2024-12-11

イーロンマスクの伝記にはイーロンが追うべき数字を設定する場面が何度か出てくる。注意深く読むと普通感覚とはだいぶ違う数値を設定している事に気がつく。

ロケット打ち上げの時は「省略する部品の数」だった。多ければ多いほど良い。普通感覚ではロケット打ち上げ必要な推力(エンジンの出力)を目標設定すると思う。もしくは一機あたりのコストとか。でも結果的部品を減らす事が打ち上げ成功につながっていた。

その次はテスラ。積載するバッテリーの量だった。普通は航続距離目標設定にする。バッテリーの積載量を目標設定すると「バッテリーの使い方をしない選択をする事になる。目標技術者が考えた最大積載量を遥かに上回る数字で、しかも全て犠牲にしたらイーロンの数字がピッタリ上限になった。

戻ってSpaceX打ち上げ成功後はラプターエンジンの「1日あたりの生産量」を目標設定した。普通感覚なら打ち上げ数や打ち上げあたりのコストだ。しかしここでもやはり正しかった。

そして極め付けはTwitterエンジニア解雇する際、直近で書いたコードを全て印刷させて少ない順に切っていった。エンジニアの質を「書いたコードの量」で比較するのは玄人からしても愚の骨頂だろう。コード自動生成するコードもあるし、強力なライブラリを使えば一行でインパクトを出せる。素人目には「アクセプトされたPRの数」を評価指標にすべき。しかしここでもTwitterを停止させずに首を切る事に成功した。

Twitterサーバーはイーロンが買収した直後にサクラメントからポートランドに移動した。このサーバーNTTの厳格な手順書によって管理されていた。しかしイーロンが「移動できたサーバーの数」を目標設定したため無理矢理配線を引っこ抜きガードもほぼないまま自前のトラックで移動させた。サーバーを移動するのはサクラメントが高かったからだが、であれば「1日あたりのコスト削減」を目標設定すべきのように思う。物理的にサーバーがどこにあるかはコストが下がればどうでも良いはずだ。必要な手順を抜いて自前のトラックで運んで壊せばバカ高い追加費用必要になり本末転倒だ。しかしここでもやはり大幅なコスト削減に成功した。

これらを俯瞰するとイーロンは一般人コスト評価メトリクス(推力など複数の数値を組み合わせた数値)を見ところで、小学生にも判別可能なくらい物理的な目標設定をする。もちろんテスラ生産台数やSpaceX打ち上げ回数もKPIとして出てくるが、そのKPIを追うとき現場目標設定が極めて不自然ナンセンスに見える。

https://x.com/tanukiponkich/status/1866565985278497193?s=46&t=GHp5sAn76vcK9epq7fOUWQ

  • 読んでないけど、それでうまくいってればいいけどさXの業績は厳しいよね EVと宇宙開発がうまく言ってるのは、EVと宇宙開発がブルーオーシャンだからだと思うよ 相手がガソリン野郎と...

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