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はてなキーワード: 招聘とは

2025-10-26

フリック入力発明」とは何を発明したことを指すのか?

ダイヤモンドの↓の記事が盛りすぎでブクマカが釣られまくっているので、ちょっと落ち着けという意味で少し解説する

フリック入力発明して「人生100回分」稼いだ日本人AppleじゃなくてMicrosoft特許を売却したワケ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/diamond.jp/articles/-/374568


普通の人が「フリック入力発明」というフレーズを見たら、どっちを想像する?

1. 上下左右方向のフリック操作文字入力する手法を考案した

2. 1を改良し、入力効率を向上させる工夫を考案した

普通は1を想像するよね。でも、上の記事の「発明」は2の意味。8割くらいのブクマカはここを勘違いしてコメントしてるように見える

同じ発明家氏の記事でも3ヶ月前の東洋経済のほうは、「フリック入力発明」という釣りフレーズこそ使っているものの本文を良く読めば発明キモの部分が2であり1では特許を取れなかったことがそれなりに分かるように書いてある

フリック入力」を発明Microsoftに売却した彼の"逆転"人生。元・売れないミュージシャンフリーター家賃3万のボロアパートでひらめく

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/toyokeizai.net/articles/-/889631

もちろん2の意味発明もスゴイし重要なんだけど、釣りは良くないよね

解説

そもそも世の中のほとんどの技術は様々な発明アイデア集合体である歴史の積み重ねであり、最終形がいきなり湧いて出るわけではない。もちろん「フリック入力」にも歴史の積み重ねがある。それを少し紐解いてみよう(なお、下記の「年」は引用可能特許論文が出た時期であり、実際にはそれよりもっと前にソフトウェアリリースされていたりアイデアメーリングリスト投稿されていたりすることもある)

[追記]※増田仕様ひとつ記事に貼れるリンク数に制限があるため一部URLのhを抜いている点、不便ですがご了承ください[/追記]

pie menu (1988年)

ttps://dl.acm.org/doi/10.1145/57167.57182 (論文)

放射状に選択肢を並べるUIアイデア1960年代から見られるが、接地点からの移動方向情報を用いた入力手法の祖としてはとりあえずこれを挙げることができるだろう。これは文字入力に特化したものではなく、一般的メニュー選択のための手法である

T-cube (1994年)

ttps://dl.acm.org/doi/10.1145/191666.191761 (論文)

pie menuを文字入力に応用したもの論文の著者はAppleの人。英語用。広義の『「フリック入力」の元祖』に最も該当するのは、おそらくこれだろう

かなT-cube (1997年)

ttps://rvm.jp/ptt/arc/227/227.html

ttp://www.pitecan.com/presentations/KtaiSympo2004/page65.html

T-cube日本語に応用したもの。広義の『日本語版「フリック入力」の元祖』の候補

Hanabi (1998年)

https://web.archive.org/web/20080925035238/http://www.j-tokkyo.com/2000/G06F/JP2000-112636.shtml (特許)

https://newtonjapan.com/hanabi/

Apple Newton (PDA)用に実装された文字入力UI。「中央が『あ』、上下左右方向が『いうえお』」に対応する見慣れた形のフリック入力がここで登場する。『現在よく見る形の日本語版「フリック入力」の元祖である。なお、開発者特許申請したもの審査請求しておらず、特許としては成立していない

00年代前半ごろ

この頃、Human-Computer Interaction分野でT-cubeHanabiの発展としての文字入力手法研究が活発になり、特に国内学会で多くの手法が発表された。情報系の学生卒論修論テーマとして手頃だったからだろう。PDA製品実装されて広まった例もあり、SHARP Zaurus用のHandSKKや、少し時代が下ってATOKフラワータッチ等もこの系譜である

なお、この頃までの技術は指での入力ではなくペンスタイラス)による入力を想定したものが主であるiPhoneの登場以前はキーボードレスモバイル端末といえばPDAタブレットPCなどスタイラス入力を前提としたデバイスが主流だった)

iPhone日本上陸 (2008年7月)

スマートフォン上の「フリック入力」の元祖』であり『予測変換機能を備えた「フリック入力」の元祖である日本語フリック入力効率を考える上で予測変換の占めるウェイトは大きく、「実用的なフリック入力」を実現するには予測変換との組み合わせは外せない。2006年Apple招聘されてiPhoneフリック入力機能を開発した増井俊之氏は元々予測変換のPOBox1998年 - ttps://dl.acm.org/doi/10.1145/274644.274690 )の開発者として知られる研究者であり、Appleへの招聘もその経験を買われてのものだろう。入力フリック操作を用いること自体特筆すべきものではなく、当時の流行を考えれば自然選択だったと思われる

なお、前述のHanabi開発者氏がiPhoneフリック入力を見て

これってボクが10年前にNewton用に作った入力方式Hanabi」じゃないですか(驚き)

ttps://newtonjapan.com/blogO/?p=232

と言っている一方、増井氏はHanabiに対して

知らんがな

ttps://scrapbox.io/UIPedia/Hanabi

と言っている。この分野の研究をしていて知らんことあるか?とも思うが、電話テンキーの上に五十音かなのフリック入力実装すると誰が作っても概ねHanabiのような外観になると思われるので、本当に知らなかったとしても齟齬はない

発明ミュージシャン小川コータ氏の発明 (出願: 2008年1月登録: 2011年3月)

ttps://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2008-282380/11/ja (特許)

『画面表示は絶対座標+移動判定は相対座標で行うことで「フリック入力」の入力効率を向上させる手法特許である(詳しい仕組みは上記東洋経済記事に書いてある)。ペン先と比べて指先は太いため指によるタッチでは厳密な操作が難しく(fat finger問題)、「実用的なフリック入力」を実現するにはこのような工夫も必須になる。小川氏の凄いところは、スマホ日本語UIリリースするならどのメーカーも必ず実装するであろうこの工夫を、日本iPhoneリリース直前、Apple社としては引き返せないであろうタイミング特許申請したところだ。機を見るに敏すぎる。特許庁に2回も拒絶された特許を不服審判で認めさせているところも本人が弁理士からこそできる強さだと思われる

なお、氏の記事を読むと「フリック入力自体を氏が考案したように思えてしまうが、ここまでに述べた通りそれは誤りである。「フリック入力に関連する重要特許公報に『発明者』として掲載されている」ことは疑いない事実なので「フリック入力発明者」と称するのはギリギリ誤りではないと言えないこともないが、「フリック入力発明した」はやはりダメだろう。上述の通りフリック入力自体90年代に既に登場しており00年代の前半にはタッチスクリーン上のかな入力手法一角を占めるに至っていたので、iPhone実装されたことは不思議でもなんでもなく、

しかしたら、僕がプレゼンした相手が、自分発明たかのように社内プレゼンしたのかもしれません。そこは闇の中です。

このあたりは荒唐無稽邪推すぎて、ソフトバンクから名誉棄損で訴えられたら危ないのでは(そもそもiPhoneフリック入力を開発したのはAppleであってソフトバンクではない)

まとめると、さすがに小川氏の記事はモリモリに盛りすぎである書籍宣伝にしても酷すぎる。価値の高い特許を取った発明であることは事実なのに、なぜこういう胡散臭いムーブをしてしまうのか

ここまでの事実をふまえて、Wikipediaの「フリック入力」の項

2023年6月までは妥当説明だったのに

1998年Apple Newton用に開発された日本語入力システムHanabi」が草分けで、2008年iPhone採用されたことで、急速に広まった。従来の「あ段→い段→う段→え段→お段」とキーのプッシュを繰り返して表示・入力する方式トグル入力)に比べ、素早い入力可能になる。その入力効率の高さから2010年頃にはキーボード離れが加速している[1]。

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E5%85%A5%E5%8A%9B&oldid=95808357


同年11月の編集唐突に不自然小川推しに改変されている

1998年Apple Newton用に開発された日本語入力システムHanabi」[2]が草分けで、2008年iPhone採用されたことで、急速に広まった。日本におけるフリック入力は、発明家でシンガーソングライター小川コータiPhone上陸以前に考案し2007年から2015年にかけて特許出願した[3]ものであり、取得した権利マイクロソフト譲渡された[4]。

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E5%85%A5%E5%8A%9B&oldid=97947525


ただ、これはおそらく関係者自作自演等というわけではなく、日本におけるフリック入力関連特許小川のものばかりであることからボランティア編集者が勘違いしてこのような記述にしてしまったのではないかフリック入力は前述のように地道な技術差分の積み重ねなので、個々の差分開発者が「特許」を取ろうという気にならないのは良く分かる。その点でも、自ら弁理士として特許を量産した小川氏の強さが際立っている(が、やはり盛りすぎは良くないと思う)

2025-10-06

ロボタクシーって

そもそもなんだけど、今日本で外貨を稼いでる業界ってのが、一位が自動車、二位が半導体製造装置三位観光なんだわ。

で、一位と二位はこの先どう考えても中国に猛追されて不安

観光立国?それも不安だけど、とにかく、現実を見れば自動車以外みんな落ち目

それもこれも、

バブル崩壊?知るか!日本貿易黒字は許さん!輸出を増やさず内需拡大で乗り切れや!」

ってアメリカ様の意向内需の国になったせいなんだけど、内需って国内で売って買ってだからさ、最終消費者のこれからのメインターゲットが年寄りなわけ。

人手不足からロボタクシーとか現実あると思う?

スマホで配車予約して目的地セットする年寄りがどんだけいるよ?

若者がどんだけいるよ?

ロボタクシー実用化しても、運行監視するのは年寄りサーバー管理するのも年寄りシステム開発するのも年寄り中抜きするのも年寄り、まともに働ける年寄りは誰だ?

中抜きする年寄りだけじゃねーか。

優秀な外国人開発者管理者として招聘したら、トコロテンされて今役に立たないジジイが、例えば24時間モニターの前に座ってロボタクシーが止まった時に電話対応してくれたりすんの?

ロボタクシーは普及すると思うけどさ、いいとこ半分でしょ。

近い未来、全部の業界がコレだよ。

高齢化社会地獄だよ。

地獄だって人がいるってのに、ホントにヒトがいないのが高齢化社会

2025-09-16

高齢独身男性性格が悪い理由って何なの?そりゃ友達も少なくなるわ

俺も35を過ぎて友達が減ったので、独身男性が集まる釣り🎣サークル試しに行ってみた

だいたい30後半から50代の中年独身男性が集まってる休みの日に釣りに行く社会人サークルなんだわ


それで今月初めに初めてバス釣りに行ったんだが、ほぼ全員が性格が悪かった

運転手の男は、高速で車を運転する時もかなり飛ばすし、空気読んでどけよとか暴言を吐いてドン引きした

それ以外のメンバーアルファード家族連れの車を見て「金持ちはいいよな〜金があって」とかずっと僻みっぽくて気持ち悪かった

他のメンバーも喋らずに、人といる時もずっとスマホを見てたりしてマジで終わってるなあって思った


あと、40過ぎてるのになぜか中小企業転職スタートアップ役員として招聘されたとではなく一般社員として)してたりと異常な行動をしてる人が多かった


まともな人は元々既婚者で離婚した人だけだった


流石にこいつらといてたらダメになると思って、釣りの後の飲み会は行かずに帰った

他山の石にしようと思う


俺もそうだが何で中年独身男性って性格が悪いんだ?

