先日「銀行業務検定試験 投資信託2級」なる試験に合格しました。
この試験、あんまりにもマイナーなのか(受験者が全国で500人くらいしかいない)、受験した人をインターネットで全く見かけません。
せっかく合格したので、私が増田に受験記をしたためようと思います。
こんな試験を受けてるくらいなので、金融機関に勤めてます。この試験は「役席者・専担者」が対象らしいのですが、実際はそんなに偉くないので、かなり背伸びして受けています。私はいわゆる普通のセールスではないのですが、販売実務にかかわる機会はある(外務員登録が必要な程度にはかかわっています)ので、いちおう業界の端くれにはいるって感じです。
銀行員の知識を測定する試験です。法務とか税務とか財務とかいろいろ種類があり、それぞれの種類が2級~4級まで分かれています(3段階になっていない試験種も多い)。
法務3級とか財務3級とかは新卒行員が研修の一環として受けさせられるのですが、業界以外にはさっぱり通用しない資格でもあります。純然たる民間資格のため、持っていないとできない業務も別に存在しません。
実際のところ、業務に役に立つか立たないかで言えば3割くらいは役に立つと思うのですが、この3割の中には他の資格と被る範囲も多いので、銀行業務検定でなければならない理由があるのかは謎です。
もともと趣味が資格取得だったのと、暇なときによその銀行の投信のページを眺めているのが好きだったという2点に尽きます。
投信2級はあんまりにもマイナーゆえ、とくに受けるよう会社から言われたこともありません。
銀行業務検定といえばマーク式の印象持つ方も多いと思いますが、投信2級は大問10問すべて記述式、かつ必答です。
出題分野は8~9割固定されており、例年大問1問だけ新傾向の問題(直近の制度変更に関するものなど)が出題されます。
(今年は二重課税調整にヤマはってたのですが、実際に聞かれた新傾向問題はiDeCoでした)
とはいうものの、固定されているのは分野だけで、微妙に方向性の異なる聞き方をしてくるケースも多いです。
あんまり数えてないのですが、おそらく30時間くらいじゃないでしょうか。会社から受けろと言われているのではない限り(投信2級を受けろって言う会社がどれだけあるのか謎ですが)そんなに時間かけてもしょうがないと思います。
公式の過去問題集があります。前述の通り、出題分野はほぼ固定のため、過去問を回すのが最大にしてほぼ唯一の試験対策です。採点所感として減点されるポイントが書いてあるので、自己採点に不都合はありません(所感はわりと辛辣に書かれているので怖いな~ってなります)。受験者がほぼ金融機関行職員だからか、それを前提に解説や所感も書かれているため、そこは注意点かもしれません。
日本証券業協会が出している冊子で、本来は証券外務員試験のための教本です。立ち位置としては運転免許の更新の時にもらう教本に近いです(ずっと重いですが)。「必携」とはいうものの、べつに携える義務があるものではなく、携えている人を見たことはありません。
証券外務員試験の勉強に使うにはやや不親切ですが、投信2級にはそこそこ役に立ちました。債券のこまごまとした用語とか、販売規制に関するこまごまとした点とか、細かい点を確認するのにある程度有効です。ググって出てくる情報は適当だったり古かったりする可能性がありますが、外務員必携は毎年改訂ですし、なにより日証協が直々につくっているという信用度があるので、意外と頼れます。
出やすく、かつ引っかかりやすいポイントだけでも重点的に過去問回すのが大事です。出やすいとこで、重みおいて勉強していた出題分野は私だとこのあたりでした。
もっとも、成績通知見たうえで振り返ってみると財務(PERやROE計算させてくる問題)とか解約価額計算とかの大問でも落としていたっぽいので、舐めずに計算問題は一通りさらっておくのが丸いと思います。
正直落ちたかなと思ってたらボーダーで合格していたという程度なので、投信2級が求めるレベルに自分が達していたのかというとかなり微妙です。
また、投信2級の勉強通じていろいろ新たに知った点は多いですが、それゆえ有益とはいいがたいです。というのも、(勉強したことないのでわからないですけど)おそらくここで問われている内容って証券アナリストみたいな他資格でも要求されることだと思うんですよね。また、上で書いたように難しいことを聞かれることもありますが、しょせん販売会社側の、それも販売するセクションからの視点の資格ですから、投信2級がカバーしていない部分も多々あります(たとえばほふりの話なんかは全く問われません)。
そう考えると、会社から取得を要求されているわけでもない限り、あまり勉強にコスト割く資格ではやっぱりないよな、というのが正直なところです。
とはいえ内容自体は面白いと感じる人にとっては面白いと思うので、運用報告書を読むのが趣味の方なんかは受験を検討されてはどうでしょうか。