少しずつでも社会が良くなるようにって一生懸命声をあげてるのに「お気持ちでしょ」で片付けられて腹が立つよね。
でもそれはやっぱり論の展開に粗が多くて、本質的に伝えたいことよりもそっちに引っかかっちゃうってことなんだ。
じゃあどうすればいいか。
外資系コンサル(笑)の俺が叩き込まれた論理的思考の方法を教えます。
「これ変だな」とか、「なんか嫌だな」とか、そういうのがスタートになる。
この気付きというのが奥が深くて、気付くためにはそもそもその分野に敏感でいないといけない訳だ。
だから違和感を見つけられたという事は、あなたはその分野についてよく勉強してるってこと。
で、ここが大事なんだけど、スタートを見つけたら仮にでもゴールも考えてみること。
「A. 現状はこうだから嫌だと思った」というのがスタートで、「B. だからこうあるべきだ」というのがゴールになる訳だ。
ちなみにこの「Bであるべきだが現状はAだ」という2点間の差分のことを「問題」と呼ぶよ。
似た言葉で「課題」というのもあるけど、ロジカルシンキング(笑)的には使い分けがあるから興味があったら調べてみてね。
河原でぼんやり空を眺めていて思い浮かんだのはただの妄想だってこと。
スタート地点が妄想なんじゃ、ゴールも、問題も、課題も、全部まるっきり無意味。
だから、「この漫画の何話のこの部分が不適切だ。」って説明できるようにしてね。
あなたが「不適切だ」と思ったそこに描かれているものを要素ごとに分解してみよう。
どれくらいまで分解すればいいのかというと、もうほんとバラバラになるまで。
それ以上分解できないところまで。
そこまでやったら、中にはきっと「あ、この要素は別に関係ないな」ってものがあるはず。
そしたらそれらを退けて、最後に残ったものを組み立てると、あなたが本当に問題だと思っているものがきちんとした構造を持って現れてくる。
これができると何がお得かというと、構造化は同時に抽象化でもあるってこと。
これで、「なぜ不適切かというと、XXXがYYYでZZZだというように描写されているからだ。」と説明できるよね。
もしかすると、気付きのきっかけは女性差別だったけど実は性別は関係なくて人権一般の話なのかな、とか、自分でも思いもよらない構造が見えてくるかもね。
ここまで来るともうあなたの感情とは関係がないものになってるから、そう簡単にお気持ちとは言われないよ。
別にあなたが問題だと思った一例で主張してもいいんだけど、それだと普遍性が無いよね。
ゴールがその漫画のその話を回収させるとか謝らせるとかならいいかもしれないけど、そうじゃないよね。
ちなみに一例だけを挙げてもっと大きなものを論じようとすると「主語がでかい」ってなるよ。
あなたにはさっき作った問題の構造があるから、もっと色々集めてみよう。
こうやって事例を列挙することで普遍性を示す方法を「帰納法」と呼ぶよ。
「同じジャンプで連載されてるAAAという作品やBBBという作品でも同じ問題の構造を持った描写がある。だから、ジャンプという雑誌は編集方針としてこういった描写を容認しているのだ。」と〆ましょう。
この事例の数が多ければ多いほど説得力が出てくるね。
ちょっと脱線するけど、プレゼンするときは話し言葉としては1〜2例くらいにして、他は資料に書くだけにしておくとスマートだよ。
ダラダラ例示を読み上げてると、聞いてる人は手元の資料しか見なくなっちゃうからね。
ちなみに帰納法には限界があって、それはどんなに例を集めたとしても、あくまであなたの観測範囲の中のできごとに過ぎないってこと。
なぜ不適切かというと、XXXがYYYでZZZだというように描写されているからだ。
同じジャンプで連載されてるAAAという作品やBBBという作品でも同じ問題の構造を持った描写がある。だから、ジャンプという雑誌は編集方針としてこういった描写を容認しているのだ。