2025-09-15

anond:20250915001427

この逮捕送還劇のあとに、トランプ政権から韓国側アメリカ人指導する人材として招聘するとの打診があったが

応じたのは300人中1人だけだった。という続報もあったけど

工場で働く現地アメリカ人労働者指導

工場開設のための機械設備の設置もアメリカ人でやるから技術移転指導しろ

どっちの目的なんだろうね

anond:20250915001427

この逮捕送還劇のあとに、トランプ政権から韓国側アメリカ人指導する人材として招聘するとの打診があったが

応じたのは300人中1人だけだった。という続報もあったけど

工場で働く現地アメリカ人労働者指導

工場開設のための機械設備の設置もアメリカ人でやるから技術移転指導しろ

どっちの目的なんだろうね

2025-08-10

広陵高校騒動を見て思うこと

やっぱり校長は学外から招聘する方がいいよな

トップが内部の理論で動くとまず上手く行かない

意思決定するのは外を知ってる人間がいい

内部のことは教頭とか副校長がやればいいので、ちゃん経営感覚のある人を連れてきた方がいい

2025-07-27

劉仲敬訪談 090 @ 20200528 再論東歐與巴爾幹的民族發明

https://anond.hatelabo.jp/20250727144129

要約:劉仲敬「東欧バルカン民族発明

19世紀後半の民族発明特にバルカン半島での事例が中心。西洋は主にオスマン帝国近東)を東方として認識しており、ギリシャ人トルコ人文化民族主義帝国民族主義で争う中、多くの小民族形成された。

バルカン東欧の違い:バルカン近東に属し、19世紀の当時はギリシャブルガリアルーマニアヨーロッパの一部とは見なされていなかった。第一次世界大戦から徐々にヨーロッパの一部として認識されるようになる。

オスマン帝国統治構造イスラム教徒と非イスラム教徒身分差があり、イスラム教徒武士階級、非イスラム教徒は税を納める庶民(「費拉」)として区別された。多くの支配層は文化的に改宗名前の変更を行いながら多民族であった。

軍閥と「民族英雄」:ギリシャ独立戦争実質的軍閥同士の争いで、革命派は少数。バルカンでは軍閥が「親王」などの称号自称し、これが民族発明の一部となった。

近東と遠東の違い:近東欧州の近親であり、欧州列強の直接的な介入や影響が強かったため、バルカン諸国は徐々に近代国家として成立していった。一方、遠東(中国など)は遠隔地とみなされ、こうした近代国家形成の機会が限られた。

民族発明過程文化的装い:バルカン諸国は自らのアイデンティティ歴史文化で再発明し、例えばドイツフランス王族招聘して国王に据えたり、歴史的な英雄神話を作り上げることで国民統合を図った。

現代への影響:バルカン半島の民族発明は100年以上かけて完成し、現在国家体制へとつながっている。逆に近東地域シリアレバノンなど)では軍閥紛争が続き、同じような民族発明未完成である

文化的誤解と西洋視点西洋の著名作家知識人バルカン近東民族政治状況を理想化・誤解して称賛した例があるが、実際は複雑な軍閥抗争であり、現実理想とはかけ離れている。

東方主義自己認識のズレ:トルコ人自分たちローマ帝国継承者と見なしており、西洋人が「東方人」として見下す感覚とは異なる。遠東の知識人西洋視点鵜呑みにしすぎて自己評価を誤っていることが多い。

https://vocus.cc/article/5edf3e4bfd89780001192b2a

2025-07-19

中国人ファーストの国ニッポン

まず初めに断っておくと私は参政党支持者ではないし、排外主義者でもない。

中国人の友人もいるし、お付き合いしていた方もいる。

どちらかといえばリベラルに近い考えを持っていたし、世代ではないけれどブルーハーツ青空のような歌詞共鳴してよく聞いていたこともある。

それでも、はっきりと言える。

日本は決して“日本ファーストの国”ではない。それどころか「中国人ファースト」の国になっている。

なりつつあるのではなく、既にもうなっている。

つい先日都内住宅街を歩いていると前から酔っ払い外国人女性が突然殴りかかってきた。

女性であることはわかるが力士のような巨漢で、支離滅裂言動で何語かも不明だが叫んでいる。

私は逃げようとしたが殴られると同時に押し倒され、そのまま髪の毛を捕まれ、何度も頭を地面に叩きつけられた。

手に持っていたスマホは投げ飛ばされ、バリバリ割れスマホの画面から必死110番を押して、近くのコンビニに助けを求めた。

しかし、店員外国人は私を無視して押し返し、酔っ払いの仲間がコンビニまで迫ってきた。

警察が到着するまでの10分ほどは本当に殺されるかと思い、恐怖で手足が震えていた。

警察に後から聞くと、どうやら相手中国人泥酔状態だったらしい。

警察特にその加害者を遠ざけることもなく、血まみれの私を見ながら「こんなことで110番しないでよ」と冷静に言った。

そして、警察官はまだ何か叫んでいる女性を拘束することなく、血まみれの私に対してこう言ったのだ。

「向こうはあなた猥褻行為をしたから殴ったって言ってるよ」

ありえない。

私はただ路上で歩いていただけで、女性に触れることもなければ会話すらしていない。

しかし、中国人女性がそう言っているということで逮捕もせず、双方取り調べになった。

警察官はしきりに「中国人から仕方ない、中国人はこの辺多いからよくあるんだよ」と取り調べ中にめんどくさそうに言い、

中国人から意味ないと思うよ。あなたが何も被害を訴えなければ、このまま収めるからどうする?」

中国人から意味がないってなんだ?

しかし、警察署の中ではじめての取調室で警察官に反論できるわけもなく、血まみれの私が加害者扱い。

取調を数時間受けたのち、被害届すら出せなかった。

そして中国人女性は拘束を受けることもなく、そのまま釈放して帰宅したとのこと。

後日、何度も警察被害届を提出したい旨を訴えるも一向に動かなかったため、弁護士から訴えたところ、ようやく半年経って防犯カメラの解析が始まった。

もちろん防犯カメラには一方的暴行を受け頭を叩きつけられる私、猥褻行為などあるわけはないどころか、私は一切手すら触れてない状況がそのまま映っていた。

ちなみにその後はというと相手からは私が中国人差別たからやったなどとまた虚偽の弁明があり、示談交渉をお願いされた。

拒否するつもりだったのだが警察女性を不自然なまでに擁護し、担当外国人犯罪専門の女性警察から相手反省してると私に連絡があった。

そして弁護士も、検察官ですら示談を進めてきたのだ。

私は身内に警察法曹関係者もいるのだが、通常警察検察官示談を勧めることなどは絶対にありえないと聞いていた。

ありえないはずのことが身に起きていた。

しかしたら、たとえば警察書類送検した際の書類などを検察官が見て、不起訴になる可能性が高いと判断したのかもしれない。

検察官がそのような姿勢であれば不起訴可能性が高いということで、弁護士にも強く勧められたため弁護士費用のこともあり、泣く泣く示談することとなった。

これは東京繁華街が近くにはあるものの、普通住宅街での出来事である

中国人がただのなんの落ち度もない一般市民暴行し、中国人の出鱈目な嘘で逆に冤罪加害者にされそうになり、警察検察官も、味方である弁護士ですら事件をまともに扱わない。

中国人に殴られ

差別冤罪を着せられ

警察にも相手にされず

・正当な被害者でも、泣き寝入りしかない

これが2025年日本という国の現実だ。

そんなの一部だけ、たまたまだと思われるかもしれない。

外国人犯罪は減っているというデータを持ち出して反論する人もいるかもしれない。

外国人犯罪は“統計上”は減っている。

だが、それは不起訴放置されるからカウントされないだけではないか

実際、私の事件未遂扱いになり、記録にすら残らなかった。

警察官は「中国人は面倒」と本音をこぼし、事案そのものを畳もうとする。

から警察捜査しても無駄事件中国人絡みの事案は重大事件でもない限り、できるだけ穏便に済ませたい。

中国人優遇というわけではなくとも、中国人ということが判明してからはずっとめんどくさそうな態度が続いていた。

めんどうだからと言ってこんな対応をし続けるなら、日本は「中国人には逆らうな」という無言の圧力を受けているのと同義である

決して中国人だけの問題ではないという人もいるだろう。

もちろん韓国人や他のインバウンド客、在日外国人にも問題を起こす人間はいるし、日本だってそうだろう。

しかし、単なる住宅街で酔っ払っただけで普通市民暴力を振るい、酔いが覚めて示談交渉の段階になってもなお差別だなんだと叫び徹底的に自己弁護に走る人間がいる。

それが犯罪としてデータに残ることもないし、そういう人間共存していかなければならない。

そういうデータに残らない無数の犯罪の多くは外国籍人物によるものであり、その大部分が中国人であるというのは現場警察官はよく理解している。

中国人は確実に日本侵食し、特に近年は日本大学企業生活に取り入り、文化構造自体を徐々に壊し始めている。

少し前の話であるが、私が当時在籍していた大学にいつ頃からか目に見えて中国人留学生が増えていった。

そんなに簡単に入れる大学ではなく、入試も難しく日本では指折りのブランドのある大学ではあると思う。

同じ入試を受けて入っているはずなのにどういうルートなのか留学生の中でもダントツ中国人が増えてきたのだ。

そしてある教授優遇している可能性が浮上した。

しかし、何故か一切大学側は調査を進めることはなく、学生融資団体調査をしたところ、

その大学教授の経歴がデタラメであったという出来事があった。

海外名大出身であることも、日本の難関大出身であることすら全て虚偽であったのだ。

しかし、そのことは公表されることもなく、その教授によって招聘された多数の教員学生もそのまま在籍を続けている。

これは無名大の話ではなく、日本国家予算がふんだんに入った国会議員総理大臣を多数輩出する伝統ある日本の有名大学での話である

また転職して中途入社した某外資系企業にいたときは同期入社の半分が中国人で、プロジェクトチームの同僚10人中8人が中国人であった。

彼らは日本の有名私大卒業し、日本にある外資系大手企業新卒や中途で入ってくる。

理由日本で入るのが最も入りやすいから。

当時のプロジェクトでは日本政府システム業務支援を扱っていたが、こんな国家の中枢に関わる事業外資系企業

しかも中身はほぼ中国人構成されたチームで行っていいのかと疑問に思ったが、

少しでも中国人外国人に対して口を出すことはリベラル外資系大手企業では、重罪であった。

ちなみに日本人の上司の目の前で中国人の同僚同士が中国語上司悪口日本バカにする会話を普通にしていたこともある。

お付き合いしていた中国人女性いわく中国人中国大好きだし、本気で習近平を崇拝しているし、日本を敵視しているのが普通らしい。

中国にずっといる中国人旅行客特にそうで、在日中国人のことをバカにしているし、日本人には考えつかないぐらい日本に対して偏見に満ちた憎悪を抱いている。

から日本で生まれ育った彼女のような客観的中国を見れる人間にとっては、日本のほうがよほど居心地が良いのだという。

しかし、そんな日本人を対等に見る中国人は極めて稀だ。

多くの中国人はhypothetical enemyである国の構成員に他ならない。

そんな人たちが日本にわんさか訪れて、移住を進めているのが現在日本だ。

しかもそんな日本を敵視して習近平を崇拝している中国人わず来日して5年経てば帰化して晴れて法律上正真正銘日本人となる。

国会議員になることも、公務員になることも自由だ。

こんなに帰化申請が緩い国は他に存在しない。

ある大手マスコミ関係企業にいた頃は何故かだいたい部署に必ず一人ぐらいの割合で金さんや李さんがいた。

マスコミ関係は昔からだが韓国中国出身者が謎に多い。

どちらかといえばリベラル価値観を当時は抱いていたのでたいして疑問には感じてなかったが、よくよく考えると、

取引先の出版社TV局にもやたら中国韓国に偏った考えを持った人間が多かったように思う。

ネットのよくある陰謀論の類かと信じてなかったが、実際に自分入社するとあまりの左寄りの姿勢在日中国人の多さに驚いたぐらいだ。

差別偏見はよくないと教育され、グローバル化迎合することが是とされる社会においては、

高学歴大手企業に入るような恵まれ環境に属するようになればなるほどリベラルな考え方が多くなるように、大学でも会社でも外国人共存し、リベラル価値観に囲まれてきた。

特に知的でありたいとする人間コミュニティであるほどに保守的思想価値観ダサい危険というやんわりとしたレッテルを貼られ、口に出すことすら日常タブー視される。

LGBTへの容認グローバリズムに対する賛同などリベラル思想はどんどん口に出すし、そのような姿勢に対する同調圧力蔓延している。

固有名詞はあまり出したくないが東大早慶のようなブランド大学になればなるほど、特に内部にいると中国人留学生に対して驚くほど寛容なシーン、

アファーマティブ・アクションという名の優遇を目にすることとなるし、現在一昔前に比べて異常なほどこれらの大学中国人は多い。

大学でも企業でも今日本にいる中国人ははっきりいって逆差別と言えるぐらい優遇を受けている。

しかし、やはり日本人をバカにし、日本文化破壊し、日本人を見下し暴力を振るうような連中と共存なんてできるわけがないだろう。

まだ手遅れではないという政治家もいるが、私はもう手遅れではないかと思う。

もう日本にやってくる中国人は心底日本バカにし、見下していている。

インバウンド景気などという政治家もいるが、実態として今来ている中国から旅行客の大半は安いから来ているだけだ。

実際に高級ホテルには中国人客は皆無と言っていいほどおらず、ドンキドラックストアに溜まり、安いビジネスホテルに大量に押し寄せている。

彼らの一人は日本人でいっぱいの満員電車を見て中国語差別的な言葉でこう言っていた。

「どこを見てもジャップだらけで本当に気持ちが悪いね

中には日本に対して友好的な考えを持っている一部の人間もいるが彼らがどれだけ日本人を嫌い、敵対しているか

これは中国人と日頃から仕事プライベートで接していればよくわかることだ。

上野浅草には中国人専用のクラブ飲食店が多数あり、日本なのに日本人が入れない 禁足地が都内には激増している。

札幌路上ではもはや日本語より中国語しか聞こえない。

電車中国人家族叫び散らかそうとも、スーツケース座席に山積みしようとも、めんどくさがって駅員も注意はしない。

日本国家システムを扱う重要プロジェクトの多くが外資系企業業務委託され、プロジェクトメンバーの大半が中国人であっても政府は気にも留めない。

日本民法キー局や三大出版社に多数の中国人がいて重要ポジションについていても、誰も問題視はしない(既に数十年と続いた文化なので、本来注意する側も同族だったりする)

