はてなキーワード: ウィンクとは
「合理性バイアス」という言葉は、特定の認知バイアスを指すというよりは、**人間が必ずしも合理的な意思決定をするわけではない**、という行動経済学や心理学の文脈で使われる広義の概念として理解するのが適切です。
人間は、論理的に考えればより良い選択肢があるにもかかわらず、感情、経験、周囲の状況、情報の偏りなど、さまざまな要因によって**非合理的な判断をしてしまう傾向**があります。この「合理性からの逸脱」を引き起こす心理的な偏りのことを、一般的に**認知バイアス**と呼びます。
### 代表的な認知バイアス(「合理性バイアス」に関連する例)
「合理性バイアス」という言葉が指すかもしれない、いくつかの代表的な認知バイアスを以下にご紹介します。
* **例**: 「この商品は絶対に良いものだ!」と信じている人が、その商品の良いレビューばかりを見て、悪いレビューは無視してしまう。
* **例**: 災害警報が出ているにもかかわらず、「自分は大丈夫」と思い込んで避難しない。
* **例**: もっと条件の良い会社に転職するチャンスがあっても、「今の会社もそこそこだし…」と行動を起こさない。
* **例**: 高い値段の服を見た後に、少し安価な服を見ると「お得だ」と感じてしまう。
人間が非合理的な判断をしてしまうのは、脳が効率的に情報処理を行うために、過去の経験やパターンに基づいて無意識のうちに判断をショートカットする「ヒューリスティック」という仕組みを使っているためです。これは普段の生活では役立つことが多いのですが、特定の状況下では判断の偏り(バイアス)を生み出すことがあります。
これらのバイアスを完全に無くすことは難しいですが、意識的に対策することで、より合理的な意思決定に近づくことができます。
人間が持つ認知バイアスは、私たちの意思決定に大きな影響を与えます。これらを理解し、意識的に対応することで、より良い選択ができるようになります。
今日はちょっと、うちの爺さんがぽっくり逝っちまった話をするよ。
なんだろうな〜、人ってほんと急に死ぬのな。
前の日まで元気に「おいオセロやるか?」っつって、俺が黒でやると「あたしゃ黒人嫌いなんだ」ってボケてた爺さんがさ、
御霊前、御仏前、御布施って、どれがうちの爺さん前なのか分かんねぇんだよ!
当日だよ。坊さんが来た姿を見て仰天だよ!
なんか知らねぇけど、すごいな袈裟着てんの!
もうね、紫だの緑だの黄色だのがバチバチしてて、見た目は完全に笑点。
「なにそれ、季節の法要コレクション2024春夏モデルですか?」って聞きたくなるくらい派手でさ。
しかも並んで座るとさ、こっちは黒スーツ、遺影も白黒、花も白、全部モノトーンなのに、
坊さんだけパリコレみたいな配色で鎮座してるの。
なんかあれよ、滑った時のSEみたいに聞こえんのよ。
つい口走っちゃった。「座布団持ってってー!」って。
そしたら親戚のばあさん、肩震えて笑ってやんのよ。
でさ、式が終わって、
「じゃあ精進落としってことで会食を」って話になったんだけど、
「じいちゃん、明るいのが好きだったからよ〜、ちょっと華を呼んどいた!」って。
で、どっからどうやって呼んだのか知らねぇけど、
黒いワンピースの会場に、ピンクのキャバワンピがスッと差し込まれてさ、
俺のカミさん?
表情、ピクリとも動かねぇの。
いや、逆に感心したね。仏より無表情ってどういうことだよ!
自分も飲んで、あっという間に出来上がってんの。
「ピカソより〜普通に〜、おっぱいが〜、す〜き〜〜!!」って。
ばかやろう!!!
しかもそれ言いながら、
その場にいた女の子のとこ行って、ナチュラルにおっぱいモミやがってんの。
顔が「やだ」って言ってねぇの。むしろ笑ってんのよ!
でも周りの親戚たち、酔っ払ってるからもう全員笑ってんのよ。
「おじいちゃんも見てるわよ〜」
「孫バカだなぁ〜」とか言って。
「今夜あたり…じいちゃんの生まれ変わりが…君のお腹に宿るかもなぁ〜♥」っつって、
ばかやろう!!!
俺?
