2009-10-01

150歳の年金受給者は現れないよ。

によると、9月27日の『たかじんのそこまで言って委員会!』で、「年金受給のために死亡届を出さないでずっと生き続けていることになっている高齢者が、今後激増するはずだ」って話が出てたって話題になっているんだけど、一応、そういう仕組みにはなっていないよ、ってことを門外漢ながら説明してみたい。

年金は毎年一回、受給状況の確認がある。

厚生年金でも国民年金でも、年に一回「現況届」ってのを出して、生存状況を確認することになっていた。「いた」ってのは、今では住基ネットで生存が確認できるからだね。

だから、住民票が無くなってしまえば、当然、年金は受給できなくなる。

住民票には職権消除制度がある。

住基ネット住民票の内容に基づいて構成されているわけだけど、住民票の仕組みには(正確に言えば、住民基本台帳法には)、市区町村が調べて居住の実態がなかったら、その人の住民票は抹消できることになっている。これを住民票の職権消除というんだけど、どういう仕組みかちょっと例を出してみよう。

はてな村大字モヒカン1番地に引っ越してきたAさんが住民票を提出すると、役場の人が「モヒカン1番地には既にBさんが住んでいますね、同居なさるんですか?」って聞いてきたりします。実は、Bさんはここからもうヤフーブログ市3丁目に引っ越していたのに、住民票の届けを出していなかったのだ。そこで、Aさんは「いや、ルームシェアなんかしませんよ、ギークハウスでもありませんよ」なんて窓口の人に言う。そしたら、役場の住民票係の人は、その人の家に訪問したりして、Bさんはホントにここには住んでいないらしいと確認して、Bさんの住民票をこれから削除してしまう。これが職権消除。ちなみに、Bさんはあとからヤフー市で転入届を出せば、無事住民票が復活する。さらに余談。ニュースで「住所不定」って言われるのは、こんな感じで住民票が無くなっちゃってる人のことだ。

閑話休題。こんな感じで、実態調査の結果、住民登録を抹消する仕事を、市区町村は意外にやっている。

居住実態がなければ住民票はない。住民票がなければ年金もない。

ということで、120歳とか130歳とか、非常識な年齢の人が出てきたら、市区町村だってそのまま放っておきはしない。実態を調べに行って、その人の実在が確認できなければ住民登録を抹消するので、文字通り「幽霊年金受給者なんてのはそう多くは発生しない仕組みになっている。この時期に厚生労働省長寿者の数を調べて発表するから、市区町村ではそれに合わせて高齢者の実態調査をやっているはずだよ。市区町村だって、敬老祝い金とかを贈るわけだからね。グーグルで「年金 不正受給 死亡」って検索するだけでも、これが発覚しているニュースがたくさん見つかるよ。しかも、親の年齢は、生きていたとしたら90とか100とか。

私は件のブログしか見ていないんで、この通りの発言があったかどうか確認できてはいないんだけど、もしこの通りだとしたら、辛抱治郎さんの間違いは「匿名希望高齢者=市区町村も実態をつかんでない」と思っていること。

んなワケないでしょうが、で一蹴できる話だったんだけどね、ホントは。

  • 死んでるのに死亡届出さずに家族が年金を受給するケースって書いてあるじゃん。ちゃんと読んだ?

  • 死亡届ださなければなんとでもなるってわけじゃないってエントリに 死亡とどけ出さないっていってるじゃないと反論しても意味がない。 ちなみに生きてるか死んでるか調べるのは役...

  • 120歳や130歳となると役所も流石に怪しいと思うだろうけど、 自宅でひっそりと家族に見守られながら無くなった80歳のお年寄りが 10年間死亡届を出されなかったとしら、 生きていたとし...

    • そりゃ年金の不正受給チェックという名目で「生きてますか」ってあがりこむわけにはいかないだろうけど「後期高齢者向けの健康相談」とかいう名目で巡回するのはありだと思うよ。...

    • だから、ときたま死亡届出さずに親の年金不正受給してる家族が摘発されて新聞記事になってるじゃん。 親の死を隠しても永遠に不正受給することはできないってことだろ

  • 150歳が問題なんじゃなくて年金を不正受給してる奴がいるってのが問題なんだろ。 それより90歳と110歳を外見だけで見分ける方法でも教えてくれ。

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