2025-06-08

増田AIで終わる理由

■1. 匿名性と語りの希少性がAIによって希釈される

増田における魅力の一つは、誰が書いたのかわからないまま、個人の切実な体験や心情がぽつりと語られることです。この「誰かの本音」に価値がある文化しかAIがそれっぽい文体感情模倣できるようになると、「これは本当に人間が書いたのか?」という疑念が生まれ、**語りの希少性**が失われます

たとえば、

子どもが泣いている。でも私も泣きたい。夫はもう何年も目を合わせない。」

のような文章が、人間の手によるものなのか、あるいは学習データから抽出されたAIの作文なのか、見分けがつかなくなる。それは「増田」という場所の信頼を揺るがせます

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■2. AIが「語り手」の模倣成功してしま

増田で人気のあるエントリには、ある種のテンプレートがあります。「静かな絶望」「断片的な過去」「気づかぬうちに壊れていた自分」など。それらがAI再現可能になり、しかもそれが「いいね」やブクマを集めてしまうと、人間書き手は次第に居心地を失っていく。

AIが「壊れかけの語り手」さえ演じるようになったとき、壊れた人はどこに行けばいいのか?

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■3. 書かずとも読めてしま未来

AIによって「自分が書きそうなこと」や「自分共感しそうなエントリ」がレコメンドされる時代には、「わざわざ自分で書く」という行為意味が薄れてしま可能性があります

自分気持ちを吐き出す」ために増田があったのに、それさえもAIが先回りして代弁してくれるなら、人は書かなくなる。「ああ、そうそう、まさにこれ」だけで済んでしまう。つまり **表現が消費に最適化され、発露としての役割を失う**。

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■4. 増田という「場」そのもの消滅

最悪のシナリオとして、AIが人気エントリ自動生成し、まとめサイトSNSでバズを生み、PV広告収入AIによって回収されるようになると、「人間が書く増田」はもはや運営にとって必要なくなるかもしれません。

結果として、「魂の抜けた、しかしそこそこ読める」AI増田ばかりが残る。まるで**生きてるけど生きてないゾンビのような増田**。

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