日本人が路上暴力を振るわれても警察検察もまともに扱わないし、不起訴になるので結果として外国人犯罪は激減している。(数字上)

リベラルがどうとかもはや関係なく、中国人に対する規制必要だと思う。

けれど、もう手遅れだ。

日本ファーストという普通のことを言っただけで、過剰なまでに叩かれる。(アメリカでもフランスでも海外自国ファーストを唱える政党与党であるし、極めて普通のことだ)

我々はもう中国ファーストのこの国で生きるしかない。

中国語を覚え、中国人とともに難関大学受験を潜り抜け、中国人と共に学び、中国人と共に日本国家機密を扱い、中国人と共に日本悪口を言いながら仲良くなり、中国人とともに日本貶めるために働き、

中国属国として生きるのだ。

私はこれからも生きていくために同僚の中国人日本から金を搾取するゲーム日本の根幹に関わる国家システムを扱うだろう。

中国人差別なんて絶対に許さないという顔をして、たとえ路上で突然殴ら顔面を打ち付けられて殺されそうになっても、中国人店員に助けを求めて無視されても、にこやかに示談に応じるだろう。

それがこの中国人ファーストの国ニッポンで生き抜くための処世術である

2025-07-15

anond:20250714214631

大学習得した「専門性」が活かせりゃーそれに越したことはないが...

案外テキトー専門性でも、就労ビザ取れるんじゃね?

日本インドカレー店の多くがネパール人によって運営されてるのは有名だが、彼らは「インドネパール料理料理人」ていう専門性で働きに来てるハズだ。

どこの外国彼氏なのか知らんけど、そこの国の郷土料理とかを出すレストラン設立して、そこの料理人として招聘すればオッケーじゃねーかなーww

2025-07-06

参政党は外国人差別を許しません」

参政党は消費税減税を行いません。代わりに所得控除を増額します。これは行政コストが最も低い超効率的な減税措置です」

参政党は子供が欲しいと考えている40歳未満のすべての女性に定額給付を行います児童手当を増額します」

参政党は日本に暮らす全ての人が幸福に暮らせる社会を築くために全力で戦いますヘイトスピーチを許しません。各自治体向けに外国人との共存支援予算を付けます

参政党は法人税率を上げます

参政党は皇室存続の具体的な危機に対しては友好国の王族から適切な能力と意欲と今後の生涯を日本に尽くす愛国心を持つ人物を選定し、次期天皇候補として招聘します」

参政党は夫婦別姓に賛成です」

参政党は米国債を売却しません」

参政党は教育研究分野に積極的投資を行います人材育成国家の柱とする日本の伝統を決して絶やしてはなりません」

参政党はすべての公務員待遇改善します」

Q: 代表と言ってること違うやん?

A: 「参政党はボトムアップ政党なので神谷発言もそれに合わせて日々進化進歩前進していきますあなたがおっしゃるかつてのカルト教祖神谷と今の神谷は別人と考えてください」

Q: マジで

A: 「マジです。現在神谷目標日本中興をなした偉大な総理大臣として歴史に名を残すことです」

2025-06-22

某村跡地に特殊詐欺団地オンラインカジノ建設

──大震災から十年以上が経過したものの、某村跡地は放射能汚染の影響をおそれて長らく人の立ち入らない場所となっていた。

 男がまず着手したのは金三角地帯から芥子を育てる専門家招聘したことだ。農業知識を十分に持つ男は「0円」の土地を生まれ変わらせようと考えた。なにせ芥子を有り難がる人間などは放射能汚染などは意に介さない。陸続きで侵入が容易く、かつ外の世界からの来訪者はまず訪れようとは思えず警察組織の手が及ばない某村の跡地はモエイ川の流域とは地政学上で双子のように似通い、ましてそこは表向きにはクリーンイメージを持った男が放射能汚染かまわず復興させようとしているようにしか見えない、金三角アウトロー達や裏で手を引く某党関係者にはきわめて都合の良い場所だった。

 

 次に男が着手したのはオンラインカジノ建設だ。客が訪れることを想定しないオンラインカジノとはいえ現在の主流はディーラーライブ配信による勝負である。つまりディーラー配信するための「スタジオ」が必要になる。男はその出自から建設知識もあり、さら配信スタジオといえばメディア活躍する男にとってはメインのフィールドである

 

 オンラインカジノができあがればオンラインカジノに人をおびき寄せるための闇バイトが暮らす「ムラ」づくりだ──SNSでは、闇バイト勧誘がしきりに行われていた。安全で稼げるという触れ込みに加えて、とりわけ木曜日の夜には高級レストラン食事無料でありつけるという催し物が行われるのが殺し文句だ。しかしここはアウトローたちのムラでありそんな単純な福利厚生があるはずはない。数人1組にした闇バイト達には料理の値段を言い当てさせ、最も外したもの料理の代金を支払う……当然闇バイトには支払えるはずもなく、その分のツケはただ働きというタコ部屋のスキームというのがその実態だ。

 

 某村跡地には金三角のやり方と男の経歴とが絶妙に噛み合い、現代地獄が産み出されようとしていた──。

https://anond.hatelabo.jp/20250621231214

2025-05-16

三国志人物名の出し方

三国志人物名を記憶してないIMEを使うことを想定。

から基本的に1文字ずつ変換していくわけだが、変換はできるだけスムーズに行いたい。多くの候補から選ぶことは避けたい。

もし常用漢字でない場合ググることやウィキペディることも辞さない。

曹操 軍曹操る

劉備 玄米徳島から玄徳を抽出してググる。またはliu beiでググる

孫権 孫 権利

諸葛亮 孔雀明るいか孔明抽出してググる。または諸君葛切り平均から諸葛均抽出してググると「諸葛亮の弟」と出る

司馬懿 仲良し達人から仲達を抽出してググる

周瑜 周囲太郎から周郎を抽出してググる

劉禅 劉備坐禅

劉封 劉備封印

関羽 関係羽毛

張飛 膨張飛

趙雲 子龍でググる

黄忠 黄色忠義

馬超 馬 超越

龐統 武士元気から士元を抽出してググる

徐庶 徐行庶民

馬良 馬が良い

馬謖 泣いて斬るでググる

魏延 魏志倭人伝延長

法正 法律正しい

伊籍 伊藤戸籍

厳顔 厳しい顔

尹黙 藤原行成Wikipediaで見つかる藤原伊尹もしくは近衛前久Wikipediaで見つかる近衛信尹+黙

関平 関係平和

関興 関係興味

曹丕 曹叡ググる。または曹 文帝でググる

曹叡 軍曹比叡山

曹植 軍曹植える

曹彰 軍曹表彰

曹仁 軍曹仁愛

荀彧 文若でググる

郭嘉 奉る親孝行から奉孝を抽出してググる

賈詡 膨張決済から張済を抽出してWikipediaを見ると張繡が見つかるのでそこからたどる

程昱 連立方程式から程立を抽出してググる

陳羣 陳列長文から陳長文を抽出してググる。または九品官人法のWikipediaを見る(学校世界史に登場する数少ない三国志人物)

夏侯淵 夏 王侯貴族 深淵。または妙才でググる

夏侯惇 夏侯淵ググる。または元気に譲るから元譲を抽出してググる

張遼 文遠でググる

許褚 許可儀式から許儀を抽出してググると「許褚の子」と出る

典韋 辞典満腹から典満抽出してググると「典韋の子」と出る

徐晃 徐行公明党から公明抽出してググる

張郃 張り合いbから張合bを抽出してググる(誤り)

楽進 楽に進む

李典 李白辞典

于禁 単于禁止

龐徳 令和明治から令明を抽出して馬超 令明でググる

文聘 文豪招聘

田疇 田んぼ範疇(田疇は普通に熟語らしい)

楊修 爪楊枝修行。楊脩の場合は楊修でググる

孔融 孔雀融合

何晏 何進Wikipediaで「孫は何晏」と出る。もしくは老荘思想Wikipediaで「何」で検索する

孫堅 孫 堅固

孫策 孫 策略

張昭 膨張昭和

張紘 膨張八紘一宇

魯粛 魯迅粛清

呂蒙 風呂蒙昧

陸遜 陸 謙遜

黄蓋 黄色い天蓋

程普 程度普通

太史慈 太い歴史慈悲

周泰 周囲安泰

甘寧 甘くて丁寧

丁奉 丁寧に奉る

凌統 凌駕統一

徐盛 徐行盛岡

董卓 呂布Wikipediaから見つける。または童卓でググる(誤り)

呂布 風呂

陳宮 陳列宮殿

高順 高い順

袁紹 紹 本初でググる

田豊 田んぼ豊か

沮授 田豊Wikipediaで「授」で検索

辛評 辛口評価

郭図 郭(くるわ) 図

審配 審判心配

顔良 顔が良い

文醜 文が醜い

袁術 術 公路でググる

袁胤 袁術落胤

張勲 膨張勲

劉表 劉備

劉璋 劉備終焉から劉焉を抽出してググると「劉璋の父」と出る

張魯 膨張魯

馬騰 馬 沸騰

韓遂 韓国完遂

公孫瓚 公孫続でググると「公孫瓚の子」と出る

陶謙 陶芸謙遜

司馬昭 司令 馬 昭和

姜維 生姜維新

鄧艾 姜維Wikipedia蜀漢の滅亡あたりを見る。もしくは武士掲載から士載を抽出してググる

鍾会 姜維Wikipedia蜀漢の滅亡あたりを見る。もしくは武士季節から士季を抽出してググる。もしくは鍾繇体(書道の分野に登場する三国志人物)から鍾繇抽出してググると「鍾会の父」と出る

陸抗 陸 抵抗

羊祜 陸抗Wikipediaで「羊」で検索。または辛口憲法英語から辛憲英を抽出してググるWikipediaを見る

杜預 杜甫預金

王渾 王 渾身の一撃

毌丘倹 文+仮装大賞ググると出る欽で文欽を作り、文欽のWikipediaを見る

孫峻 孫 峻別

王子服(おうしふく) 王子

吉本(きつほん) 吉本

2025-04-21

anond:20250420180337

専門分野でロシア語ができて半年くらい滞在できる人、って枠で大学先生半年ほどトルクメニスタン招聘されてたわ。20年くらい前の話。

2025-04-13

アニエスベー

アニエスベーはアニエスシリーズ二号機。

アル、ベー、ガン、デルの四機種制作されたが、他の機種は開発段階で中止となった。

加トちゃんペーは加トちゃんシリーズの最終機。

東西南は既に大破し、彼らの部品を使ったニコイチ機体と言われているが詳細は定かではない。

ドクトルゲー。

仮面ライダーV3』第13話から第30話まで登場。

「G作戦」により、秘密裏ドイツ支部から招聘されて来日した初代日本支部長で[1]、本編に登場した唯一のデストロン生え抜き大幹部。元ナチス軍人でもあり、「悪魔頭脳を持つ男」と称される。

