんね、なんかこう、無限賞賛を求める系の人。主演がMを魅力的に演じすぎていて、まるで時代ヒーローみたいに見えて、よろしくないよ、あの映画はだから、私は支持できないよ」。

2019-06-17

anond:20190607232857

世代が登場する漫画なんかは多いと思うけど。貴種流離譚が好まれるせいで。

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