その顔見た瞬間、俺の胃袋がキューってなってさ、
「あ、俺の四十九日、近いな」って思ったね。
いや〜…でもさ、
じいちゃん、もしあの場見てたらきっとこう言うと思うんだよ。
少なくともあの会場は、笑い袋よりよく笑ってたぜバカヤロー!!
私は百合好きの女オタクで、自分でも百合作品を描いてXやpixiv(最近だとBlueskyやXfolio)に投稿している。私は昔から男に興味を持てず、ずっと肩身の狭さや生きづらさを感じてきた。
私は子供の頃から女の子を描くのが好きで、毎日のようにコピー用紙にオリジナル衣装の女の子を描いてたのを覚えている。たまに母や妹を描いてプレゼントしたりしていた。その頃は絵が下手で、必ず片目をウィンクさせてホームベースみたいな輪郭を気に入って描いていた(そして最近、昔プレゼントした絵を妹から見せられて下手すぎて悶絶した)。
そして小学校高学年になって、なぜか今更プリキュアにハマる。子供の頃から逆張り気質があったようで、みんなが好きなものを好きなのはダサい、プリキュアが好きなんて子供っぽいと子供のくせに思っていた。でも高学年になったら一周回って恥ずかしくなくなったのだ。そしてそのとき、初めて二次創作し始める。高学年とはいえ小学生なのでプリキュアキャラのしょうもないわちゃわちゃを描いたゴミ漫画だったが、この頃から自分の百合好きは始まったのだと思う。
そして中学生に上がり、美術部に入ったのだがそこは地獄だった。美術部には大きく分けて二種類の人間がいる。真剣に絵を描きたい子たち、そしてただ騒ぎたいだけのオタク女(腐女子)。私は前者だったが、うちの学校の美術部は数人を除きほぼ後者だったのだ。私や他の真面目な生徒が真剣にデッサンしたりコンクールのイラストを描いてる中、腐女子たちはノートに二次元のイケメンキャラを描いてぎゃあぎゃあ大騒ぎ。クラスのオタクグループにも腐女子や夢女子はいれど、百合好きはいなかったので孤独だった。オタク以外の女子もK-POPアイドルやジャニーズに夢中で、“イケメン”というコンテンツを介してじゃないと同性と仲良くできない、そんな空気があった。当時の私はこれがすごく辛かった。中学生になっても男に興味が持てず、昔からずっと可愛い女の子が好きだったからだ。昔は一緒に自由帳で女の子の絵を描いていたあの子も、いつしか男キャラの絵ばかりようになっていた。保健の授業では、異性に興味を持つことが成長の証かのように教えられる。じゃあ私は成長してないってこと?と聞きたくなった。
今はSNSを通じて百合が好きな女性と繋がることができたので、孤独感は大分薄れた。でも、創作関連のサイトを見ていると同人女性はBL、男女、夢のいずれかに当てはまるという決めつけを感じてモヤっとしてしまう。やっぱり自分みたいに男に興味のない女は居場所がないのか…。子供の頃は男の子だと戦隊モノや仮面ライダーみたいなカッコイイ男が好きで、女の子だとプリキュアやディズニープリンセスみたいな可愛くてキレイな女性が好きで、同性を好きなのがむしろ普通なのに、思春期になったらそれが逆転して男は可愛い女性が、女性はカッコイイ男を好きになってしまう。こう考えると生殖本能で本来好きなものが歪められているように感じるのは私だけだろうか?