2025-03-02

デフレ円高日本を救う

日本経済においてデフレ円高はしばしば課題として語られるが、これらの現象には従来の議論では軽視されがちな数多くのメリット存在する。

本報告では、デフレ円高がもたらす経済恩恵に焦点を当て、消費者企業国家レベルでの具体的な利点を体系的に分析する。

特に物価下落と通貨高が相互作用することで生まれる相乗効果を解明し、現代日本経済におけるこれら現象の再評価を試みる。

デフレーションの構造的利点

消費者購買力の持続的向上

デフレ環境下では物価継続的下落により、消費者は同一金額でより多くの財・サービスを取得可能となる。

例えば、年間2%のデフレ10年間継続した場合貨幣実質的購買力は約22%上昇する計算となり、家計の実質可処分所得が増大する効果をもたらす。

この現象特に固定収入層にとって有利に働き、年金生活者や公務員など所得が硬直的な層の生活水準維持に貢献する。

現金保有者にとっては、名目価値が変わらなくとも実質的富が増加するため、貯蓄インセンティブ高まる

この傾向は日本高齢化社会において重要であり、退職後の資産管理を容易にする側面を持つ。

消費者心理面では「待てば安くなる」という期待が消費行動を抑制するとされるが、逆に言えば計画的な購入を促進し、資源配分最適化を図る効果も見逃せない。

企業生産性革新圧力

デフレ企業コスト削減と効率化を強いるため、技術革新触媒として機能する。

価格下落圧力に対抗するため、企業生産プロセス合理化自動化を加速させ、IoTAIの導入を促進する。

実際、1990年代後半のデフレ期に日本製造業世界高水準の生産性向上を達成しており、この時期の経験今日ロボット工学分野での競争力基盤を形成した。

国際競争力観点では、デフレが輸出価格実質的低下をもたらし、為替レートが同一であっても相対的価格競争力が向上する。

このメカニズム円高局面と組み合わさることで、輸出企業収益安定化に寄与する可能性を秘めている。

さらに、資産価格の下落は新規参入企業にとって有利な環境を創出し、産業構造新陳代謝を促進する側面を持つ。

円高戦略的優位性

輸入依存経済構造的強化

円高は輸入価格の低下を通じて、エネルギー・食料・原材料調達コストを大幅に圧縮する。

日本が輸入に依存する液化天然ガス(LNG)の場合円高1円の上昇が年間1,200億円のコスト削減効果をもたらす試算があり、製造業全体の収益改善に直結する。

この効果特に加工貿易産業において顕著で、輸入原材料を加工して再輸出するビジネスモデル競争力を倍増させる。

消費財輸入業界では、円高進行に伴い海外ブランド商品国内価格が低下し、消費者選択肢多様化が進む。

高級車や奢侈品の価格下落は国内消費を刺激するとともに、輸入代理店業界の成長を促す。

さらに、医薬品先端技術機器の輸入コスト低下は、医療研究開発分野の進展を加速させる副次効果を生む。

国際的購買力の拡大

円高日本企業海外M&A活動を活発化させる原動力となる。

為替差益を活用した戦略的買収が容易になり、グローバルバリューチェーンの再構築を促進する。

2010年代円高局面では日本企業による海外企業買収件数が急増し、これが現在グローバルサプライチェーンにおける日本企業地位確立寄与した事実がこれを裏付ける。

個人レベルでは海外旅行費用実質的低下が観光需要喚起し、日本人の国際的視野拡大に貢献する。

留学生経済負担軽減は人的資本質的向上を促し、長期的な国家競争力強化の基盤を形成する。

さらに、海外不動産投資ハードル低下は個人資産多様化可能にし、リスク分散型の資産形成を促進する。

デフレ円高の相乗効果

実質賃金上昇メカニズム

デフレによる物価下落と円高に伴う輸入品価格低下が組み合わさることで、名目賃金が変わらなくとも実質購買力が二重に向上する。

この現象特に貿易部門で顕著に現れ、サービス従事者の生活水準改善寄与する。

例えば、輸入食材価格の下落と国内サービス価格の低下が同時に発生すれば、外食産業の利用頻度増加を通じた内需拡大が期待できる。

企業収益観点では、輸入コスト削減と輸出価格競争力向上が同時に実現する特異な状況を創出する。

自動車産業を例に取れば、円高による部品輸入コスト低下とデフレによる国内生産コスト圧縮が相乗効果を生み、国際市場での価格競争力維持を可能にする。

このダブル効果は高度な付加価値を有する産業において特に有効機能する。

金融政策との相互作用

デフレ円高の組み合わせは超低金利環境の持続を可能にし、国債管理コストの軽減に寄与する。

長期金利抑制効果政府債務の利払い費縮小をもたらし、財政再建のための貴重な時間を確保する。

また、低インフレ環境での金融緩和持続は資産市場の安定化を促進し、株式市場不動産市場におけるバブル発生リスクを低減させる。

企業財務においては、デフレによる実質債務負担増加を円高が打ち消すメカニズムが働く。

輸出企業外貨建て収益円高で目減りする反面、デフレによる国内コスト削減が収益率を維持するという調整機能が発揮される。

このバランス効果為替変動リスクヘッジの必要性を低減させ、企業経営の予見性向上に貢献する。

産業構造転換の触媒効果

付加価値産業へのリソース集中

デフレ円高の二重圧力は、労働集約産業から知識集約産業への移行を加速させる。

価格競争力の低下が避けられない分野では、技術革新による差別化が不可欠となり、研究開発投資が活発化する。

半導体材料精密機器分野で日本企業世界的優位性を維持できている背景には、こうした環境適応メカニズムが働いている。

人材配置の最適化が進み、生産性の低い部門から高い部門への労働力移動が促進される。

デフレ賃金上昇を抑制する反面、円高による輸入技術取得コスト低下が産業の高度化を支援する。

このプロセス労働生産性の持続的向上を実現し、少子高齢化社会における労働力不足問題を緩和する可能性を秘める。

持続可能な消費スタイルの定着

デフレ環境下での消費行動はより計画性・持続性を帯び、過剰消費から最適消費への転換を促す。

商品ライフサイクルの長期化は廃棄物削減に寄与し、環境負荷軽減と持続可能社会構築に貢献する。

円高による再生資源輸入コスト低下はリサイクル産業の採算性を改善し、循環型経済システム確立の後押しとなる。

消費者品質重視傾向が強まることで、メーカー耐久性保守性の向上に経営資源を集中させる。

この変化は製品アフターサービス市場の拡大を引き起こし、新たな雇用創出とサービス産業の高度化をもたらす。

例えば、家電製品平均使用年数延伸は保守点検需要喚起し、関連技術者の技能向上を促進する。

国際経済における戦略的ポジショニング

対外純資産実質的拡大

円高日本対外純資産自国通貨建てで評価した場合に大幅な増加効果をもたらす。

2020年代における円高局面では、日本対外純資産が年率10兆円規模で膨張した事例が観測されている。

この効果国家バランスシートの強化に直結し、国際金融市場における日本の信用力を格段に高める。

海外投資収益購買力拡大が進み、国際分散投資メリットが倍増する。

年金基金等の機関投資家にとっては、外貨建て資産の円換算価値上昇が運用成果を押し上げる。

このメカニズム人口減少時代資産所得依存経済への移行を支援し、持続可能国民経済構造の構築に寄与する。

地政学リスクヘッジ機能

円高は国際通貨としての円の地位を高め、地政学的不確実性に対する緩衝材として機能する。

有事の際の避難通貨需要増加は、エネルギー輸入依存という構造脆弱性部分的に打ち消す。

2020年代国際緊張緩和期において、円高基調日本エネルギー備蓄拡充を可能にした事実がこれを実証している。

国際決済通貨としての円の利用拡大が進み、貿易取引における為替リスク軽減が図られる。

特にアジア域内貿易において円建て取引比率が上昇すれば、地域経済統合の進展に伴う通貨不安を軽減する効果が期待できる。

この動きは日本企業貿易決済コスト削減にも直結する。

技術革新の加速メカニズム

研究開発投資の促進効果

デフレ環境下では実質金利が上昇するため、短期収益を求める投資から長期視点研究開発投資資金シフトする。

この傾向は基礎研究分野の資金不足解消に寄与し、画期的技術革新の土壌を形成する。

実際、1990年代デフレ期に増加した特許出願件数が、2000年代技術立国復活の基盤となった事実観測される。

円高海外技術の導入コストを低下させ、技術キャッチアップを加速する。

先端機械設備の輸入価格下落が国内産業設備更新を促進し、生産性向上の好循環を生み出す。

この効果中小企業において特に顕著で、国際的水準の生産技術比較安価に取得可能となる。

人材育成の質的転換

デフレが続く経済環境では、企業人件費減圧から教育訓練投資へ重点を移す傾向が強まる。

OJTの充実や社内資格制度の整備が進み、人的資本質的向上が図られる。

この変化は長期的な労働生産性上昇につながり、持続的経済成長の基盤を形成する。

円高による海外留学コスト低下は、高等教育の国際化を促進する。

優秀な人材海外派遣が増加することで、国際感覚を備えた人材育成が加速する。

同時に、円高を利用した外国人研究者の招聘が容易になり、国内研究機関国際競争力強化に寄与する。

社会構造最適化現象

資産格差是正メカニズム

デフレ金融資産よりも実物資産価値相対的に低下させるため、資産格差の是正寄与する。

土地不動産価格下落が進むことで、若年層の資産取得ハードルが低下する。

この現象世代間格差解消の一助となり、社会の安定性向上に貢献する。

円高進行に伴う輸入消費財価格の低下は、低所得層生活水準向上に特に有効作用する。

必需品的な輸入品価格下落が実質所得底上げし、経済弱者保護自然メカニズムとして機能する。

このプロセス社会保障費削減圧力とも相まって、財政健全化に間接的に貢献する。

地方経済活性化要因

円高を利用した地方自治体インフラ更新コスト削減が進み、地域格差是正寄与する。

海外建設機械の輸入価格低下が公共事業コスト圧縮し、限られた財源で質の高いインフラ整備を可能にする。

同時に、デフレによる資材価格下落が建設コストさら抑制する相乗効果生まれる。

結論

分析が明らかにしたように、デフレ円高日本経済多面的利益をもたらす潜在力を有している。

消費者購買力の強化から産業構造の高度化、国際的競争力の維持まで、これらの現象が適切に管理されれば、持続可能経済成長の新たなパラダイムを構築し得る。

今後の研究課題として、デフレ円高環境下での政策協調メカニズムの解明、技術革新加速の定量分析、国際通貨システムにおける円の役割定義などが挙げられる。

これらの分野における更なる実証研究の進展が、日本経済の新たな発展モデル構築に寄与することが期待される。

2025-01-28

フジテレビ上層部トラブルを把握した時点で即時まつもtoなかいを打ち切るのは不可能だったよね

当時の人気者2人を招聘してなり物入りで始め、評判も上々の番組を開始早々打ち切るとしたらしっかり理由公表しないといけない

被害者と言われている方はすぐにインスタで自分の現状をアピールしていたから、もしそこで中居が当社社員とトラブったため打ち切りとか言っちゃったらすぐにそこと紐つけられて中居ファンから二次加害が発生してただろうし

フジ側にはとにかく公にしたく無いと言っていたということもあったためどうにもできなかったのが正直なところなのでは無いか

松本人志騒動を起こして降板した時点で

松本が降りた以上2人ありきの番組から続行できない」とかでっち上げさせてまつもtoなかいを終わらせとけばここまで酷くならなかったのかな?

2024-12-13

フランツ・リストピアノ名曲重要曲7選(後期)

 anond:20241212222723の続きである

 ヴァイマール宮廷楽長を辞任したリストは、ラテボル公に招聘され、公の弟グスタフ・ホーエンローエを通じてローマ教皇庁と接点を持つことになり、宗教音楽に取り組む意欲を持つことになる。「巡礼の年」や「詩的で宗教的な調べ」のように、前期・中期から既にリストには宗教的な要素が強い作品があったが、これ以降そのような作品さらに増えていく。一方、子どもたちが相次いで亡くなったことで大きな精神的打撃を受け、1860年には遺書まで書いている(マリーとの関係はまだ悪かったようで、マリーのことは遺書にない)。カロリーヌは夫との婚姻強制されたものであり無効であるとする枢機卿会議の決定を一旦勝ち取ることに成功するが、その後、婚姻有効であると述べる証人が新たに現れ風向きが変わってしまう。というのも、ラテボル公の実子とカロリーヌの娘が結婚することになっていたのだが、カロリーヌ結婚無効だったとするとカロリーヌの娘は私生児ということになり、大変都合が悪いわけで、グスタフが手を回して妨害させたようであるリストも後に状況を悟ったらしい)。愛する人と結ばれることに再び失敗し、重ねて精神的なショックを受けた。それでも、グスタフを初めとするローマパトロン見出しローマに腰を落ち着け宗教音楽に熱心に取り組むことになる。ところが、1869年に度重なるヴァイマールから要請宮廷楽団指導役として復帰し、さら70年代からピアノ教師としての活動も非常に活発になり(ローマでも週1ではやっていたらしい)、以降リスト曰く「三分割された生活vie trifurquée」、春はブダペストなどで音楽教師コンサート、夏はヴァイマール宮廷楽団の指揮、冬はローマ作曲ピアノのレッスンというスター時代に負けず劣らずの忙しい生活死ぬ日まで送ることになった。晩年リストのレッスンの記録をとっていた弟子アウグスト・ゲレリヒの日記翻訳あり)を見るとリスト生活ぶりが良く分かる。

