2020-03-14

初代PSの立ち上げは任天堂への怨念からではない、というお話

実はプレイステーションの生みの親、久夛良木健任天堂へ出入りしはじめたのはファミコン時代ディスクシステムの頃。その頃からソニーフロッピーディスクを使ってくれと営業に来ていた。

その時から久夛良木は「家庭に置く高性能コンピュータ」という夢を持っていた。そのため一番近いのはファミコンバカ売れしている任天堂と手を組むのが一番だと思っていた。

フロッピーディスクディスクシステムのクイックディスクよりも高性能・大容量ではあったがコスト面にて折り合いがつかず採用には至らず。しかしそこから久夛良木任天堂との付き合いが始まる。


その縁がもととなりソニー音源チップ次世代機スーパーファミコンに搭載することになった。開発用ワークステーションNEWSソニー製だ。この時点ではがっちり手を組んでいる。

そしてCD-ROMオプションの話が出てきて、その後キャンセルとなるのだが、実は証言をたどると意外に久夛良木自身はあっさりとしている。

https://www.cesa.or.jp/efforts/keifu/kutaragi/kutaragi03.html

「ある共同開発プロジェクトが、一方の事情が変わって頓挫してしまう」というのは、一般的にも起こり得ることです。ソニーでは他社との間で多くの共同開発プロジェクトを手がけていましたが、最終的な成果にたどり着けなかった企画もいくつか存在していました。

と、なんと任天堂キャンセル理解すら示している。「任天堂野郎をなんとかして見返してやる」的な怨念全然見られない。実は同様の証言他者からもでている。



https://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120903062/

「そういう解釈が一番分かりやすく,ストーリーとして面白いけれども,実際はそうじゃなかったように思う」

「もちろん,悔しいという気持ちもあっただろうけれど,何よりも多良木さんは“やりたかった”んじゃないかな。それが真実でしょう」

「だから,今度は(任天堂など他社が介在することなく)自分達の“本当にやりたいこと”ができる状況になり,むしろ久夛良木さんは『しめしめ』と思っていたかも」


SCE設立に関わった丸山茂雄証言である久夛良木PS立ち上げに動いた原動力は負のものではないという。プレイステーションの立ち上げは怨念とは違う、正の理念に基づいていた。

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