それと私みたいに“イケメン”というコンテンツを介してじゃないと同性と仲良くなれない空気に迎合して、本当は大して男が好きじゃないのに、男が好きなふりをしているという女性も多いんじゃないかと思う。そういう人には、別に男が嫌いでもいいんだよと言いたい。私は自分の人生に男は必要ないと思ってるし、それをおかしいとも思わない。
同時に、百合というジャンルは男が性欲を満たすための道具ではなく、女性のためのものであってほしいと思ってる。最近はSNSでも少しずつ百合作品を投稿する女性が増えてきているのを感じる。でも、まだまだ「百合=男性向け」というイメージは根強くて、性的なシーンを求めるコメントが付くこともある。実際、男作家が女性キャラに男の性欲を投影したり、場合によっては男性器も生やして男女の恋愛やセックスの真似事をさせている作品も多い。私が描きたいのは、女の子同士の純粋な愛情や絆なのに…(もちろん性的な百合を好きなレズビアンの方のことは否定しない)。
最近は、SNSで「私も実は百合が好きでした」という告白を見かけることが増えた。そういう投稿を見るたびに、心の中でそっと手を振りたくなる。きっと私と同じように、周りに合わせて自分の気持ちを隠してきた人たちなんだと思う。
これからは、もっと女性による女性のための百合作品が増えていってほしい。恋愛だけじゃなく、友情や姉妹愛など、女性同士の絆を描いた作品ももっと見たい。そして何より「男が好きじゃない」という理由で自分を責める必要なんてないということを、もっと多くの女性に知ってほしい。私は今でも可愛い女の子を描くことが大好きだ。そして、それは間違ったことじゃないと胸を張って言える。これは、あの頃の私に教えてあげたかった言葉でもある。
推し活で壊れている人、9割ぐらいは「俺はこんなに金を使ったのに!」と言いながら狂ってる。
金を使っていることによって生じる優位性を利用して自分の願望を叶えてもらうという状態が長く続いた結果として、「金さえ払えば何でも要求していいはずだ」と勘違いするようになる。
「金を払う」という形での関係に慣れきってしまった結果、相手のことがただの商品に見えてくる。
そして、商品に対して金を払ったのだから自分の所有物であると勘違いするわけである。
アイドルオタクが結婚報道を聞くと大量のCDを叩き割った画像をアップロードするのは、「僕はこのオークションでこんなに頑張ったんだ!景品が欲しいならちゃんとオークションに参加しろ!」と主張したいわけである。
別にそんなオークションは行われていなくて、その場限りで金とコミュニケーションの売買が成立ししてるだけだということに気付けない。
そもそもが金でコミュニケーションを売買するということ自体がおかしな話なので、歪んだ市場に長く関わった結果、認知がぶっ壊れてしまうのも仕方がないという気はする。
アイドルの握手会にしろ、Youtubeのスパチャにしろ、ファンクラブのちょっとした特典配信にしろ、LIVEのパフォーマンスで客席にランダムでウィンクを巻く程度にしろ、金を積むことでコミュニケーションの機会が増えるような環境、増えたと錯覚させるような環境にいると客の何%は壊れてしまうのだ。
そういった業態を取る者達は、客を壊しているという自覚を持つべきだ。
これは、居酒屋が「自分たちの商売によってアル中になって壊れてしまった人もいるのではないか」という罪悪感を抱えるべきなのかというような話ではあるのだが。
ASSMUが終わった。
ヘヴが出るって言われた去年の3月絶叫した。
スタリとカルナイが悪かったのか?
違うんすよ悪かったんじゃなくてすげーいいけど昔みたやつだった。それだけ。
それだけのことが他の例えばトキヤの尻芸とかレンのトンボ捕まえとかナギちゃんがラブレボリューションウェニーワンだったりとか丸ごとで丸作るヴァンキリューインとかの面白さと会場をZEPPお台場にした黒崎さんの、プリライとリンクして初手ナンバーワンこと翔さんの、静と動の足捌きが素晴らしかったシオンのパフォーマンスの印象をちょっと弱めてしまう。悲しい。
ヘヴスカ最高だったよ、SSSのフォスライみたときもシャニロマみたときも、SSS2の天ミラもスタメモも同じく最高だったよ今年もそういうのみられると思ってたよ。
前奏始まってあれ…こいつは俺の知ってるRAINBOW⭐︎DREAMくんじゃないの?!?!
2年の時を経て…再か…いやみじけーわ!!!
SnowManが今年のコンサートをD.Dで始めるか?!?!周年でもないのに?!?!マジLOVEじゃねえんだぞ?
去年確かにブラホワの衣装、去年のと色違いはなくないですか?って言った、言ったよアンケート仕事かと思うくらいちゃんと客観視を気にしてお気持ちにならないように頑張ったよ
でも衣装変えたら曲は変えなくていいなんて言ってない!!!!!!!
いやRAINBOW⭐︎DREAM君悪くないほんとにこちらの受け手の問題なんだ知ってる出されたものを美味しく食べるのが幸せなんだよわかるよ食うよ来年も行くよ
でも俺はキングダム出の永遠の新規なので当時はヘヴがすげーー人気あって銀テもカルナイ欲しいなって思ったらすぐ交換してもらえたみたいなそんなの思い出しながらヘヴ楽しみにしててヘヴは期待以上に可愛くて楽しくてパフォーマンスもすごくて
でもスタリもカルナイもソロがあんなにいいのになぜになぜに新曲がみれない?
