先週の土曜日、朝起きて玄関を開けると、ポストの上に一枚の手紙が置かれていた。薄い白い封筒に、黒のボールペンで「〇〇様へ」とだけ書かれている。差出人の名前もなく、表面にはそれ以上の情報はない。
正直、こういうのは映画やドラマの中だけの話だと思っていた。現実でこんな手紙を見つけたら、普通なら警戒するだろう。でも、興味本位が勝った。封を開けてみる。
「お願いだから、気づいて。」
…何に気づけばいいんだ?何の話?意味が分からない。まるでホラー映画の冒頭みたいだ。
その日は1日中、手紙のことが頭から離れなかった。「気づいて」って何?何か忘れていることがあるのか?重要な出来事を見逃しているのか?家の中を見回しても異常はなし。身の回りの人にも特に変わった様子はない。
夜になっても答えは見つからず、半ば諦めて眠りについた。
翌朝。
玄関を開けると、また手紙が置いてあった。昨日と同じ白い封筒。震える手で開ける。
「もう遅い。」
…何が遅いんだ!?怖くなってすぐに警察に相談しようかとも思ったが、ふとあることに気づいた。
慌てて電話をかけると、「忘れてるかと思ったよ」と少し拗ねた声が返ってきた。手紙のことを話すと笑いながら、「そんなことするわけないでしょ!」と呆れられた。
じゃあ、あの手紙は一体誰が?
…今でもその答えは分からないままだ。ただ、あの手紙のおかげで母の誕生日を思い出せたのは確かだ。
これが偶然か、誰かのいたずらか、それとも…?
あーあれだ なかなか気付かないもんだよね まずは手鏡を用意します 洗面所の鏡の前で合わせ鏡にして後頭部を見ます 長~い友達を失ってることに気付きます でも手遅れなんだよね仕...