1. 巡礼の年 第三年 S.163(1883年出版

 晩年リスト代表である出版も最晩年。頻繁な不協和音の利用、レチタティーヴォ風の単純な旋律、独りごちるようなモノローグが目立ち、華麗な作風からの一変を感じることができるだろう。全7曲あり、第1・4・7は明るめで、宗教的な救いを示している。前期・中期作品でいうと、「孤独の中の神の祝福」」に近い作風である。それに挟まれた2・3・5・6は、「葬送――1849年10月」などと同じで、死を嘆くエレジーで、とても暗い。

 この曲集の中で最も有名なのは第4番の「エステ荘の噴水」だろう。文字通りリストが住んでいたティヴォリエステ荘の噴水を活写したものだ(その様子はググってくれ)。晩年作品の中では例外的に明るく、輝かしい作風で、しか印象主義の先取りになっている画期的作品だ(ラヴェルの「水の戯れ」やドビュッシーの「水の反映」と比べると良い)。第2・3曲「エステ荘の糸杉にI・II」は大変暗い曲なのだが、続けて聴くと本当に救われる思いになる。絶望からの救済は、リスト本人が強く望んでいたことだ。

 第三年だけの録音というのはあまり聴かないような気がする(エステ荘の噴水の録音はたくさんあるが)。第一年なども含めた全曲録音は前期の項目で書いたが、ベルマンとロルティが良いだろう。特に美しいロルティが好き。

2. 二つの伝説」(1865/66年出版

 1863年リストは僧籍を取得し、聖職者となっている(ずいぶんな生臭坊主生活死ぬまで続くが、リストことなので仕方がない)。丁度その頃に作曲されたらしい。ローマ引っ越しリスト教皇ピウス9世が訪ねてきた時に(下級聖職者のくせにローマ教皇に足を運ばせる男なのである)、第1曲「小鳥説教するアッシジの聖フランチェスコ」を演奏したらしい。フランチェスコ小鳥説教する様子を描く絵だったか詩だったかモチーフにした曲で、小鳥たちのさえずりを模倣したトリルがかわいらしい。明るく、聴きやす作風である

 第2曲の「波をわたるパオラの聖フランチェスコ」は、嵐の中の船出を拒絶されたフランチェスコアッシジの人とは別人)が自らのマントを船にしてメッシーナ海峡を渡ったとかい伝説モチーフにしている。波を模倣したうねるような力強いアルペッジョが印象的。出だしこそ暗いが、明るく、輝かしく、充実した展開を迎える。

 両曲とも1865年リスト自身ブダペストにおける久しぶりの公開のコンサートで初演された。サン=サーンスがいたく気に入って、オルガン編曲を作っている。

 ニコライ・デミジェンコHyperion/Helios)のCDソナタスケルツォマーチと一緒になって入っていて、よく聴く

3. BACH主題による幻想曲フーガ1870年出版

 元々はヴァイマール時代オルガン曲として作った曲だが、この時期にピアノ編曲された。BACH主題といっても、バッハの曲が引用されているのではなく、ドイツ音階BACH(シ♭・ラ・ド・シ)をモチーフにした勢いのある曲。暗い曲だが、豪壮無比な超絶技巧披露する曲であり、重苦しい感じはない。

 面白い曲なのに良い録音が中々ない。昔韓国のクン・ウー・パイクの録音を聞いた気がするが記憶に残っていない。アムラン(Hyperionソナタなどとカップリング)が良いと思う。若手だとリーズ・ド・ラ・サール(naive)の演奏は非常に録音も良く、技術的にも良い感じである(naiveは廃盤になるのが早く、入手が難しいのが困りものだが、配信あり)。(追記ハワード全集演奏も彼のヴィルトゥオーゾっぷりを味わえるものだったと思う。しかしアムランやラ・サールと比べると分が悪いか

4. クリスマスツリー S.186(1882年出版

 長女ブランディーの子ダニエラ(死んだ息子と同じ名前)のために作った曲(父は「自由帝政時代首相エミールオリヴィエ。なお産褥熱でブランディーヌは死んだ)。当時のクリスマス・キャロル編曲だが、リストオリジナルの曲も入っている。第1曲(編曲)がとても良い曲なのだが、リストお得意の左手高速オクターヴ連続があり、子どもに辛いのでは(しかもご丁寧に軽くleggieroという指示がついていてピアニストは悶絶する)。第11曲の「ハンガリー風」はおそらくリスト、第12曲の「ポーランド風」はカロリーヌを暗示しているのだと思われるが、後者は明らかにショパンマズルカ的な作風。やっぱりショパンのこと大好きなんすね~

 実はハワード全集しかいたことがない(しみじみとした良い演奏だと思います)。

5. 暗い雲 S.199(死後旧全集に収録/1881年作曲);不吉な星 S.208(死後旧全集に収録/1881年作曲);調性のないバガテルS.216a(1956年出版1885年作曲

 反則だが、リストの無調音楽代表格を一挙紹介。リストの無調音楽は、機能和声崩壊しているという意味では無調だが(その意味ではワーグナーの「トリスタン和音」も同様)、シェーンベルクの十二音技法のような意味で無調というわけではない(ドイツというよりフランスの無調音楽の先取りっぽい)。行くあてが未定まらないまま、タイトル通り曖昧な響きに終始する暗い雲、西洋音楽で不吉とされる音の組み合わせをこれでもかと盛り込んだ不吉な星は、これでも生前に既に演奏されてはいたのだが、調性のないバガテルは「無調」と銘打った音楽史上初めて(ではなかったとしても極初期)の作品で、発見されたのも20世紀後半になってからである1956年出版というのは誤記ではない)。ただ、元々メフィストワルツ第4番として作られていたので、舞曲の要素があってそこまで聞きにくい曲ではない。リスト精神状態もあって暗い感じだが、とにかくリスト前衛音楽家っぷりがよくわかる曲である

 いずれも録音はそこそこあるが、代表的な盤はあまり思いつかない。不吉な星はポリーニの録音したソナタCDカップリングされているので聴いたことがある人もいるだろう。暗い雲も入っていたと思う。調性のないバガテルはまあまあ取り上げられているが、昔カツァリスが日本で大ブレイクしていた頃に出したメフィストワルツ全集(Teldec)に入っている。

6. 悲しみのゴンドラ1886年出版

 初稿(21世紀に新発見され出版)、第2稿(悲しみのゴンドラI)、第3稿(悲しみのゴンドラII)がある。よく演奏されるのは第3稿(II)で、ヴァイオリンチェロのための編曲もある。

 ヴェネツィア所在だったワーグナー訪問した1882年作曲された。完成した曲をワーグナーに紹介する手紙を送り出した直後、ワーグナーが亡くなり、リストはこの曲を虫の知らせだったと感じたらしい。「巡礼の年」のヴェネツィアナポリと対比すると良い作品

 不安を煽るような曲だが、それほど聞きにくい曲ではない。色々なCDカップリングされているが、個人的にはブニアティシヴィリSONYソナタCD)が好きなのでよく聴く

 なお、ワーグナーの死を悼む作品リストは作っている(R. W. ――ヴェネツィア S.201とリヒャルト・ワーグナーの墓に S.135)。前者は不安を煽る曲だが(ポリーニCDに入っている)、後者敬虔な追悼音楽で、「パルジファル」の動機が使われている。ピアノより弦楽四重奏盤を聴くと良いだろう。

7. 村の居酒屋での踊り――メフィストワルツ第1番(1862年出版

 前期の曲と思いきや、実は後期の作曲作曲開始も50年代末のはず)である。やはり最後は明るく華やかな(そして生臭坊主な)リストで締めたい。着想自体は1836年に書かれたレーナウの叙事詩ファウスト」で、ファウストを連れて村の居酒屋にやってきたメフィストフェレスが、ファウストを誘惑するためにヴァイオリンを弾き出し、みんなノリノリになって踊り出し、魔法の音にあてられてファウスト女の子と一緒に森の中に消えていくというしょーもない内容である。技巧的な見せ場も多いのだが、ヴァイオリン調弦模倣した五度の音程を重ねるところ(地味に安定させるのが難しい)、中間部の重音トリル(ピアニスト泣かせ)と幅広い跳躍、終盤の怒濤の追い込み(メフィストフェレスがファウスト堕落成功してめっちゃ喜んでノリノリで弾いている様子なんだろう)が主なところである

 有名曲なので演奏はたくさんある。今ならブニアティシヴィリSONY)が良いと思う。ソナタも悲しみのゴンドラも入っているのでお買い得自由奔放にやっちゃってるが、そのくらいの方がこの曲に合っている。映像もある(https://www.youtube.com/watch?v=n1tM9YSLYdc)。なお、評判の良いエコノム(Suoni e Colori)とルガンスキーデビュー盤(Victor)は廃盤で聴いたことがない。早く再版しろ激怒

 いかがだったろうか。リストのいずれも強烈な個性を持つ曲、もし良かったら楽しんでほしい。YouTubeに乗っている曲だけでも良い。音楽の楽しみが増えれば幸いだ。

 (※その後超絶技巧七選も作ってみました。超絶技巧すぎてかえって推薦音源が少なくなったかも→anond:20241213224533

追記

 前期のブコメに「愛の夢落選した」というのがあった。申し訳ない。3つの演奏会用練習曲をその手の曲の代表例として入れたので。あと「コンソレーション」も同様に落選させた。同じような性格の曲集なのでどれを突っ込むか迷ったのだが、結局「ため息」のある3つの演奏会用練習曲にした。文字通りため息が出るような優美な「ため息」以上に愛の夢優美で、明るく感動的な曲なのだが、実は元となっている歌曲歌詞を見ると結構説教くさくて引くというのはここだけの話

 「エステ荘の糸杉に」が好きというブコメを頂戴した。リストエレジーはどれも本当にもの悲しく、個人的にはちょっと辛い感もあるのだが、気持ちは大変よく分かる。

2024-11-24

anond:20241124163005

今のところ某大学出身でまともな同僚やパートナー弁護士含む)を見たことないのでしばらく継続される

とりあえずイメージ改善のために下記なんとかしたら?

 

▼身近な人じゃなくて近々で話題になった人は

DaiGo (慶應義塾大学理工学部卒・慶應大学特別講義)
  →ホームレス生活保護者よりも猫が大事


古市憲寿 (院は東大だが 慶應義塾大学環境情報学部卒、慶應義塾大学SFC研究所上席所員)
  → 日本学術振興会「育志賞」受賞する肩書き社会学者
  → 民主党の時から自民現在に至るまで内閣府の様々なメンバー厚生労働省雇用女性支援プロジェクトチームメンバー
  → 高齢者に「十年早く死んでくれ」と言うわけじゃなくて、「最後 の一ヶ月間の延命治療はやめませんか?」と提案すればいい。
  → [小山田圭吾氏の障害者虐待について]
    DaiGo氏「謝ればいいってもんじゃないと思うなら裁判でもすればいいだけの話よな」
   古市憲寿氏「本当そうだよね。まあ民事場合裁判を起こすには頭とお金いるから。。。」
  → [ホームレス生活保護者に差別発言をしたDaiGo氏について]
   「生活保護のあり方や理解が深まった」「(DaiGo氏は)メンタル弱いんですよ。いつも落ち込んでいて」


新浪剛史 (MBAハーバードでとってるが慶應義塾大学経済学部卒)
  →サントリー社長経済財政諮問会議民間議員
    関連増田サントリーってやばい会社だな。45歳希望退職を募るではなく『45歳定年制』かぁ
   https://anond.hatelabo.jp/20210910162301#


伊藤穰一 (慶應義塾大学大学政策博士慶應義塾大学大学メディアデザイン研究科非常勤講師)
  →コーネリアス小山田氏の親戚でベンチャーキャピタリストジェフリー・エプスタインの件でMITや様々な役職をクビになったが、
    なぜかデジタル庁の事務方トップデジタル監」に起用される予定だった、
    そして最終的にはデジタル社会構想会議有職メンバーに落ち着く


竹中平蔵 (慶應義塾大学名誉教授)
    →パソナ会長内閣日本経済再生本部産業競争力会議民間議員内閣府国家戦略特別区域諮問会議有識者議員


夏野剛(慶應義塾大学大学政策メディア研究科特別招聘教授)
  → 株式会社KADOKAWA社長で(内閣府)規制改革推進会議議長デジタル有識者メンバーオリンピックでは組織委員会参与を勤めた

 

平成から令和にかけて印象に残る慶應大生の事件

ミスター慶應(わいせつ関連での逮捕6回、起訴なし)
慶應義塾大学広告学研究会レイプ事件(起訴なし)
慶應義塾大学医学部レイプ事件(起訴なし、退学後、琉大に入り直し医師免許を取得)
明大付近痴漢を行い線路に逃走、電車を止める

 

