2024-10-05

iPhone…?

今日重要な日だ。これから大事な商談がある。

相手商社は初めて行く場所から道は不安だったけど、大丈夫

俺にはiPhoneがある!この小さな四角い魔法の板さえあれば、道だってメールだって、何だって手の中で解決できる。

それは文明の利器という名の力!俺はその力を信じ、意気揚々電車を降り、駅を出た。

――しかし、何か様子がおかしい。

ポケットの中でiPhone確認しようとした時、ちらっと見えたディスプレイが一瞬光った。それだけじゃない、駅を出てから画面がついたり消えたり、なんだか不安定だ。

「まあ、そんなこともあるさ。そろそろ商社場所確認しないとな…」

と思ってiPhoneを取り出し、電源ボタンを押す。

――つかない。

え?ちょっと待ってくれ、嘘だろ?何度かボタンを押し直すが、やっぱり反応しない。

おいおいおいおい!冗談だろ!?相手会社場所がわからないと意味ないぞ!?

周りを見渡すと、雨が降り始めてきた。

傘を持った人たちが無言で俺の横を通り過ぎていく。

俺は雨の中で取り残され、ただiPhoneにらめっこするしかなかった。

これはまずい、やばい。何としてもこの商談は成功させなくてはならないのに、道がわからない。地図メールも、全てがiPhoneの中だ。

俺は上司から期待されてここに来たんだ。「今回の商談が成功すれば、我が社の未来が開ける」と。

そんな重大な瞬間を前に、俺は道もわからず、雨に濡れて立ち尽くす羽目になっている。

冗談じゃない…!こんなところで、俺は終わるわけにはいかないんだ!!

iPhone!今、つけよ…!お前が必要なんだ…!!」

だが、iPhoneは反応しない。俺の心の叫びが届いているのかもわからない。

そんな絶望の中、俺は限界を超えようと、天を仰ぎながら叫んだ。

「つけぇぇええええええええっっっ!!!!!!!!アイフォーーーーーーンっっっっ!!!!!!

……やはり駄目か。

絶望しかけたまさに、そのときだった――

「ブウゥゥゥゥンン!!!!!!!!」

iPhoneが微かな音を立て、画面がゆっくりと点灯する。

まさか――本当に!?俺の叫びが聞こえたのか!?

iPhone!!お前…復活したのか!!?

その瞬間、機械的な声が俺の耳に届いた。

「マッタク、サワガシイデスネ。ソンナニワタシガヒツヨウデスカ?」

Siri!お前まで無事だったんだな!!」

混乱はしたが、何でもいい!これで道がわかる、商談に間に合う!俺は喜び勇んで地図を開こうとした。

――だが、その時。

「ツカ、ワナイデクダサイ。モウ、アナタニハタヨレナイ。」

画面が再び暗くなり、静寂が訪れる。

俺の心も雨と共に沈み込む。そうして立ち尽くす俺を包むのは、ただ冷たい雨の音だけだった。

――そんな時だった。

「ナァ、ナンダカワスレテナイカ?」

「え?」俺は目を見開く。

iPhoneが再び光り、そして――俺に呼びかけてきた。

「ワタシハ、オマエトズットトモニタタカッテキタンダロ?オマエガアキラメナイカギリ、ワタシモタタカイヲヤメナイ!」

iPhone……!」


その瞬間、俺の中で何かが蘇る。そうだ、俺は諦めるわけにはいかない。

これまでどんな困難も乗り越えてきたのは、iPhoneと共に戦ってきたからだ!俺が道を切り開かなければ、未来は閉ざされるんだ!


iPhone、頼む!共に戦ってくれ!」

シカタナイデスネ……マァ、アイタガイヲミセテヤリマショウカ。」

「おおおおお!!!

から雷が落ちたかのような衝撃と共に、iPhone再起動する。

そして、ついに画面が完全に点灯し、地図アプリが起動した。

「いくぞ、iPhone!俺たちの商談に向かうんだ!お前がいなきゃ、この戦いは始まらねぇ!!」

「マッタク、アナタハシツコイデスネ。」

「ああ、でもそれでいいんだよ!俺たちは、共に未来を掴むんだからな!」

俺はiPhoneを掲げ、咆哮を上げながら商談の場所に向かった。

まるで雨さえ俺たちを祝福しているかのように、俺とiPhoneは共に戦場へと歩みを進めていった。

「俺たちなら、きっと勝てる!」

「ワタシハタダノツールデスヨ……。」

「いや、お前は相棒だ。俺の――iPhone!」

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