動画配信サービスHuluのアニメ作品のライナップが今後大きく拡大しそうだ。Huluを運営するHJホールディングスLLCは、アニメ動画配信の大手バンダイチャンネルと包括的コンテンツ・パートナーシップを締結したことを明らかにした。2014年9月12日より、その第一弾としてバンダイチャンネルが配信する人気アニメ『機動戦士ガンダムSEED』HDリマスター版、『機動警察パトレイバー』、『戦国BASARA』、『バディ・コンプレックス』などの配信を開始した。すでに『バジリスク~甲賀忍法帖~』、『鴉 -KARAS-』などの第二弾、第三弾の配信も決まっており、今後さらにアニメ作品のラインナップが拡大しそうだ。Huluは米国で設立された動画配信サービスである。毎月定額で見放題というビジネスモデルで人気を博し急成長、この分野で世界的な存在となった。日本でのサービスは日本法人が2011年8月にスタート、2014年2月に日本テレビ放送網の子会社として設立されたHJホールディングスLLCが、その運営とブランドを引き継いだ。運営母体が変わった後も配信タイトルの増強をしている。これまで得意としてきた海外ドラマなどに加えて、日本作品のラインナップ充実に力を入れている。2014年4月にはNHKのテレビ番組の配信を開始、従来からコンテンツ・パートナーシップを持っているテレビ東京からは『妖怪ウォッチ』の番組提供を新たに受けている。バンダイチャンネルと包括的コンテンツ・パートナーシップは、これらに続くものだ。オンライン動画配信サービスで人気の高いアニメを重視した。バンダイチャンネルは、アニメ国内トップのアニメ専門の動画配信サービスだ。配信作品は約2400タイトル、エピソード数は約3万8000話にもなる。バンダイチャンネルは各動画配信ポータルに作品を提供する一方で、独自の配信サービスも持っている。なかでも、1ヵ月1080円(税込)の定額見放題サービスは人気メニューである。これは月額933円(税抜)のHuluのサービスと一見は競合する。しかし、アニメだけに特化したバンダイチャンネルは、アニメファンの市場に強みがある一方で、その枠から飛び出し難い弱点もある。より一般視聴者をターゲットとするHuluへの作品提供はユーザーが被ることなく、むしろ視聴者の拡大につながるとの読みがありそうだ。一方、Huluも一般視聴者に馴染みが深いアニメを中心にラインナップの充実が図られ、ユーザーの満足度も向上しそうだ。Huluは今後も様々なジャンルの映画、ドラマ、アニメの配信を目指し、パートナーシップを拡大するとしている。今年2月の運営企業の移管は多くの人に驚きを与えたが、Huluは新たな戦略で日本のユーザーにアプローチしつつあるようだ。Hulu/http://www.hulu.jp/配信作品一覧 (一部・順不同)■ 9月12日(金)配信開始『機動戦士ガンダムSEED』HDリマスター/『機動警察パトレイバー アーリーデイズ』『戦国BASARA』/『バディ・コンプレックス』/『ノワール NOIR』『BTOOOM!』/『非公認戦隊アキバレンジャー』■ 9月18日(木)配信開始『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』/『バジリスク~甲賀忍法帖~』『戦国BASARA弐』■ 9 月25 日(木)配信開始『鴉 -KARAS-』/『機動警察パトレイバー』■ 10月1日(水)配信開始『機動警察パトレイバー』 新OVAシリーズ 他