2025-03-23

ストリートピアノについて語る

普段から趣味ピアノを弾いていて、羽田空港や主要駅でストリートピアノにも何度か挑戦したことがある私から少しストリートピアノ界隈について解説したいと思う。


まず私がどういう人物かというと、子供の時にピアノを数年習って、そこから◯十年振りに趣味ピアノを再開したおじさんである。ある時NHKストリートピアノ番組(「街角ピアノ」「空港ピアノ」「駅ピアノ」などがある)を見て、その自由な姿と、音楽純粋に楽しむ姿。そして、弾いている人の人生の背景が見えるところに魅力を感じて、自分も挑戦してみようと思ったのだ。レベルでいうと、プロではない層の中では、中級者くらいかなと思う。


まずストリートピアノというのは、空港や駅を中心に、人々が行き交う場所においてあり、誰でもピアノが弾けるというもの


海外ではただピアノがポンっと置いてあって、人々はどんなスタイルでも自由に弾くことができる。下手だったら素通りするし、うまかったら足を止めて演奏に聴き入ったりする。


バイオリンと共演することもあれば、オペラや歌を歌うようなこともある。その場でセッションが始まったりと、海外ストリートピアノ風景は本当に自由で、即興的で、音楽の楽しさが詰まっている。


日本ストリートピアノは少し事情が違って、大体は制約がついていることが多い。(でもそれが気になったことはない)


たとえば、2人以上でピアノを弾く連弾禁止されていたり、歌を歌ったり、他の楽器と一緒に演奏したりすることを禁止している場所も多い。時間は大体10分〜15分くらいに制限されているものが多い印象。商業施設だとスタッフ一言声をかけて、というような場所もある。


ストリートピアノは、一定ファン層が間違いなくいて、「お、ここにピアノ置いてある!」といって弾くよりも、「どこにストリートピアノあるのかな?」と事前に調べて行く人が多いのではないかと思う。事前に調べないと、たまたま見つけるにはかなり難易度が高い。


ピアノが置いてある場所は、建物フロアの中心に置いてあるものもあれば、建物の2階の外れに置いてあるものあり、さまざま。


実は私はストリートピアノにはレベルがあると思っている。ストリートピアノ界の最高峰都庁ピアノだと思っている。有名ピアノYoutuberが難曲を軽々と弾くのを見たことがある人もいるのではないだろうか。ハラミちゃんとか、よみぃとか有名人演奏している。


他にも羽田空港第二ターミナルのように、吹き抜けのフロアで、ピアノが聞こえる範囲により多くの人がいるような場所は、レベルが高い場所、といえる。


もちろんストリートピアノなので、下手だろうが、なんだろうが誰だって弾くことはできるが、レベルが高い場所ほど、弾く勇気がある。ストリートピアノは、度胸が大事という側面は少なからずある。小学生練習曲を弾いたと思えば、音大卒のプロピアニストが弾いたりすることなどもある。


しかも人気の場所で、人気の時間帯は、行列ができたりしていて、しかもみんなうまかったりするので、練習が足りていないとかなり気まずい思いをするものだ。並んでいるときは、お互いに空気を読み合って譲り合う。待っている人がいるにも関わらず、2時間練習するような人は通常の感覚はいない。


ストリートピアノピアノという一つの楽器という共通点だけで、いろいろな人生の背景を感じさせるものがある。その背景を空想しながら聴くのも一つの楽しみ。


出張中のサラリーマン大学受験地方にきた高校生、年配のご婦人、などなど。実際にNHK番組でもその人の背景が紹介されるが、いろんな人が、いろんな人生があって、でもその中の一部に音楽があって。そういうものストリートピアノの最大の良さではないかと思う。


さて、問題になっている「ストリートピアノ練習してから」という投稿についてだが、フードコードのような一角にあり、比較ファミリー層が多そうな場所である


そうなると、まず座って食事をしている人が多いので、ピアノを聴きたくない人もいるということが起こり得る。


またファミリー層の多い場所であれば、当然子供ピアノ教室で習っているような曲を弾くことになる。


このような設置場所と客層を考えれば、子供練習曲食事をしたい人が聴くというミスマッチが起こる。


ある程度想定されることが起こっているのにクレームを設置者がいうのは間違っているだろう。もしそれがダメならピアノの設置場所を変えて対応するのが自然ではないかと思う。


ストリートピアノ子供が弾こうが、それが練習だろうが、正直あまり関係ない。ただ、設置場所によってストリートピアノには色が出てくる。場所によっては練習のようなことは控えた方がよい(演奏者に控えようと思わせる)場所もあるとは思う。


今回のケースでは、主催者本来は想定していないようなことが起こってしまったということかな。


なので、撤去するか、場所を移動する、というのが一番よい解決策ではないかと思う。


私自身、一生懸命練習して(いるつもり)で、ストリートピアノに挑戦するときは、いつもドキドキして、誰も聴いていなくても手が震えたりして、でもストリート音楽を通じて、自分人生表現するのがたまらなく好きなのだ


から最初に該当のポストを見た時は、身につまされるような思いだった。「あぁ、こんな投稿見たくなかった」というのが正直なところ。


ストリートピアノは、いろいろな人生を受け入れる場所だと思う。そして設置場所によって、受け入れられる人生の幅が変わってくる。


クレームポスト投稿した方は、改めて自分たちが出したい色を考えて、設置場所を考えるべきだろう。


演奏者が多少下手であっても、ストリートピアノ音楽を楽しんでいるのであれば、その輪が広がって、その場所を明るくする、あって欲しいと願います


最後に、私が一番好きなストリートピアノYoutubeを貼っておきます。こんな演奏があったらぜひ足を止めて見てみてね。

https://youtu.be/5XGw74DwkGg?si=CND0laMElTzvD7nF

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