ヘヴのクローズアップ戦略なのでは?って言ってる人みたけどちげーんだよ去年もやってっから。
コンサート中にタイムスリップしてっから!!アホみたいに円盤買っただろ?見てみ?
アレなこというとSSS当時はテンポがアレで途中途中現実戻される時間とかがあったりしたのがなくなってたりするのとか
ファンサとかMCのわちゃわちゃさとか進化してるのも知ってるしありがとうと思ってる
でも曲ストックがあるのをわかってて3回の違うツアーで同じ曲やられんのはさすがにやってんのよ
でもこれは私のただのお気持ちなので別に運営は叶えなくたっていいです。
ここに吐き出すことでまた客観的にアンケートを書く、そしてまた良くなっていってほしい。
今年はアクスタの在庫をアホみたいに用意してくれたのすっごいありがたかった。
去年は初日10時枠とった人の代行募集に蛍光灯の虫みたいにリプがつくし毎日毎日呪詛みたいなのが流れてきたから事後にしたけど今年は会場でアクスタで写真撮れたの嬉しかったから全員揃えたもんね。
それが直ったんだからきっと来年はできる、できるよな運営みんなたち。
無数に存在する合成大西瓜のパクリゲームの中で有料で売りつけている面の皮が厚い輩が「スイカゲーム」だった。
嘘だろ。
ウルティマ→夢幻の心臓→ドラクエⅠのような進化の歴史ってわけでもなんでも無い。
マジでグラを変えただけなんだ。
マジである。
まあ合成大西瓜の前に数字を合体させる落ちものパズルが沢山あったわけだけど。
でも落ちものパズルのグラを変えて可愛くしようってアイディアは合成大西瓜で完成したと言っていいだろう。
そっから「スイカにウィンクさせよう」だけで勝負したのがスイカゲーム。
凄いな。
「ショートケーキの上にイチゴを載せよう」をやったら滅茶苦茶売れまくってしまったみたいなもんだな。
むしろ「クリスマスケーキの上に食えないサンタさんの人形を挿そう」ぐらいのしょーもなさか?
天才的な商才だよ。
それに対して多くの人が「凄い!こんなの初めてだ!」と言ってるわけだ。
なーんということだぁ……。
※ ネタバレはしていないつもりです。
※ BL要素はありません。
知り合いの女性(刀ミュオタク)から、「チケットが余ったのでよければ一度観に来ないか」と誘われた。秋ごろのことだった。
彼女(以下、Aとしよう)はひとつの公演でそりゃもう何会場も回る筋金入りで、推し俳優のリリースイベントやバースデーイベントなどにも足繁く通うほどの生粋のオタクだ(ほめてる)。都市圏ならば全国どこでも行くような人物であるが、もちろんこういうジャンルは得てしてチケットの争奪戦が厳しい。というわけで仲間たちと複数人で申し込んで当たった誰かのチケットに便乗して……というのが通例になっているのだが、なんでも我々の地元・愛知会場も同じように複数人で申し込んでいたところうまいこと全員当たってしまい、誘うアテがなかなか見つからなかったため試しに私に声をかけてくれたのだそうだ。(ちなみにA名義で4席あったため、共通の女友達B、Cにも声をかけていた。)
最初は断ろうと思った。まあほぼ間違いなく浮くだろうし、「本当に観たい人がいるはずなのに自分なんかが行ってもいいのか?マナー的に。あとでツイッターで怖い女性ファンたちに匿名で叩かれ、磔刑にかけられるんじゃなかろうか」などということを思ったからなのだが、実際少なからず興味はあったのと、まあお金は出すんだし着席する権利はあるだろうと自分に言い聞かせ、誘いに乗ることにした。
私はもともと、女性向けコンテンツに興味がないわけではなかった。そもそも男性声優のラジオ(DGSとか)を聴く程度にはオタクであったし、アニメはほとんど見ないものの、ハマってしまったFree!!のブルーレイは2期+劇場版までそろっているし(ちなみに推しは宗介)、最近はヒプノシスマイクの曲を聴いており、キャラごとのドラマパートまで聞くようになってしまったし。それに、件の刀剣乱舞もサービス開始から1年程度はプレイしていたこともある。比較的少年系の刀が好きだったので、蛍丸や獅子王を最後までメインの編成に入れていた。