※なお、この大学出身社会人で弁護士電通マンNRI犯罪(ニュースになったもの)は書ききれない

2024-10-15

教授招聘教授が色々細かく違うことはわかるけど

喧嘩?で通報されて対応されてるというシチュエーション

警察官職業聞かれてる立場でその辺の細かいところにこだわった説明しだしたら

それはそれで印象良くなさそうという偏見がある

2024-10-01

三四郎は流れから目を放して、上を見た。こういう空の模様を見たのははじめてではない。けれども空が濁ったという言葉を聞いたのはこの時がはじめてである。気がついて見ると、濁ったと形容するよりほかに形容のしかたのない色であった。三四郎が何か答えようとするまえに、女はまた言った。 「重いこと。大理石のように見えます」  美禰子は二重瞼を細くして高い所をながめていた。それから、その細くなったままの目を静かに三四郎の方に向けた。そうして、 「大理石のように見えるでしょう」と聞いた。三四郎は、 「ええ、大理石のように見えます」と答えるよりほかはなかった。女はそれで黙った。しばらくしてから、今度は三四郎が言った。 「こういう空の下にいると、心が重くなるが気は軽くなる」 「どういうわけですか」と美禰子が問い返した。  三四郎には、どういうわけもなかった。返事はせずに、またこう言った。 「安心して夢を見ているような空模様だ」 「動くようで、なかなか動きませんね」と美禰子はまた遠くの雲をながめだした。  菊人形で客を呼ぶ声が、おりおり二人のすわっている所まで聞こえる。 「ずいぶん大きな声ね」 「朝から晩までああいう声を出しているんでしょうか。えらいもんだな」と言ったが、三四郎は急に置き去りにした三人のことを思い出した。何か言おうとしているうちに、美禰子は答えた。 「商売ですもの、ちょうど大観音乞食と同じ事なんですよ」 「場所が悪くはないですか」  三四郎は珍しく冗談を言って、そうして一人でおもしろそうに笑った。乞食について下した広田言葉をよほどおかしく受けたかである。 「広田先生は、よく、ああいう事をおっしゃるかたなんですよ」ときわめて軽くひとりごとのように言ったあとで、急に調子をかえて、 「こういう所に、こうしてすわっていたら、大丈夫及第よ」と比較的活発につけ加えた。そうして、今度は自分のほうでおもしろそうに笑った。 「なるほど野々宮さんの言ったとおり、いつまで待っていてもだれも通りそうもありませんね」 「ちょうどいいじゃありませんか」と早口に言ったが、あとで「おもらいをしない乞食なんだから」と結んだ。これは前句の解釈のためにつけたように聞こえた。  ところへ知らん人が突然あらわれた。唐辛子の干してある家の陰から出て、いつのまにか川を向こうへ渡ったものみえる。二人のすわっている方へだんだん近づいて来る。洋服を着て髯をはやして、年輩からいうと広田先生くらいな男である。この男が二人の前へ来た時、顔をぐるりと向け直して、正面から三四郎と美禰子をにらめつけた。その目のうちには明らかに憎悪の色がある。三四郎はじっとすわっていにくいほどな束縛を感じた。男はやがて行き過ぎた。その後影を見送りながら、三四郎は、 「広田先生や野々宮さんはさぞあとでぼくらを捜したでしょう」とはじめて気がついたように言った。美禰子はむしろ冷やかである。 「なに大丈夫よ。大きな迷子ですもの」 「迷子から捜したでしょう」と三四郎はやはり前説を主張した。すると美禰子は、なお冷やかな調子で、 「責任をのがれたがる人だから、ちょうどいいでしょう」 「だれが? 広田先生がですか」  美禰子は答えなかった。 「野々宮さんがですか」  美禰子はやっぱり答えなかった。 「もう気分はよくなりましたか。よくなったら、そろそろ帰りましょうか」  美禰子は三四郎を見た。三四郎は上げかけた腰をまた草の上におろした。その時三四郎はこの女にはとてもかなわないような気がどこかでした。同時に自分の腹を見抜かれたという自覚に伴なう一種屈辱をかすかに感じた。 「迷子」  女は三四郎を見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。 「迷子英訳を知っていらしって」  三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬほどに、この問を予期していなかった。 「教えてあげましょうか」 「ええ」 「迷える子――わかって?」  三四郎はこういう場合になると挨拶に困る男である咄嗟の機が過ぎて、頭が冷やかに働きだした時、過去を顧みて、ああ言えばよかった、こうすればよかったと後悔する。といって、この後悔を予期して、むりに応急の返事を、さもしぜんらしく得意に吐き散らすほどに軽薄ではなかった。だからただ黙っている。そうして黙っていることがいかにも半間である自覚している。  迷える子という言葉はわかったようでもある。またわからないようでもある。わかるわからないはこの言葉意味よりも、むしろこの言葉を使った女の意味である三四郎はいたずらに女の顔をながめて黙っていた。すると女は急にまじめになった。 「私そんなに生意気に見えますか」  その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感に打たれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れればいいと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出て来た。晴れたのが恨めしい気がする。  三四郎は美禰子の態度をもとのような、――二人の頭の上に広がっている、澄むとも濁るとも片づかない空のような、――意味のあるものにしたかった。けれども、それは女のきげんを取るための挨拶ぐらいで戻せるものではないと思った。女は卒然として、 「じゃ、もう帰りましょう」と言った。厭味のある言い方ではなかった。ただ三四郎にとって自分は興味のないものあきらめるように静かな口調であった。  空はまた変ってきた。風が遠くから吹いてくる。広い畑の上には日が限って、見ていると、寒いほど寂しい。草からあがる地息でからだは冷えていた。気がつけば、こんな所に、よく今までべっとりすわっていられたものだと思う。自分一人なら、とうにどこかへ行ってしまったに違いない。美禰子も――美禰子はこんな所へすわる女かもしれない。 「少し寒くなったようですから、とにかく立ちましょう。冷えると毒だ。しかし気分はもうすっかり直りましたか」 「ええ、すっかり直りました」と明らかに答えたが、にわかに立ち上がった。立ち上がる時、小さな声で、ひとりごとのように、 「迷える子」と長く引っ張って言った。三四郎はむろん答えなかった。  美禰子は、さっき洋服を着た男の出て来た方角をさして、道があるなら、あの唐辛子そばを通って行きたいという。二人は、その見当へ歩いて行った。藁葺のうしろにはたして細い三尺ほどの道があった。その道を半分ほど来た所で三四郎は聞いた。 「よし子さんは、あなたの所へ来ることにきまったんですか」  女は片頬で笑った。そうして問い返した。 「なぜお聞きになるの」  三四郎が何か言おうとすると、足の前に泥濘があった。四尺ばかりの所、土がへこんで水がぴたぴたにたまっている。そのまん中に足掛かりのためにてごろな石を置いた者がある。三四郎は石の助けをからずに、すぐに向こうへ飛んだ。そうして美禰子を振り返って見た。美禰子は右の足を泥濘のまん中にある石の上へ乗せた。石のすわりがあまりよくない。足へ力を入れて、肩をゆすって調子を取っている。三四郎こちら側から手を出した。 「おつかまりなさい」 「いえ大丈夫」と女は笑っている。手を出しているあいだは、調子を取るだけで渡らない。三四郎は手を引っ込めた。すると美禰子は石の上にある右の足に、からだの重みを託して、左の足でひらりこちら側へ渡った。あまり下駄をよごすまいと念を入れすぎたため、力が余って、腰が浮いた。のめりそうに胸が前へ出る。その勢で美禰子の両手が三四郎の両腕の上へ落ちた。 「迷える子」と美禰子が口の内で言った。三四郎はその呼吸を感ずることができた。

https://anond.hatelabo.jp/20241001172740

 ベルが鳴って、講師教室から出ていった。三四郎インキの着いたペンを振って、ノートを伏せようとした。すると隣にいた与次郎が声をかけた。

「おいちょっと借せ。書き落としたところがある」

 与次郎三四郎ノートを引き寄せて上からのぞきこんだ。stray sheep という字がむやみに書いてある。

「なんだこれは」

講義を筆記するのがいやになったから、いたずらを書いていた」

「そう不勉強はいかん。カントの超絶唯心論バークレーの超絶実在論にどうだとか言ったな」

「どうだとか言った」

「聞いていなかったのか」

「いいや」

「まるで stray sheep だ。しかたがない」

 与次郎自分ノートをかかえて立ち上がった。机の前を離れながら、三四郎に、

「おいちょっと来い」と言う。三四郎与次郎について教室を出た。梯子段を降りて、玄関前の草原へ来た。大きな桜がある。二人はその下にすわった。

 ここは夏の初めになると苜蓿が一面にはえる。与次郎入学願書を持って事務へ来た時に、この桜の下に二人の学生が寝転んでいた。その一人が一人に向かって、口答試験都々逸で負けておいてくれると、いくらでも歌ってみせるがなと言うと、一人が小声で、粋なさばきの博士の前で、恋の試験がしてみたいと歌っていた。その時から与次郎はこの桜の木の下が好きになって、なにか事があると、三四郎をここへ引っ張り出す。三四郎はその歴史与次郎から聞いた時に、なるほど与次郎俗謡で pity's love を訳すはずだと思った。きょうはしか与次郎がことのほかまじめである。草の上にあぐらをかくやいなや、懐中から文芸時評という雑誌を出してあけたままの一ページを逆に三四郎の方へ向けた。

「どうだ」と言う。見ると標題に大きな活字で「偉大なる暗闇」とある。下には零余子と雅号を使っている。偉大なる暗闇とは与次郎がいつでも広田先生を評する語で、三四郎も二、三度聞かされたものであるしか零余子はまったく知らん名である。どうだと言われた時に、三四郎は、返事をする前提としてひとまず与次郎の顔を見た。すると与次郎はなんにも言わずにその扁平な顔を前へ出して、右の人さし指の先で、自分の鼻の頭を押えてじっとしている。向こうに立っていた一人の学生が、この様子を見てにやにや笑い出した。それに気がついた与次郎はようやく指を鼻から放した。

「おれが書いたんだ」と言う。三四郎はなるほどそうかと悟った。

「ぼくらが菊細工を見にゆく時書いていたのは、これか」

「いや、ありゃ、たった二、三日まえじゃないか。そうはやく活版になってたまるものか。あれは来月出る。これは、ずっと前に書いたものだ。何を書いたもの標題でわかるだろう」

広田先生の事か」

「うん。こうして輿論喚起しておいてね。そうして、先生大学はいれる下地を作る……」

「その雑誌はそんなに勢力のある雑誌か」

 三四郎雑誌名前さえ知らなかった。

「いや無勢力から、じつは困る」と与次郎は答えた。三四郎は微笑わざるをえなかった。

「何部ぐらい売れるのか」

 与次郎は何部売れるとも言わない。

「まあいいさ。書かんよりはましだ」と弁解している。

 だんだん聞いてみると、与次郎は従来からこの雑誌関係があって、ひまさえあればほとんど毎号筆を執っているが、その代り雅名も毎号変えるから、二、三の同人のほか、だれも知らないんだと言う。なるほどそうだろう。三四郎は今はじめて与次郎文壇との交渉を聞いたくらいのものであるしか与次郎がなんのために、遊戯に等しい匿名を用いて、彼のいわゆる大論文をひそかに公けにしつつあるか、そこが三四郎にはわからなかった。

 いくぶんか小遣い取りのつもりで、やっている仕事かと不遠慮に尋ねた時、与次郎は目を丸くした。

「君は九州のいなかから出たばかりだから中央文壇趨勢を知らないために、そんなのん気なことをいうのだろう。今の思想界の中心にいて、その動揺のはげしいありさまを目撃しながら、考えのある者が知らん顔をしていられるものか。じっさい今日の文権はまったく我々青年の手にあるんだから一言でも半句でも進んで言えるだけ言わなけりゃ損じゃないか文壇は急転直下の勢いでめざまし革命を受けている。すべてがことごとく動いて、新気運に向かってゆくんだから、取り残されちゃたいへんだ。進んで自分からこの気運をこしらえ上げなくちゃ、生きてる甲斐はない。文学文学って安っぽいようにいうが、そりゃ大学なんかで聞く文学のことだ。新しい我々のいわゆる文学は、人生のものの大反射だ。文学の新気運は日本社会活動に影響しなければならない。また現にしつつある。彼らが昼寝をして夢を見ているまに、いつか影響しつつある。恐ろしいものだ。……」

 三四郎は黙って聞いていた。少しほらのような気がする。しかしほらでも与次郎はなかなか熱心に吹いている。すくなくとも当人だけは至極まじめらしくみえる。三四郎はだいぶ動かされた。

