今回、真城葵を演じる富田美憂さんに、本作の見どころや演じるキャラクターとご自身との共通点をインタビュー。さらに骨董品店を舞台とした本作にちなんで、富田さんが好きで集めているコレクション品も訊いた。
実際にコレクションを取材現場に持ってきてもらったのだが、富田さんの意外なプライベートな一面が垣間見える結果となった……。
[取材・構成=松本 翼]
京都寺町三条のホームズ
■葵を通して本当に京都にいるような感覚を味わえる
――まず、原作を読まれたときの印象を教えてください。
富田美憂さん(以下 富田)
わたし、実は小説を読むのは苦手だったんですけど、この作品は読んでいるうちに風景や情景が頭に浮かんできて、小説が苦手なわたしでもすらすら読めちゃいました。
京都の風情ある町並みやおいしい食べ物が伝わってくる繊細な文章で、葵を通して本当に京都の街なかにいるような感覚を味わえました。
――ミステリー小説でもありますが、物語はいかがでしたか?
富田
京都が舞台ということで、謎解きのミステリー要素も“はんなり”しているんですよね。葵と一緒にゆっくりゆっくりと謎を解いていくような感覚で、普段ミステリーを読まない方でも、頭に入ってきやすいんじゃないかなぁと思いながら読んでいました。
――ご自身が演じる真城葵についてはいかがでしょう?
富田
私と共通点がたくさんあるなと思いました。このオーディションを受けさせていただいたとき、葵と同じ高校生でしたし、出身地も同じ埼玉で、思春期特有の人間関係の悩みなど共感するところがすごく多くて。
京都に引っ越してきた葵は初めて出会う人々や場所、食べ物などに触れるなかでいろんな発見をしていきますが、見たもの全てに反応して表情がコロコロ変わるところも自分に似てるのかなと。そんなことを思いながらアフレコをしています。
――そんな葵と一緒に謎を解いていくのが、ホームズこと家頭清貴です。
富田
原作を読んでいる時も思いましたが、他のキャラクターとまとっている雰囲気が違うというか、不思議な魅力がある人ですよね。
たまに心の声を読まれるので、ちょっと怖いなーって思うんですけど(笑)、ほんとにカッコよくて素敵なキャラクターだなと思います。
■初めて演じる“ごく普通な女の子”
――葵を演じるにあたって意識していることは?
富田
これまでは癖の強いキャラクターを演じることが多くて、葵のようなどこにでもいるような女の子を演じるのは初めてだったんです。
過去に演じたキャラクターの音声を聴き返して、「こういうセリフ回しとのきこういう癖が出る」ということを取っ払って、できるだけナチュラルに、ごく平凡な女子高生になれるように意識して演じています。
あと音響監督さんからは「葵と同じ目線で物語を追っていくから、"視聴者代表"として起こる事件を体験していきながらセリフを言って下さい」というディレクションがあって、それがなかなか難しいところでした。毎回思考錯誤しながら演じています。
――お聞きしていると、より役者としても幅が広がるような役柄だったんですね。
富田
そうですね。「わたし、こういうキャラクターもできるんだ」という発見がありました。葵を演じるまでは、ふつうの女の子の役はできないのかな……って思っていたんです。
でもオーディションで合格して、葵の役を頂いた時に「こういう役に挑戦できる」とすごく嬉しかったです。だから、色々悩みつつも、今までにない役柄を楽しみながら演じさせていただいてます。
映像で見ると葵って、ホームズと話しているときのリラックスしている雰囲気もありながら、謎を解くときの真剣な表情や、ギャグっぽい顔もあったりと、表情がコロコロと変わるんです。そういう差を出せたら面白んじゃないかと思って演じています。
――石川界人さん演じるホームズとのかけ合いで、気をつけていることはありますか?
富田
第1話では、葵とホームズの出会いが描かれますが、初対面のぎこちなさを出せたらいいなと思いながら演じました。
第2話には、葵がホームズのことを「ああ見えて結構な変人さんなんですよ」と言うセリフがあって、そんな感じでふたりの距離感が近くなっていくのが見どころですね。