しかし、2次元キャラでもなければ声優でもない、いわばゲーム原作が立ち上がった段階では関係のなかった、俳優たちによるゲーム原作のミュージカルに、果たして惹きつけられるような魅力はあるのか。一応演技のプロではあるが、歌のプロでもなく、ダンスのプロでもない。原作への愛はあるのかとか、クオリティはどうなのかとか、気になる部分はいくつもあったし、今思えば少し懐疑的に見ていたような気もする。その答え合わせのために行ったような側面もあったと思う。
今回の会場はセントレアすぐ横のスカイエキスポという場所。初めて行く所だったので、少し早めに名古屋駅から中部国際空港駅への電車に乗ったのだが、まずここで驚いた。乗客の9割が女性。「え?これは”やった”(女性専用車両に誤って乗ってしまうの意)か?」と思った。必死で背伸びし、血眼になって男性を探したところ、扉のすぐ前にスーツケースを持った初老の紳士を発見した。心から安堵した。私には彼が救世主(メシア)に見えた。違和感に気づいてから紳士を見つけるまで時間にしてわずか3秒ほどのことであったが、私にとってはひとつなぎの大秘宝をめぐる壮大な冒険の時間であった。ワンピースの正体が初老の紳士だったらウケるだろうな。
多くの女性たちはよく見るとなんかカバンとか髪とかに似たようなヒモみたいなやつをつけており、ああ、彼女たちが今日の公演の来場者か、とそれで察しがついた。
私は音楽が好きでライブやフェスにもよく行くのだが、そういったイベントに向かう来場者が一様に身に纏う”モード”みたいなものが好きだ。同じようなアイテムを身に着けた人々が、同じような期待感をもって同じ会場へ向かう。まったくの他人のはずなのに、全員で遠足に来ているような感覚に陥る。私は所有していた唯一の刀剣乱舞関連グッズ、蛍丸のラバーストラップをカバンにつけながら、そんなことを思った。
到着したのは開演の1時間ほど前だった。先に現地に来ていたAと合流し、遅れてくるB・Cを待ちながら辺りを見渡してみた。女性ばかりだ。チラホラ見かける男性も、その多くは隣で開催されているFGOの展示会に訪れたような風采で、見たことあるキャラの見たことないグッズを手に奥の施設へと歩いて行った。事前には聞いていたが、男子トイレはがらんどうで、広々としたスペースの中に3人いただけであった。普通にめちゃくちゃ刀剣男子の缶バッジつけてる方とかもいて驚いた。
B・Cとも合流し、我々は人波に流されるまま会場内へ吸い込まれた。会場内は予想していたより二回り以上大きくて、コンテンツの覇権っぷりを身に染みて感じた。
席は通路側から4席分だった。私のにわか知識でも通路側は人気だと知っていたため、さすがに通路に接する席はAに座ってもらい、私はその隣に座った。Aはなんとも用意周到で、私の分のペンライトやうちわまで用意してくれていた。刀ミュの専用ペンライトは優れもので、推しの色を先に登録しておけるらしい。私は操作の指南を受けながら、スタンダードな青色を初期配置として記憶させた。
またも話がさかのぼるが、私は以前からAに(オタク気質を見抜かれて)刀ミュ関連の画像や動画の視聴を勧められていた。男性が男性を推すというのは恐らくややイレギュラーなことなのだろうが、その中で私は2人の”推し”を見つけた。
1人は鳥越裕貴氏。役は大和守安定だ。刀剣男子自体の役どころとしては真面目で実直ながら、どことなく女性的で可愛らしいキャラクターだ。しかし、私はむしろ、役に入っていない状態の鳥越氏に非常に魅力を感じた。というのも彼は、ツッコミが上手い。
これは私の持論なのだが、いわゆるコント的な場の空気になったとき、「なんとなくボケる」ことは誰にでもできると思っている。もちろんその巧拙については個人差があるが、ボケは簡単なのだ(だからこそ才能の発揮される部分でもあるのだが……)。対してツッコミは、才能だけでは解決できない。その場の状況を整理し、その場に応じた言葉を、できるだけ早く用意する能力は、長年のトレーニングによってのみ形成される。そうして身につけた能力を、玉石混交のボケに対応して発揮してあげるのだ。その点で、ツッコミはサービスだ。だから、適切な、上手いツッコミができる人というのはボケの人数に対してかなり少ない。そして、鳥越氏のツッコミ能力は(少なくとも私が視聴したいくつかの動画でのトークで判断するならば)刀ミュ俳優の中では群を抜いている。おそらくこれは、彼が多様な人物と積極的にコミュニケーションを取り、相手を尊重しながら話すことを心掛けてきたからなのではないか。そんな背景が透けて見えたりするところに人間味と魅力を感じた。(あと筋トレの動画がシンプルに参考になった。)