「そういう精神でやっているのか。では君は原稿料なんか、どうでもかまわんのだったな」

「いや、原稿料は取るよ。取れるだけ取る。しか雑誌が売れないからなかなかよこさない。どうかして、もう少し売れる工夫をしないといけない。何かいい趣向はないだろうか」と今度は三四郎相談をかけた。話が急に実際問題に落ちてしまった。三四郎は妙な心持ちがする。与次郎は平気であるベルが激しく鳴りだした。

「ともかくこの雑誌を一部君にやるから読んでみてくれ。偉大なる暗闇という題がおもしろいだろう。この題なら人が驚くにきまっている。――驚かせないと読まないからだめだ」

 二人は玄関を上がって、教室はいって、机に着いた。やがて先生が来る。二人とも筆記を始めた。三四郎は「偉大なる暗闇」が気にかかるので、ノートそば文芸時評をあけたまま、筆記のあいあいまに先生に知れないように読みだした。先生はさいわい近眼である。のみならず自己講義のうちにぜんぜん埋没している。三四郎の不心得にはまるで関係しない。三四郎はいい気になって、こっちを筆記したり、あっちを読んだりしていったが、もともと二人でする事を一人で兼ねるむりな芸だからしまいには「偉大なる暗闇」も講義の筆記も双方ともに関係がわからなくなった。ただ与次郎文章一句だけはっきり頭にはいった。

自然宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。またこ宝石採掘の運にあうまでに、幾年の星霜を静かに輝やいていたか」という句である。その他は不得要領に終った。その代りこの時間には stray sheep という字を一つも書かずにすんだ。

 講義が終るやいなや、与次郎三四郎に向かって、

「どうだ」と聞いた。じつはまだよく読まないと答えると、時間経済を知らない男だといって非難した。ぜひ読めという。三四郎は家へ帰ってぜひ読むと約束した。やがて昼になった。二人は連れ立って門を出た。

「今晩出席するだろうな」と与次郎西片町へはい横町の角で立ち留まった。今夜は同級生の懇親会がある。三四郎は忘れていた。ようやく思い出して、行くつもりだと答えると、与次郎は、

「出るまえにちょっと誘ってくれ。君に話す事がある」と言う。耳のうしろペン軸をはさんでいる。なんとなく得意である三四郎承知した。

 下宿へ帰って、湯にはいって、いい心持ちになって上がってみると、机の上に絵はがきがある。小川かいて、草をもじゃもじゃはやして、その縁に羊を二匹寝かして、その向こう側に大きな男がステッキを持って立っているところを写したものである。男の顔がはなはだ獰猛にできている。まったく西洋の絵にある悪魔を模したもので、念のため、わきにちゃんデビル仮名が振ってある。表は三四郎宛名の下に、迷える子と小さく書いたばかりである三四郎は迷える子の何者かをすぐ悟った。のみならず、はがきの裏に、迷える子を二匹書いて、その一匹をあん自分見立ててくれたのをはなはだうれしく思った。迷える子のなかには、美禰子のみではない、自分ももとよりはいっていたのである。それが美禰子のおもわくであったとみえる。美禰子の使った stray sheep意味がこれでようやくはっきりした。

 与次郎約束した「偉大なる暗闇」を読もうと思うが、ちょっと読む気にならない。しきりに絵はがきをながめて考えた。イソップにもないような滑稽趣味がある。無邪気にもみえる。洒落でもある。そうしてすべての下に、三四郎の心を動かすあるものがある。

 手ぎわからいっても敬服の至りである。諸事明瞭にでき上がっている。よし子のかいた柿の木の比ではない。――と三四郎には思われた。

 しばらくしてから三四郎はようやく「偉大なる暗闇」を読みだした。じつはふわふわして読みだしたのであるが、二、三ページくると、次第に釣りまれるように気が乗ってきて、知らず知らずのまに、五ページ六ページと進んで、ついに二十七ページの長論文を苦もなく片づけた。最後の一句読了した時、はじめてこれでしまいだなと気がついた。目を雑誌から離して、ああ読んだなと思った。

 しかし次の瞬間に、何を読んだかと考えてみると、なんにもない。おかしいくらいなんにもない。ただ大いにかつ盛んに読んだ気がする。三四郎与次郎の技倆に感服した。

 論文は現今の文学者の攻撃に始まって、広田先生の賛辞に終っている。ことに文学文科の西洋人を手痛く罵倒している。はやく適当日本人を招聘して、大学相当の講義を開かなくっては、学問の最高府たる大学も昔の寺子屋同然のありさまになって、煉瓦石のミイラと選ぶところがないようになる。もっとも人がなければしかたがないが、ここに広田先生がある。先生十年一日のごとく高等学校に教鞭を執って薄給無名に甘んじている。しか真正学者である。学海の新気運に貢献して、日本の活社会交渉のある教授担任すべき人物である。――せんじ詰めるとこれだけであるが、そのこれだけが、非常にもっともらしい口吻と燦爛たる警句とによって前後二十七ページに延長している。

 その中には「禿を自慢するものは老人に限る」とか「ヴィーナスは波からまれたが、活眼の士は大学からまれない」とか「博士を学界の名産と心得るのは、海月田子の浦名産と考えるようなものだ」とかいろいろおもしろい句がたくさんある。しかしそれよりほかになんにもない。ことに妙なのは広田先生を偉大なる暗闇にたとえたついでに、ほかの学者を丸行燈比較して、たかだか方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすにすぎないなどと、自分広田から言われたとおりを書いている。そうして、丸行燈だの雁首などはすべて旧時代遺物で我々青年にはまったく無用であると、このあいだのとおりわざわざ断わってある。

 よく考えてみると、与次郎論文には活気がある。いかにも自分一人で新日本代表しているようであるから、読んでいるうちは、ついその気になる。けれどもまったく実がない。根拠地のない戦争のようなものである。のみならず悪く解釈すると、政略的の意味もあるかもしれない書き方である。いなか者の三四郎にはてっきりそこと気取ることはできなかったが、ただ読んだあとで、自分の心を探ってみてどこかに不満足があるように覚えた。また美禰子の絵はがきを取って、二匹の羊と例の悪魔をながめだした。するとこっちのほうは万事が快感である。この快感につれてまえの不満足はますます著しくなった。それで論文の事はそれぎり考えなくなった。美禰子に返事をやろうと思う。不幸にして絵がかけない。文章にしようと思う。文章ならこの絵はがき匹敵する文句でなくってはいけない。それは容易に思いつけない。ぐずぐずしているうちに四時過ぎになった。

 袴を着けて、与次郎を誘いに、西片町へ行く。勝手からはいると、茶の間に、広田先生が小さな食卓を控えて、晩食を食っていた。そば与次郎かしこまってお給仕をしている。

先生どうですか」と聞いている。

 先生は何か堅いものをほおばったらしい。食卓の上を見ると、袂時計ほどな大きさの、赤くって黒くって、焦げたものが十ばかり皿の中に並んでいる。

 三四郎は座に着いた。礼をする。先生は口をもがもがさせる。

「おい君も一つ食ってみろ」と与次郎が箸で皿のものをつまんで出した。掌へ載せてみると、馬鹿貝の剥身の干したのをつけ焼にしたのである

「妙なものを食うな」と聞くと、

「妙なものって、うまいぜ食ってみろ。これはね、ぼくがわざわざ先生にみやげに買ってきたんだ。先生はまだ、これを食ったことがないとおっしゃる

「どこから

日本から

 三四郎おかしくなった。こういうところになると、さっきの論文調子とは少し違う。

先生、どうです」

「堅いね

「堅いけれどもうまいでしょう。よくかまなくっちゃいけません。かむと味が出る」

「味が出るまでかんでいちゃ、歯が疲れてしまう。なんでこんな古風なものを買ってきたものかな」

「いけませんか。こりゃ、ことによると先生にはだめかもしれない。里見の美禰子さんならいいだろう」

「なぜ」と三四郎が聞いた。

「ああおちついていりゃ味の出るまできっとかんでるに違いない」

「あの女はおちついていて、乱暴だ」と広田が言った。

「ええ乱暴です。イブセンの女のようなところがある」

イブセンの女は露骨だが、あの女は心が乱暴だ。もっと乱暴といっても、普通乱暴とは意味が違うが。野々宮の妹のほうが、ちょっと見ると乱暴のようで、やっぱり女らしい。妙なものだね」

里見のは乱暴の内訌ですか」

 三四郎は黙って二人の批評を聞いていた。どっちの批評もふにおちない。乱暴という言葉が、どうして美禰子の上に使えるか、それから第一不思議であった。

 与次郎はやがて、袴をはいて、改まって出て来て、

ちょっと行ってまいります」と言う。先生は黙って茶を飲んでいる。二人は表へ出た。表はもう暗い。門を離れて二、三間来ると、三四郎はすぐ話しかけた。

先生里見お嬢さん乱暴だと言ったね」

「うん。先生はかってな事をいう人だから、時と場合によるとなんでも言う。第一先生が女を評するのが滑稽だ。先生の女における知識はおそらく零だろう。ラッブをしたことがないものに女がわかるものか」

先生はそれでいいとして、君は先生の説に賛成したじゃないか

「うん乱暴だと言った。なぜ」

「どういうところを乱暴というのか」

「どういうところも、こういうところもありゃしない。現代女性はみんな乱暴にきまっている。あの女ばかりじゃない」

「君はあの人をイブセンの人物に似ていると言ったじゃないか

「言った」

イブセンのだれに似ているつもりなのか」

「だれって……似ているよ」

 三四郎はむろん納得しない。しかし追窮もしない。黙って一間ばかり歩いた。すると突然与次郎がこう言った。

イブセンの人物に似ているのは里見お嬢さんばかりじゃない。今の一般女性はみんな似ている。女性ばかりじゃない。いやしくも新しい空気に触れた男はみんなイブセンの人物に似たところがある。ただ男も女もイブセンのように自由行動を取らないだけだ。腹のなかではたいていかぶれている」

「ぼくはあんまりかぶれていない」

「いないとみずから欺いているのだ。――どんな社会だって陥欠のない社会はあるまい」

「それはないだろう」

「ないとすれば、そのなかに生息している動物はどこかに不足を感じるわけだ。イブセンの人物は、現代社会制度の陥欠をもっとも明らかに感じたものだ。我々もおいおいああなってくる」

「君はそう思うか」

「ぼくばかりじゃない。具眼の士はみんなそう思っている」

「君の家の先生もそんな考えか」

「うちの先生? 先生はわからない」

だって、さっき里見さんを評して、おちついていて乱暴だと言ったじゃないか。それを解釈してみると、周囲に調和していけるから、おちついていられるので、どこかに不足があるから、底のほうが乱暴だという意味じゃないのか」

「なるほど。――先生は偉いところがあるよ。ああいうところへゆくとやっぱり偉い」

 と与次郎は急に広田先生をほめだした。三四郎は美禰子の性格についてもう少し議論の歩を進めたかったのだが、与次郎のこの一言でまったくはぐらかされてしまった。すると与次郎が言った。

「じつはきょう君に用があると言ったのはね。――うん、それよりまえに、君あの偉大なる暗闇を読んだか。あれを読んでおかないとぼくの用事が頭へはいりにくい」

「きょうあれから家へ帰って読んだ」

「どうだ」

先生はなんと言った」

先生は読むものかね。まるで知りゃしない」

「そうさなおもしろいことはおもしろいが、――なんだか腹のたしにならないビールを飲んだようだね」

「それでたくさんだ。読んで景気がつきさえすればいい。だから匿名にしてある。どうせ今は準備時代だ。こうしておいて、ちょうどいい時分に、本名を名乗って出る。――それはそれとして、さっきの用事を話しておこう」

2024-09-18

地元共産党議員団がひっそり共産党から足抜けしてた

この間、いつも集金に来る共産党元町議がやってきて、ついに共産党議員団解散する、赤旗配達を終了すると言う話を聞かされた。

ただ、共産党とは外れるけど、共産党とは別の形の地域議員グループとして存続していくと言うことらしかた。

別の人に引き継いで赤旗の購読はできると言われたけど、正直、この議員さん個人にお世話になっているか配達してもらっていただけであって、別にいらないので印刷版の購読は終了することにした。


ここは昔から伝統的に日本共産党勢力が強くて、共産党系の病院とか、共産党系の農業者団体とかある町なんだけど、

最近、その中心で活動していた共産党議員団活動ほとんど目に見えなくなってた。

そこでこれである

伺うと、前から町で活動していた若手の議員グループがいて、そのグループから色々な条例やら活動やらで協力するようになっていたらしい。そのグループ40代から50代を中心として、若い人も入っているグループで、そこから3人町議を送り出していた。

