2024-11-27

anond:20241127045807

一般的に言うと漫画という創作形態の高尚度合いは低くなりがちだ

ハイコンテクストで多方面の専門的な分野の知識があったほうがより楽しめる作りにする点で、やはり作家個人創作主体となる漫画よりは、プロ脚本家チームが作るオリジナルアニメドラマさらに大規模な製作チームを組んで作るゲーム映画の方が有利だ

中でもアニメ系の文化背景を持つゲーム作品は、大作であればとりわけ高い文化教養度が求められ、長期にわたって考察に興じるファンが現れやすい/複雑な世界設定を作り込みやすジャンルでもある

アニメ映画系のサブカルチャー歴史にどっぷり浸かった人が作るものなので過去の名作やミームオマージュが散りばめられることが多い上に、サイエンステクノロジー世界観に組み込まれていることも多く、更にメジャー神話(北欧ギリシャインドケルトエジプト中国日本)やマイナー概念クトゥルフグノーシス主義などのテイストを加えつつ、現代社会を反映したシニシズムが込められることも多々あり、一人ですべての元ネタ理解するのは困難という状況が起こりやす

このような広範な教養が求められるものほど高尚であると感じられるはずだ

もちろん教養的要素が少なくとも、思想の強い漫画であって人間的崇高さをキャラクターに仮託している作品であれば高尚「っぽい」作品を作ることは個人規模の漫画インディーゲームシナリオでも可能だし、主流の創作メソッドでもある

現に意識の高い作家は「取材」期間を設けて、専門家に近い知識や考え方を作家本人の頭にインストールしようとする

これも作品をより真実味のある高尚「っぽい」ものにするためのプロセスだ

だがそのような付け焼き刃的アプローチを駆使したとして、人間一人の脳が掌握できる視野は限られており、洗練度や完成度という面では高尚さを出すにも限度がある

そのため結果として小規模な創作形態では、破綻のない程度のリアリティを見せつつ思想性や作家性を軸にすることで高尚っぽく見せることになるのだが、思想性や作家性に寄りすぎると安っぽくなることが多い

熱心なファンストーリー構成部分から受け取った感動に従順になるがゆえに、その安っぽさが目に入っていないパターンが多いと予想される

記事への反応 -
  • チェーンソーマンとか読んでると実は漫画って崇高な読み物で、理解出来なくてギャーギャー騒いでる下等生物が悪いみたいな、理解できない方が悪いみたいな。

    • 一般的に言うと漫画という創作形態の高尚度合いは低くなりがちだ ハイコンテクストで多方面の専門的な分野の知識があったほうがより楽しめる作りにする点で、やはり作家個人が創作...

    • チェンソーマンは主人公がバカっていう設定が一番面白くて、 デンジがバカやってないとつまらないんだよな 抽象的で高尚な話をバカが巻き起こすドタバタの引力で誰でも読めるように...

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