もう1人の推しは、大平俊也氏。役は今剣。これは役のイメージと本人のイメージがぴったり合致する。中性的・少年的で、あどけなさが残るところが氏の魅力だと思う。普通に顔が可愛い。初めて写真を見たときは、そういう印象だった。
ただ実は、彼に関しては開演前、これ以上の印象がとくになかった。動画などを見ていても、ただ容姿や仕草が可愛らしい真面目な人という感じで、もう一歩魅力を感じる部分に欠けていた。強いて言うなら彼にはただ天真爛漫なだけではない、いわゆる「闇(この言葉が深い意味で使われることってほとんどないのであまり使いたくはないのだが)」を感じたような気がして、そこを興味深く考えたからなのかもしれない。(あとこれは完っっっ全に言いがかりなのだが、邦楽ロック界隈では見た目が中性的なバンドマンほど性欲が強くてファンと寝まくっているという根も葉もない(たぶん葉くらいはある)噂がまことしやかに囁かれており、同じく大平氏も男性的な部分を見せたりするんだろうかという謎の興味もあったのかもしれない。)
そういうわけで、私はひとまず、2人のうちとくに人間として魅力的だなあと思った鳥越氏(安定)を推しとして設定し、ペンライトの色を決めたというわけだ。
私の席から見渡した辺りはほんとうに女性ばかりで、電車内の女性が9割だったとしたらここはもう99割が女性だった。男性の存在についてAに訊いたところ、「まあほとんどが彼女に連れてこられてるだけの人だね」と言っていた。リア充爆発しろという一言でも言いたいところであったが、ここで爆発されたらイベントに影響あるし片付けとか面倒だろうな、と考えて口をつぐんだ。
照明が落ち、舞台が始まる。観劇自体がずいぶんと久しぶりだったので、なんだかいやに緊張した。隣に座るAは早速双眼鏡を取り出し、推しの額に光る汗を堪能しているようだった。(Aは同公演に何度も通っているため構成や内容を覚えてしまっており、推しが出てくる数秒前から出てくる位置にすでに双眼鏡を向けていたためさすがにすごすぎて笑ってしまった)
ドラマパートでは刀剣男子たちが次々に現れ、おのおののキャラクターらしい台詞で我々を楽しませてくれる。思っていたよりも総じて演技のレベルが高く、ちょくちょく挟まれる小ボケも普通に笑える。
そうこうするうち私が注目する安定が現れ、男子たちの会話の輪の中に飛び込んでいった。しかし、私はここで少し違和感を覚える。筋トレの動画を何度も見ていたせいか、あどけない口調の安定と兄貴肌の鳥越氏のイメージが重ならない。まあまあこれはこれでいいか、役なんだから、と納得させながら私は舞台のほうに居直った。
逆に、今剣は役と人物が寸分違わず重なった。大平氏の声・仕草は、本家のゲームで出てきた今剣のイメージとほとんど同じだった。鳥越氏の力不足とかそういうことでは断じてなく、これは純粋に大平氏の持つ魅力と、またそれを見越してあてがわれたキャスティングの妙だと思う。それほどまでに今剣の立ち回りは見事だった。
しばらくすると、おもむろに周囲の女性たちが起立し始めた。なんだなんだ、校歌でも斉唱するんかと思いながら付和雷同、私もペンライトを持って起立した。どうやらここからしばらくはライブパートらしい。ミュージカルと言いながらけっこう現代的な曲(EDMとかそっち寄り)なんだなあなどと思っていると、演者たちがステージで踊りだし、さらには客席中央のステージでもダンスが始まった。
先に言っておくが、歌もダンスも全員上手い。だがその中でも、大平氏のダンスは別格に感じた。なにって、踊っているのがはっきりと”今剣”なのだ。彼は背も高くない、体つきも華奢で、いわゆるダンサーとしての資質は他の刀剣男子に劣っているといえる。しかし、手足のフリが誰よりも大きい。大きいだけでなく、キレもある。そしてその懸命さが、彼のマイナスの資質をいっきにプラスへと逆転させていた。ステージ上で彼の弱点は、はっきりと長所だった。「おそらく今剣が踊ったらこんな風なんだろうな」という彼なりの答えが、あのダンスには込められていた。