ただ、年寄りが足りない。若い人だけだと仕事もあるので活動が難しい所があった。そこで旧共産党と協力してやる事が多かったそうなのだが、ついに共産党議員団事実上解体して、そのグループに合流することにしたのだそうだ。と言っても、もう共産党議員団は一番若い議員も74になるし、次の改選になるが引退意向のようだった。前は4名は送り込んでいた議員も今は2名。会計のチェック能力などは凄い手腕をもってて活動していたけれど活動は弱くなっていた。これを機にメインで動いていた人は引退していくので、事実上吸収合併世代交代ということのようだ。

ここが担っていた、共産党系の農業者グループも同時に解散する事になった。まぁ近頃は確定申告勉強会ぐらいしか活動やってなかったが。


共産党というとアレルギーを起こす人も多いだろうが、彼らの活動は、議員としては町政の監視と言う事で、ルーズになりがちな田舎町長監視するのが主な仕事で、結構成果を上げていた。

例えば、我が町の最大のスキャンダル土地開発公社に関わる利益供与事件不正会計は彼らが見つけたものだ。町長経営する建設会社から町が直接土地を買うと目立つので、土地開発公社に迂回して購入する事で町のルールバイパスさせたと言う件である。そして土地開発公社は似たような事に使われていたことが次々と発覚して解体させた件だ。

一方で、それ以外は地道な活動が多く、困窮者の支援や、困りごとの相談本来なら行政がやるべき行政手続きの話のフォローやら、お祭り屋台を出して盛り上げたり、子ども達の見守り活動をやったり、通学路の草刈りをしたりと、そう言う団代であった。なので地域でもそれなりに一目置かれており、特にまとまりという点ではよい団体の一つだった。

しかし、このような決断に至った理由は、高齢化の話が最も大きいが、やはり県の共産党から降りてくる施策になかなかついて行けないと言うのもある様だった。思想的な話というよリも、組織力が落ちてきている中で、共産党中央組織はただただ組織の引き締めと称する、要求ノルマ地域に下ろすだけになっているようで、ノルマは当然達成できないし、する気もなくなっているようだった。

それから、この団体の中核を担っていた、社会福祉法人理事長代替わりも関係していると思う。どうやら民医連から脱退したらしい。何があったか知らないが(すっとぼけ)


ということで、新しい団体の報告会があるようなので聞きに行ってくる予定である。たぶん、共産党から降りてくるくだらない仕事が消えた分だけ、町政によい影響があるのではと期待している。


追記

伸びてて驚いたので、誤解を生みそうな所を補足させてほしい。

2024-08-30

スタートアップ業界事情増田ですが追記

蛇足するつもりはなかったが、https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20240829230604 これの

develtaro 意識高いスタートアップ意識高いリベラルってことだから同一視してるようには見えんが。意識高かろうが金や権力を持つと誰だって性欲に負けるってことでしょ。広河なんとかとか

これに呆れたので追記します。

広河はセクハラレイパーだがスタートアップ界隈の人ではなくジャーナリスト社会活動をしてきた人なので、id:develtaro は何を突然持ち出してるんだろう?論理的思考ができないタイプかな?どうせ本編に何も関係ないジャーナリストレイパーを持ち出すならバランスとる意味でも山口敬之氏の名前も一緒に添えるとよいんじゃないかなと思います。ま、意図としては本編と全く関係なく「女が偉そうに何かを言っててイラっとしたかサヨクを貶めてやろう」ぐらいの下らないもんだろうとは思うので余計なお世話ですかね。

その他についても少し追記

政策投資銀行やら信金やらのありがたいご提案について

政投銀の「若い人・女性シニア向けスタートアップローン」あるんだけど、あれは半分は運転資金(つまり事業開発資金は半分)かつ最大金額は数千万なので、増田および増田の見聞きする界隈だとシード期ぐらいまでの狭いターゲットかと思っています。あれを借りてる人は当然わりと見かけますが、今回増田説明した「スタートアップ支援まわり」とはフェーズが違う。あとあれは「女性専用」ではなく、20代や中高年もターゲット商品があったかと思います

businessart 「女性起業家のみ」受けられる融資とか補助金とかあるんよね。予算使い切るのが目的からバカみたいなゆるふわ事業計画でもオッケー。大学女性枠と同じでバカにされる元凶の一つではある。

n_vermillion あの辺の話を根拠女性起業家専用補助金みたいなのが出てきたらさらなる地獄なので、それは止めて欲しいなぁとは思っている。

いつもの常連ミソジニーおじさん」がこんなこと言っててていちいちウザいこと極まりないですが、この融資枠は「若者」や「おじさん」もターゲットなので安心してください

実はスタートアップ向けの融資支援補助金などは「若い人向け」 「女性向け」 「シニア向け」だけじゃなく色んな人をターゲットにしたものがありますので、興味があるなら調べると良いと思います

まぁでも「中年男性向け」ってあんまりないんだよな。そこは不公平な気もする。その一方で多くの中高年男性はすでに既存会社機構のなかでそれなりの地位を持っている人が多いので、起業する余裕も起業したい気持ちもない人が多そうではある。ただ中高年サラリーマン男性は、社内起業制度新規事業コンペなんかを会社でやってたりするところが昨今とても多いので、そっちからチャレンジすると良いと思います。その辺が実質的には「中年男性向けのスタートアップ支援」を担ってそう。

その他、信金はどうだとか創業融資簡単だろうとか言ってるブコメも含めてなのですが、そんなさらっとブコメする程度のことは、当然すでにやっています

ipinkcat 女性起業家はマジな話日本政策金融公庫女性向けの開業資金融資枠を使えばいいんだよ。そしたらセクハラされない。スタートアップとかギラギラした世界ではなく地に足をつけて創業してくれや

政投銀の資金は受けて返済+追加融資を受けられて、それでもまだ足りなくてVCにというケースもよく見かけますウエメセキラキラで地に足付いてないとか決めつけるの、相当かなりあんま良くない。

あとそもそもセクハラはする奴だけがとにかく悪い。

「される奴も悪い」は痴漢の件でさんざんインターネットにいる女たちが怒ったたと思うんだが、いちいち説明しないと分からんですかね…。

ちなみに、増田が今回説明したのは、スタートアップ業界の中でも、割と硬め・大きい目のスタートアップ支援まわりで見聞きしたことなのでかなり限定的なのですが、そういう場だと、君らが言ってることは起業事業拡大しようとしてる人がやってないわけないじゃん…って感じですね。あとそもそも信金金融機関の一つなので「金融機関スタートアップに金出してくれにくいよ」と言ってるのに信金あるじゃんってのはちょっと面白かったです。

まぁ、信金地元の「新しく店出すんだよね」 「地元独立するんだよ」みたいな新規融資には強いですが、増田言及しているスタートアップとは少しかなり生息範囲が違います。あと面白いついでで言及すると、「士業だからローン楽なんだよな半分は不動産だけど」にも笑いました。不動産に付けるローンは不動産という担保があるのでとても簡単だと思います事業資金貸付とは窓口も融資基準も違いますね。

とは言え、私は、商店街の新しい店に信金が金貸すみたいなスモールな界隈については分からないので確かなことは言えない面は正直あります何となく、ガラが悪そうな感じもするし(偏見)、私のよく知らないスタートアップ界隈では、「キラキラワナビーガール」がセクハラ上等で金を集めている界隈もあるのかもしれない(偏見)ので、私が話している限りではもちろんありません。ま、大金を動かせるエスブリッシュでネオリベラリストなおじさんたちも決してガラの良い人たちばかりでもないんだよね。うーんこの

要するに、「これだから女は」 「「これだからキラキラスタートアップは」とセカンドレイプに勤しむ前に、「とにかくハラスメントダメ絶対!」を、なぜ言えないんでしょう。それをぜひ考えてほしい。


■一方でスタートアップ業界ネポティズム縁故主義)の嵐ではある

なぜセカンドレイプちゃうのか、ということで…その理由邪推してみると、「あいつら俺の知らないところで良い思いをしてそう」というのが根っこにあるのでしょうか。だから妬みや嫉みか生まれて、自分の中のネガ感情を消化したくて平然とセカンドレイプできちゃうんじゃないか。と勝手仮定してみます

実際、スタートアップには、場合によっては人の嫉みを受けやすいようなネポティズムがとても有効に働くのは事実です。「徒手営業にいっても儀礼対応だった企業が、〇〇さんが事前に一報入れてくれて再訪したら契約できた」みたいな話は山ほど転がっている。でもこういうのはビジネス世界なら、大企業に勤めてる人だろうが自営業だろうが、みんな多かれ少なかれ「そう」でしょう?

ピンポン営業が忌み嫌われるのは、ビジネス世界は信用によって関係が構築されることが多くピンポン営業には意味がないからで、何千万、何億のお金を貸すかどうか、自分大事な人脈を分かち合うかどうかは、やっぱり信用=縁故一定有効になってしまう面がある。

ネポティズムにはそういう「信用」を取り結ぶ良い面もあるけど、一方でうっかりすると関係が閉じがちだったり、「信用してほしいならさぁ」というハラスメントが生まれやすい土壌にもなる。だから、まぁハラスメントの発生度合いが一般社会よりも増えるのかもしれないと思います。あと「閉じない」ようにするためには、前の文章にも書きましたが、由来のしっかりした(可能ならそれなりに規模の大きい)スタートアップコミュニティに参加しておくのは大事かなと思う。

とはいえ、前の文章でも書きましたが、スタートアップおじさんがすべてハラス野郎なわけではないし、やっぱり「どんな場合だろうがハラスメントダメ絶対!」でいいよね。

ikaironic 見返り要求されてるってことはその程度の事業ってことなのでは男女問わず

repunit やってる事がひととき金融だもんなぁ。

融資出資の見返りは金利配当なので、セクハラは「見返り」には当たりません。「ひととき金融」と言って貶めるのも典型的セカンドレイプですね。

shira0211tama わかりやすい。そんでハラスメントダメというのはご尤もだがどうにもならんでしょ。金出す側も慈善事業じゃない。能力落ちたとはいえ体力はある銀行組織すら金出さな社会リスク遭遇ゼロにしたいは無理ある

金出す側は慈善事業じゃないからこそ、色んな知恵を絞って伴走業務します。出資者は当然そこのリスクを取りリスクをヘッジするために働く。VCスタートアップ敵対関係ではなく並走関係になるのが理想なので「セクハラが条件」になるのはあり得ませんね。新規事業リスクは色々あるけど「セクハラ」って一番意味がないリスクだし、天変地異とか市況変化とかと違って幾らでも減らしようがあるリスクだと思います。まずはあなたが「どうにもならん」と思わないようにするところから始められませんか?

あと「銀行すら金を出さない」については文章ちゃんとご理解を頂いていないようなので、お時間のある時にもう一度読んでいただけるとありがたいかもです。現代日本金融機関は、融資する金がないわけではなく直接融資審査する能力がないのです(なのでVCファンドなどを通じた融資は割と積極的にしていたりします)。


id:miscmiscさんへお返事

miscmisc コメント拾ってもらえて説明もされたんだけど、やっぱり「スタートアップ業界」は日本語として違和感あるな。ベンチャーキャピタルエンジェル投資家=スタートアップ業界ですって言ってる?業界じゃなくね?

ベンチャーキャピタルエンジェル投資家=スタートアップ業界ですって言ってる?>言ってません。

例えばVCも、資金調達する人、出資した会社へのコーチング監視財務管理、新たな出資先の発掘・営業、新たな出資先の発掘・営業などの様々な「仕事」が内包されていてそれぞれの専門家が働いています。また、前述した「スタートアップコミュニティ」は、コミュニティ自体運営イベントや何かの運営事業支援サポート研究大学研究所との協力体制構築、スタートアップシーズの発掘・発見補助金の応募申請運用広報PRなど、それぞれ異なる仕事をする人たちが集まっていて、まぁ新しい業界なだけに、いろんな異業種から人を集めてやっています。こういう全部が「スタートアップ業界」だと考えていますスタートアップ支援VCけがいれば出来るわけじゃないなという感じですね。VCも、専門系のVC(例えば医薬品金融サービス、とか専門ジャンルを絞っている)もあれば、ノンジャンルVCもあったり。専門系VCはまぁ対象ジャンルに詳しい実業界大学から人が集まっていたりもしますし、ノンジャンルVC場合は外部から対象スタートアップに関して知見がありそうな人をスポット招聘してきたりもしていますので、広がり続けてたりします。スタートアップ自体も、その段階(シードとかアーリーかいうやつ)や業界や最大成予測事業規模など、本当にかなりさまざまあるんで、それを支援する人たちも、金も人もかなりバラエティ広く必要になってきてると感じています

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