踊る彼を見て、この人は無敵だ、と思った。
ダンスに魅入っているのも束の間、舞台はまたすぐにドラマパートに戻り、ライブパートと交互に展開しながら進んでいく。そしてついに山場、俳優たちが客席まで降りてくるフェーズが訪れた。通る刀剣男子から直接手を振ってもらえたり、ウィンクされたりすることを、ファンサービス(ファンサ)というらしい。私は自分の推しが通ったらなんとなくうれしいな、という程度で呑気に構えていた。(隣のAは推しの様子を見ながら奮起していた)
通りがかる刀剣男子たちをぼーっと見ていたときのこと、後ろ側からやってきた和泉守兼定が、私に向かって指をさし、はっきりと目線をくれた。一瞬、自分に向けられたものかどうかわからなかった。よくわからないが笑顔で応えたことだけは覚えている。こんなことを言うとタイトルの通り誤解されそうではあるのだが、私の知る限りあのときの感情に最も近いものは、恋だ。
理由は説明できない。できないのだが、「イケメンが選んでくれた」という感情は、きっと男であってもうれしいのだと思う。それほどまでに私が受けたファンサは衝撃的だった。そして、推しでもない人でこれなのだから、これを自分の推しから直接もらえるなどということがあれば、それはどれほどのクソデカ感情になるのか。想像すると、むしろ恐ろしくなるほどだった。
終演までのライブパート、私は自然と目で今剣を追っていた。彼の、あの衣装でのダンスをもっと見たい。いつまでも見たい。だんだんとそう思うようになっていた。
終演後、私はAに感想を伝えた。予想していたよりずっと面白かったと述べると、Aはしたり顔であった。彼女は物販に行くと(地元なのでここでお金を落としたいという敬虔なオタク然としたことを言っていた)私に伝え、人波に消えていった。
帰りの電車は行きよりも空いていた。今思えば、夜公演まで見ていく人たちがけっこうな数いるのかもしれない。私は大平俊也氏のツイッターアカウントを捜し、迷わずフォローした。
Fear, and Loathing in Las VegasというバンドのMinamiというメンバーがいる。彼はステージ上で、まさに狂人だ。髪を振り乱しながら叫び、かと思ったらわけわからんパラパラみたいなダンスを踊り、でも楽器はちゃんと弾く。そして、嘘くささが一切ない。
Soil&”PIMP”Sessionsというバンドの社長というメンバーがいる。紅白のとき、椎名林檎の後ろでヒマそうにしていたあの人だ。彼はジャズバンドの中にいながら、楽器を(ほとんど)弾かない。彼の担当は”アジテーター(煽動者)”。悪趣味なマフィアみたいな恰好で、ステージ上をふらつきながら、メンバーの演奏をのぞき込んだり、客席をメガホンで煽ったりする。ほんとうにこの役割を必要だと思っているのか。どこまでが演技で、どこまでが素なのか。まったく読めてこない。
私は彼らを見るたび、自分に成しえないことをしていると尊敬する。
私は、エンターテイナーが好きだ。それは、役を”憑依”できる人のことだ。舞台の上で演じる人たちは、素の自分のままではもちろんいられない。しかし、役を演じすぎると、それはそれで嘘くささが付きまとう。だから、役を演じていながら、まるでそれが役だと感じさせない立ち振る舞い。そういう”憑依”を楽しみに、私はミュージシャンのライブへ足を運んでいる。
大平俊也氏は、まさにこのエンターテイナーだと感じた。彼は舞台の上で、間違いなく今剣だった。仕草や声の可愛らしさと、ダンスの躍動感。(あと顔の良さとかもろもろ。)それらをひっくるめて、私はしてやられた。
鳥越氏はもちろん好きだ。しかし、実際に見た舞台では(少なくとも刀剣乱舞という題材では)、大平氏のエンターテイナー性のが私にとっては魅力的だった。それだけのことだ。間違いなく今後も、鳥越氏の動画は見続けると思う。
私は自宅に帰り、もらったペンライトを取り出した。推しの色をピンクに設定し、棚にしっかりとしまった。次は、ピンク色のヒモみたいなやつも手に入れたいところだ。